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【詩】天に掲げる願い

ずっとここにいた
ずっとここに立っていた
あなたが生まれる前からずっと

だけど私はあなたを知っている
だけどあなたは私を知っている
前にも出会っているから

お互いの魂が覚えているから

会った瞬間
かけがえのない存在だと
お互いが知った

喜びがあふれる
涙が伝う
かけがえのないパートナー

お互いがいれば良いと思った
お互いが同じ時を歩めればと思った

かなしいかな

お互いの寿命が大きく違った
あなたは人間
私は大樹

どれほど長生きしても
あなたは百年と経たずにこの世を去る
そんなあなたを見送った

今度もそうなるの?
そうして今度もここで待つの?

私は大樹
長生きする大樹
待つことには慣れている

だけど待ちぼうけはごめんだから
枝を天に掲げて願ってる

今度は一緒に歩けますように
今度は私があなたを探しに行けますように
今度はあなたと同じ寿命を全うできますように

どうか願いが届きますように



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