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工具箱の夢《Dream Diary 19》


xxxx年05月12日(x)


 工作室の作業台の上に工具箱が置いてあり、その周りには釘やネジやボルトやナットなどがバラバラと散乱していた。私は横にいた中年女性にそれらを整理して下さいと頼んだ。しかし彼女は何もやる気はなさそうだった。私は自分が整理した別の工具箱を彼女に見せ、「このように釘は釘、ネジはネジ、ボルトはボルト、ナットはナットというふうに、きちんと分けて工具箱に入れて下さい」と言った。すると中年女性は、「私は工作員になりたくありません」と言う。私は怪訝な面持ちになって彼女に言った。「工作室で工具箱を整理したからと言って、あなたが何かの工作員になるわけじゃないですよ」。しかし彼女は私を疑いの目で見ていた。実は私が彼女に見せた工具箱の中も、それほどきれいに整理されている訳ではなかったのだ。中年女性が再び「私は工作員やスパイになりたくありません」と呟いたので、私も再び彼女に言った。「工作室で工具箱を整理することと、どこかの国や組織の工作員やスパイになることとは全く関係ないですよ」。すると中年女性は、「関係あるとか無いとかそんな問題じゃないわよ。あなたが道の駅「スパイ工作員の里」を襲撃して、『はる・桐灰カイロ』を一袋も強奪しなかったことが問題なのよ!」とかなり感情的になって私を非難した。彼女は冷え性なのだろうか。その時私は、うわべの言葉とは裏腹に、この中年女性が古生代カンブリア紀からAI紀の現代に至るまで、地球史を股に掛けて暗躍する工作員でありスパイであることを悟った。私がINSCOM(米陸軍情報保全コマンド)の工作員でありスパイであることもバレているだろう。だが紀元2024年春の桃尻の節句がとんでもない大厄災を招いた事は紛れもない事実。私が正体を悟っていることを彼女に悟られてはならなかった。
 
 
 


↑↑↑ 寒い時はこれがあると助かりますのう‥。



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