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【小説】歴研部員“橘の君”事件簿シリーズ

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蓮華大歴史研究部の新入部員“橘の君”こと立花寺君枝。個性豊かな部員たちと歴史を研究するが、いつもなんらかの事件に巻き込まれちゃう。第1弾「消えた妖刀」に続きシリーズ化する予定。歴… もっと読む
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記事一覧

歴研部員「橘の君」事件簿【第7話】猫塚にて…虐待の事情 Ⅲ

アキラくんに取り憑いていた“七つ尾の猫”は、さも私のことを知っているかのように話しかけて…

歴研部員「橘の君」事件簿【第5話】猫塚にて…虐待の事情 Ⅰ

蓮華大サークル棟には猫が住み着いている。いつもいるから飼い主がいないノラなのだろう。いや…

歴研部員「橘の君」事件簿【第6話】猫塚にて…虐待の事情 Ⅱ

土曜日の昼下がり、佐賀は青空が広がり、秀林寺辺りは春風が吹いていた。 爽やかな風情とは裏…

歴研部員「橘の君」事件簿【第4話】消えた妖刀 Ⅳ

「ごめんなさい!」 先手を取られた。 ホタルちゃんが住んでいるところは蓮華大から近く、歩…

歴研部員「橘の君」事件簿【第3話】消えた妖刀 Ⅲ

「こりゃぁ…」 「すごっ…」 銃弾の跡を見て誰もが息を呑んだ。 「熊本市田原坂西南戦争資…

歴研部員「橘の君」事件簿【第2話】消えた妖刀 Ⅱ

私が歴史研究部を訪れて挨拶したその夜、またしても「通り魔事件」が起きた。 翌朝のニュース…

歴研部員「橘の君」事件簿【第1話】|消えた妖刀 Ⅰ

この春は開花予想日より少し遅れてお花見シーズンが到来した。それでも福岡県は平年並の3月中旬から咲きはじめ、入学式前には満開となりそうだ。 まだ肌寒い風を感じる夜、桜流しとまではゆかぬ雨がちらつくなか一人の男がアパートの駐車場で車から降りた。 「キャーァァァー」 女性のものと思われる叫び声が闇に響き渡った。 通り魔事件 私は昨日から花粉症か風邪のせいか定かではないが頭がぼうっとしてスッキリしない。そんなときに母親から電話がかかってきた。 「君枝!君枝ね?なんばしよっ