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午前三時に書く日記

頭痛がして二時に目が覚めた。怖い。窓を少し開けて空気を入れ換える。布団から爪先だけ出して冷気に当てる。右手で左の肩甲骨と脇の裏を指圧する。強張っていた筋肉が徐々にほぐれる。頭痛が引いていく。

ここのところ深夜に目が覚める。枕元にいくつか本を重ねてあるけれど読む気は起きない。布団に入ったままiPadをいじる。眩しい。目を閉じる。開ける。画面を擦る。暗闇に視線を逃す。画面にそれを戻す。いつのまにか目を閉じる。

多分、そのせいで翌日首が痛い。

今夜は友人からメッセージが来た。起きているらしい。お互いの街と安否と財布にあいた穴の確認。

満月と新月、それとその三日前辺りに頭が痛くなる。(と、思っている)でも最近はちょっとした頭痛とか喉の痒みとかお腹の調子が不安に直結してしまっている。快速特急不安行き。少しの体調不良なんてこれまで幾度もあったのに。

自分に催眠術をかける方法を忘れてしまった。大丈夫、これはただの低気圧だ。とか、昼間に吸い込んじゃった粉塵。とか。ちょっとあの肉古かったかな。とか。


開けた窓の隙間からバルコニーに置いたヒメウツギの白い花が見える。本当はその白は見えない。まだ闇が辺りを巡回しているから。白いはずの花の影がみえる。揺れている。向こうの屋根の空の方が闇が薄い。葉の裏は真っ黒なのに。

深夜の道を一台のバイクが走り抜ける。音が聞こえる。どこかへ行く。


明日は手紙を書いたらいいんじゃないか。インクとかペンとかパステルとか使って。ともだちに。メールよりももっと分かりやすいのを。プルプル震えた筆跡の。でも明るいのを。

送らないかも知れない。朝の青い空は今とは別の惑星だから。まぁ少なくともそんな気分の友人がここに、午前三時の布団の中に居ましたよと。爪先を春の風に冷やしながら思い浮かべました。と、日記には書いておきます。


am 03:53 ー2020/04/10ー



あっ、鳥が鳴いた、ありがとう。

am 04:02




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