空はほんとうに焼けるのか
「夕焼け」という言葉に反して、夕方の空の色はごくみじかい時間しかそのバランスを保てない。その瞬間的神秘も、あなたの審美眼も、宵闇と1日の疲れのなかに溶けていってしまう。
だからせめて、われわれは夕暮れ時、毎日空を見上げるべきなんじゃないかと思う。べつに写真は撮らなくてもいい。
画面をスクロールして得られる刺激や、天に昇っていく数字を見つめる楽しさもよいだろう。
だけど、二度と同じ色で燃えない空と、一定の色を保てないあなたの記憶のなかの空とを、あるいはそのふたつのあいだにあるか