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音楽「続ける・やめる」って?

こんにちは。音楽制作をしているUTATANE(ウタタネ)のWataruです。

今日はちょっと懐かしいお話を。

時代は2000年代に入って少したった頃。

世間ではミスチルが「旅立ちの唄」を、コブクロが「蕾」をヒットさせる中、「おしりかじりむし」が静かにチャートインしていた時代。
そして人々はまだまだガラケーを便利に使い、赤外線で連絡先交換していた時代。

私は音楽学校でギターの講師をしていましたが、その年、ITの会社に転職することになり、東京から熊本県へと転居することになりました。

その頃の私は、幸運にも週5日フルでびっちりと授業のコマを頂けておりました。
そんな中、4月で年度が変わった割とすぐ後、6月くらいに突然やめちゃったもんだから、決めたばかりのクラス担当振り分けをもう一度やり直さなければならず、主任の先生には大変ご迷惑をおかけしたなぁ、と今でも思います。
色々な方面に転職の連絡をしていたある日のこと、その時よく囁かれたある言葉のことをついつい考えてしまいました。

「Wataru、音楽やめるってよ・・・」

確かに今まで請け負ってきた仕事を請け負わなくなるので「やめる」というのは正しいと思いますが、これ、音楽や演劇などの食えない業種で頑張っていた人が、違う職種に転職するときに使われる場合、ちょっとだけちがったニュアンスを持ってくるんですよね。

「もう夢を諦めて、真っ当な道へと進む」

特に私の場合「東京から熊本に引っ越す」という事実も手伝って、より一層「都落ち」感が漂ってしまったと思います。

でも、なんとなく違和感を覚え、自問自答をしてしまう自分がいました・・・。

「あれ、いつ音楽を『始めた』んだったっけ・・・」

その答えが「音楽の仕事を始めた時」というのであれば、20歳チョイのときにオーディションに受かったバックバンドの仕事だったか・・・。
それか、専門学校の先生になったときかな。
いや、もしかしたら鹿児島の高校の頃にバンドで出演したお祭りで、商工会議所の人にポカリスエットを1ケースもらった時か・・・。

でも「音楽」はその前からやってたよね・・・。あれ?いつ?

ギターを兄からもらって練習した時?
幼稚園で親に無理言って、オルガン教室に通わせてもらったとき?
もっと幼い頃に、母と「ぞうさん」を歌ったとき・・・?

音楽を「始める」そして「やめる」

それは多分、少なからず、ちょっとした「美学」みたいなのと関係ある気がします。

でも気をつけないと、自分の中の「やめたんだからもう戻るとカッコ悪い」みたいなのにリンクしてしまい、

「おれは音楽やめた人間だから・・・」

・・・と、もう二度とギター弾いたり歌ったりできなくなっちゃったり。

なんとなく、そういう見えない「呪文」を自分にかけちゃう気がしちゃうんです。

音楽なんて、辞める物でも始める物でもなく、楽しめば良いんだと思います。

もし過去の自分にかけられた呪文があるなら、そっと解いてみると楽になるかも・・・?

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