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手の形の悪い子はピアノが弾けない?

マガジン”音楽”を教える音楽教室に


ピアノのレッスンに通っている6年生の男の子、
なかなかの不器用具合で、
小さい頃から拍と一緒に腰が激しく上下してて
あれは楽しいんだか楽しくないんだか、
どうも言ってやめれるもんじゃなかった。

手のひらは欅の葉の如く薄く、細長く、
いわゆるラッパ手で、
手首は硬く、
指先に集中させようとすると
姿勢が極端に歪む、

もうそれは指導する側としては大変だったけれど
本人はいたって問題意識なく、
いつも音楽に触れる楽しさで
はちきれんばかり。

いわゆる、
正しいピアノの手の形を
いくら押し付けても、頑なに私の手を振り払って
肘鉄で私を押し除けて弾いている、って状況。
きっとピアノ教室に一人や二人、そんな生徒がいますよね。

あるいは、ピアノ教室に通わせているお母さんも
もしかしたら、それで頭抱えてる人もいるかも・・・

で、その男の子。

6年生になって
もちろんまだまだクセは強いんだけれども、
自分の身体として、ここ、というところの接合点が見えてきていて

それは、
確かに、手首を柔らかくするためのちょっとした体操や、
指先に意識を集中する練習など
ちょっとしたアドバイスはしてきたけれども、

それより内的に育ってきている音楽性が
自然、その生徒を導いてきているように思える。
よく聞く習慣や、音楽の流れを味わって弾くこと。
休符を聞くことなんか特にこういう子には大事で。

その代わり、その手、
見た目はやっぱり良くない。
「正しいピアノの手の形」と言う一般の常識から言えばね。

昔、ピアノの弾き方として、
甲高く、指を立てて、というのが主流だった頃、
ホロビッツはピアノを撫でるように弾いていて、あれはよいか悪いか、
というような論争を目にしたことがあった。

それから、二本指(生涯で2本しかない)で巧みにピアノを弾いていた子どもの映像も思い出す。

一般論は一般論であって、型ではないから、
選択肢はいくらでもある。

これからの彼の変化がますます楽しみだ。


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