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【特別講演会:申真衣先生】

はじめに

東京大学文学部3年の髙橋です。
4/17(水)、UTBC(UTokyo Business Club)と弊団体・東大Diligentの共催で、申真衣さんの講演会を東大駒場キャンパスにて行いました。数少ない東大女子の先輩であり、マルチにご活躍されている申さんのお話が聞けるのを、私も一参加者として心待ちにしていました。
当日は、新入生を中心とする約100名の東大生にご参加いただき、講演会後には、申さんへの個別質問・立食形式での学生交流会を行い、将来のキャリアプランを考えるヒントに溢れる時間となりました。


特別講師・申真衣さんのご経歴

GENDA代表取締役社長。
東京大学経済学部を卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。11年勤務し、マネージングディレクターに就任。
その後、株式会社GENDAを創業し、社長に就任。
2023年に上場を果たすと同時に、二児の母、さらにはモデルとしても活躍中。

講演会の構成

講演会は、以下のような4セクション構成でした。UTBC・東大Diligentから各1名の学生がファシリテーターを務め、各セクションごとに、参加学生から申さんに直接質問をさせていただきました。

  1. 大学生時代について

  2. ゴールドマン・サックスの勤務時代について

  3. GENDAの起業について

  4. 私生活・キャリア形成について

約100名の東大生が、熱心にメモをとりながらお話を伺っていました。

ここからは、特に印象に残った申さんのお言葉を、私なりにまとめてご紹介していきたいと思います。

仕事がうまくいく3要素ーー「効率」×「場所」×「量」

目的を起点に、「効率」よく

何事においても、自分を起点にした狭い視野ではなく、目的を起点にした広い視野を持つことが大事です。ただ闇雲に努力するより、目的に狙いを定めて、求められていることを正確に把握し、自分に足りないもの・苦手なことを分析する方がはるかに「効率」がいいでしょう。自分が顧客になりそうな教育業界でバイトする東大生が多いように、私たちは、流行っていてかっこいいとされていること・王道なことに注目しがちですが、需給に勝つ(=供給が少なく、需要が多いところへ)ことで自分の価値もより光るのだと思いました。

自分が輝ける「場所」を選ぶ

経済的リターン・社会的インパクトなど、成功のスピード・マグニチュードは「場所」に依存します。ありのままの自分をまずは自分自身がしかと理解し、それを十分に評価される「場所」を選ぶことが大事です。上手くいかなくても粘り強く諦めずに「効率」よく努力し、それでも合わなければ潔く次の場所を探し、「面白い!」と直感した「場所」にも臆せず飛び込めるからこそ、申さんはどの「場所」にいても輝いて見えるのだと思いました。

「量」は質に転化する

仕事で行き詰まっても、申さんは諦めず、貪欲に粘り強く、量をこなしていたからこそ、最終的に自分に合う「場所」に辿り着き、真価を発揮することができたそうです。

「柔軟性」×「自分軸」ーー「憧れ」を自らの輝きに

「無意識のリミット」をかけない「柔軟性」

申さんの「自分には、憧れる力がある」というお言葉も素敵だなと思いました。この「憧れる力」とは、憧れの存在を遠くからただ眺めるのではなく、その良さを言語化して自分をアップデートしていく「柔軟性」や、「憧れ」を真似・実践するハードルの低さだと思います。

現在、社長業・モデル・母親を両立されている申さんは、「仕事がうまく行けば、私生活は自然とついてくる」と考えています。ゴールドマン・サックスで、出産後も最前線から一歩も引かずに活躍する女性の先輩という「憧れ」の存在の背中を近くで見てきたからこそ、出産したら仕事と両立できないという「無意識のリミット」をかけることなく自身も両立することができ、仕事にも最大限の労力と時間を割いて、替えのきかない唯一無二の存在になれたからこそ、仕事のスケジュールの融通をきかせやすく、私生活との両立できているのだそうです。

私も以前東大Diligentの八重山研修で、現地で出会った高校生の「無意識のリミット」を外すお手伝いをする大切さに気づいたばかりでしたし(詳しくは以前のnoteをご覧ください↓)、私自身も「東大生だから」「女子だから」という「無意識のリミット」をかけたまま将来を考えてしまいがちなので、この言葉には深く考えさせられました。

「効率・場所・量」より大事な「自分軸」

全然馴染みのなかった業界にも「面白い!」という直感を信じ、臆せず飛び込んで起業された申さんは、逆境や苦難に見舞われても、その状況に甘んじて「逆に面白い」と前向きに楽しんでいたそうです。コロナ禍にあっても5年で巻き返せたのは「ただの運です。」と謙遜されていましたが、「面白い!」という直感に自信を持てるだけの経験値を有していて、憧れから実践へのハードルが低い申さんだからこそ成し得たことだと私は思います。

終わりにーー好奇心を維持していたい

「今年40歳で、80歳まで働きたい。まだ終わりじゃない、まだまだこれから」と語る申さんのこれからの目標は、好奇心を維持すること。かつては、「或る状態(年収・役職など)に辿り着くこと」という到達結果を目標にしていたけれど、今は、「ワクワクしている状態を維持する」という継続的な状態が目標なのだそうです。「他人にはない、自分だけの輝きを見つける」という申さんの言葉には、常に色んな「場所」に身を置いて、色んな「憧れ」に出会い、「面白い、楽しい」を原動力に自分をアップデートしつつ、「自分軸」も大切にしてきた生き様が込められていると思います。

新入生の皆さんも、「東大に合格してもまだ終わりじゃない、まだまだこれから」。これからの大学生活に待っている、たくさんの「面白い!」に出会うために、色んな「場所」に赴き、色んな「憧れ」に出会い、色んな「場所」でそれを実践して学んでいってほしい。申さんのお話を前のめりで熱心に聞く新入生たちの背中を眺めながら、そう思った講演会でした。

文責:髙橋聖奈


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