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ご来場ありがとうございました

2023年7月8日、この日は私の愛する姪っ子の2歳のお誕生日!
沢山の方々にご来場いただき、リサイタルが終了しました。


この数ヶ月はずっと緊張していたので、終わってホッとすると同時にとても寂しい気持ちになっていましたが、ようやく体の疲れも取れ、溜まっていたレッスンを再開し、日常が戻ってきています。

リサイタルのプログラムを考えた当初は、そこまで深く考えず自分の好きなロマン派の作品を並べただけでした。でも作品や作曲家、時代背景を学んでいく中でどんどんのめり込んでいき、最後はとても自分らしいコンサートを作ることができて良かったと思っています。(ちょっと喋りすぎたかも!)

作品への理解を深める一番の助けになったのはやはり、クララ・シューマンの作品をブラームスのソナタの前に演奏したことです。
クララとブラームスは喧嘩やすれ違いを繰り返しながらも交流を続けていく。二人の間にあるのは音楽家同士としての絶対的な尊敬や信頼であり、それは男女の感情を超越した唯一無二のものであること。
2人の人生の終盤にクラリネットソナタが完成し、この曲をクララの家で演奏したひとときのことを想像すると、胸がときめくのです。
ブラームスもクララも、聴衆からの大喝采を何度も経験していたはずだけれど、この頃の二人にとっては社会的な成功よりも一緒に過ごすささやかな時間のほうが価値のあるものだったのではないか。ブラームスにとってはクララが自分の音楽を聴いてくれることが大事だったし、クララもブラームスの音楽を知ることが何よりも大切だった。
今回はそんなふうに想像しながら、この曲に取り組みました。
こんな素敵な作品がクラリネットのために残されていてとても嬉しく思います。自分が年齢を重ねていっても演奏していきたい曲ですし、そのときはまた新しい発見があるんだろうなぁと感じています。

今回リサイタルをひらくにあたって、沢山の方が助けてくださいました。
素敵なピアノで一緒にコンサートを作ってくれた田中絢子さん、マネジメントをお願いしたMHKSのみなさん、チラシを作ってくれた同僚、宣伝を手伝ってくれた仲間、面倒をみてくれた私の周りの人達、来られなかったけど遠くから応援してくれた家族。
そして、ご来場くださったすべての皆様。
本当にありがとうございました!

記録:
2023年7月8日
下路詞子 クラリネットリサイタル

メンデルスゾーン:無言歌より 
Op.67,Nr.2、Op.62,Nr.6、Op.30,Nr.4、Op.67,Nr.5、Op.85,Nr.6
クララ・シューマン:3つのロマンス Op.22
ダンツィ:モーツァルトの歌劇ドン・ジョヴァンニから「お手をどうぞ」による幻想曲
ライネッケ:序奏とアレグロ・アパッショナートOp.256
ブラームス:クラリネットソナタ 第1番 ヘ短調 Op.120-1

ドヴォルジャーク:ルサルカより「月に寄せる歌」


 


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