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【にっき】2024/05/17

大女将

昭和の時代からやっている家族経営のお店で、大女将(たまに大旦那)が招き猫のように入り口近くに座っていることがある。
ランチにときどき行っていた洋食店は、レジの中に車椅子に乗った大女将がいたし、昔の家の近くにあったお茶・海苔店は、大旦那(会長)が店の奥の方で店内に目を光らせていた。
今日行った都会のビルの谷間にある果物店併設のカフェも、入ってすぐのテーブルにマダムが座っていたからお客さんなのかと思ったら、「いらっしゃいませ、お好きなお席にどうぞ」と言われた。
彼らは実務的な働きはしていない。皆さん頭はしゃっきりしているのだけど、お会計もしないし、席の予約のことを訊かれてもわからずに、ほかのひとに振ってしまったりと、経験が活かせずもったいない。
老舗蕎麦屋などで、帳場を任されているというか、絶対にあたしの目の黒いうちはこのポジションは譲りませんからねという固い決意のもと、お会計をしっかり回している大女将もいたりはするが。
洋食店の大女将は、ピーク時間をすぎるとコック帽をかぶった息子さんらしきひとが、車椅子を押してどこかへ連れて行く(おうちに帰るのかな?)。
いずれにしても、彼らが若い頃から働いてきた店に、歳をとっても、足腰が弱っても、なにもできなくなっても、そこにいたいという気持ちを尊重していさせてあげる家族には頭が下がる。
でも、デイサービスに行って、幼稚園でやることみたいなことをするより、この間まで自分も働いていた活気のあるところにいて、店内を観察し、ときどき従業員に口を出しては嫌がられつつも、その方が大女将たちも楽しいし、自分らしくいられるんだよね、きっと。

卵焼きが付いているところがなんともいい

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何度も書いてるけど、毎日サンデーなわたしでも週末になると、なんか解放感があるんだよね。

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