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記事一覧

「今、ゲームメディアが死につつある」ゲームジャーナリズムの限界と提言について

「今、ゲームメディアが死につつある」ゲームジャーナリズムの限界と提言について

今、世界的にゲームメディアが死につつある。

確かに、以前から衰退はしていた。特に、2023年にはFandom WikiによってGameSpotやGiant Bombといったサイトが買収された途端、40〜50人がレイオフならびに何らかの影響があったと報道された。VICE、Destructoid、The Escapist、Dot Esportsなどでもレイオフがあった。いずれも海外では大きな影響力を

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掌編小説「海」

掌編小説「海」

青々とした海は静まり返っていた。厖大な海といえども波の飛沫の一粒一粒から成っている。佐藤国明は、海浜公園の砂浜に立って、それらの光景を見渡していた。海には海の時があり、砂には砂の時がある。海の水は時と限りなく一体化していた。佐藤は、不可逆な矢が地平線へと射られるような幻想を持った。
悠久の歴史を持ち、一粒の生命の誕生から人類の繁栄に至るまで、母なる海は絶えず揺蕩ってきた。
佐藤は汀の水を手ですくい

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持続可能な成長を達成する

持続可能な成長を達成する

持続可能な成長を達成するはじめに

持続可能な成長は、長期的な成功と心の安らぎを得るために欠かせない要素である。持続可能な成長を達成するためには、自己認識、目標設定、計画の実行、そして継続的な改善が必要である。本章では、持続可能な成長を達成するための具体的な方法と、その重要性について詳述する。

自己認識を高める

持続可能な成長を達成するための第一歩は、自己認識を高めることである。自己認識を高め

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知の技法(編:小林康夫/船曳建夫、東京大学出版会)

知の技法(編:小林康夫/船曳建夫、東京大学出版会)

東大教養学部の文科系の1年生を対象とした必修科目のサブテキストとして編集された本。本書冒頭で「文科系学問への技術的なガイド・ブック」と書かれている通り、フィールドワークや史料、アンケートといった基本的な「知の技法」が網羅的に解説されている。

技術は実践のためのものであるから、書かれている技術を実際に使って役立てることが重要である。第Ⅱ部の「認識の技術」、第Ⅲ部の「表現の技術」に書かれていることは

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脳の「ある特性」を活かして幸福になる方法

脳の「ある特性」を活かして幸福になる方法


人間の持つ奇妙な仕組みそもそも人間の脳は「自分」と「他人」の違いを識別出来ない仕組みになっていると言います。

人によって程度に差はあれ、他人がケガをして痛がっている光景を見ているとこちらまで痛くなってきたり、恥をかいているのを見るとこちらまで恥ずかしくなってきたり、笑っている光景を見るとこちらまで楽しくなっているのはその為です。他にも、誰かに対して無暗に暴言を吐いたり、八つ当たりをしてしまった

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Evergreen notesについて/仕事を選ぶこと/いかに文化は生まれ、残っていくのか

Evergreen notesについて/仕事を選ぶこと/いかに文化は生まれ、残っていくのか

Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~2020/08/17 第514号

はじめにはじめましての方、はじめまして。毎度おなじみの方、ありがとうございます。

ポッドキャストの最新回が配信されております。

倉下サイドの『Re:vision』の更新が終わったので、その振り返りと今後について打ち合わせしました。たぶん、今回行った交互連載(的なもの)についてはまた記

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暇と退屈の倫理学(著:國分 功一郎、新潮文庫)

暇と退屈の倫理学(著:國分 功一郎、新潮文庫)

読む者の世界の捉え方を変える力を持つ1冊。

寝食に不足はなく、仕事や私生活もある程度充足しているが、何となく退屈を感じてしまう。現代社会において少なからぬ人が味わっている何気ないこの感覚を、真面目に、真正面から捉え、論じ、決して即物的ではないが実践的である処方箋を与えてくれるのが本書である。

暇と退屈とは何か

著者はまず、暇と退屈というものを先駆者の思考を借りながら様々な観点から論じ、暇と退

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最も人間らしく考える方法

最も人間らしく考える方法

最も人間らしく考える方法

直感と論理の間を橋渡しする「ビジョン思考」

現代社会において、私たちは日々膨大な情報に囲まれ、多くの選択肢に直面している。その中で「自分らしく考える」ことの重要性がますます高まっている。本記事では、佐宗邦威著「直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN」における「最も人間らしく考える」方法について探ってみる。

トランジション理論:変わるための「まわり道」

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知的生活の方法(著:渡部昇一、講談社現代新書)

知的生活の方法(著:渡部昇一、講談社現代新書)

社会に出てから痛感したことは、この世の中には本当に頭のいい人がいるということだ。頭のいい人と一言でいっても様々な種類の頭のよさがあるが、その1つに「物事を徹底的に考えている」タイプの人がいる。

そういった「徹底的に自分の頭で考え抜いているな」と思わされる人に共通しているのは、「わからない」ということに徹底的に向き合っているということだ。わからない状態はとても苦しい。手早く「わかった」状態になって

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厭世主義|ショーペンハウアー【君のための哲学#19】

厭世主義|ショーペンハウアー【君のための哲学#19】

◻︎提供スポンサー
ハイッテイル株式会社
Mofuwa

☆ちょっと長い前書き
将来的に『君のための哲学(仮題)』という本を書く予定です。
数ある哲学の中から「生きるためのヒントになるような要素」だけを思い切って抜き出し、万人にわかるような形で情報をまとめたような内容を想定しています。本シリーズではその本の草稿的な内容を公開します。これによって、継続的な執筆モチベーションが生まれるのと、皆様からの

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卒業論文『資本主義はなぜ生きづらいのか:ガルブレイス、フロム、國分功一郎の思想から』

卒業論文『資本主義はなぜ生きづらいのか:ガルブレイス、フロム、國分功一郎の思想から』

お久しぶりです、Kodaiです。

今回のnoteでは、大学時代に卒業論文として書いた『資本主義はなぜ生きづらいのか:ガルブレイス、フロム、國分功一郎の思想から』の全文を投稿しようと思います。

この論文は、社会的に意味があるからなどというよりは、僕自身が生きる中で感じてきた「生きづらさ」を言語化し、学士論文という形でまとめたものです。

なぜ投稿に至ったかというと、最初に投稿したnote「大学4

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【13,000字超】凡人による文系&専門性ゼロ人材のキャリア考

【13,000字超】凡人による文系&専門性ゼロ人材のキャリア考

タイトルの通り。自分自身が文系&専門性ゼロ人材からスタートし、四苦八苦して血反吐吐きながら10年ほどキャリアを構築してきて、ようやくある程度の市場価値を認めてもらえるシーンが出てきたことから、これまでの思考や経験を外部化しておくために記載する。

大学卒業後に新卒でそのまま社会人になったが、その時点では以下の状態だった。要は特徴のないただの新卒人材である。

私立文系学部卒(非早慶)

人文学系の

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ブルシット・ジョブを支える「経営管理主義イデオロギー」——グレーバーの提唱したBSJ理論

ブルシット・ジョブを支える「経営管理主義イデオロギー」——グレーバーの提唱したBSJ理論

「ブルシット・ジョブ——クソどうでもいい仕事の理論(Bullshit Jobs:A Theory)」は、アメリカの人類学者デヴィッド・グレーバーによる2018年の著書で、無意味な仕事の存在と、その社会的有害性を分析している。彼は、社会的仕事の半分以上は無意味であり、仕事を自尊心と関連付ける労働倫理と一体となったときに心理的に破壊的になると主張している。「ブルシット(Bullshit)」は、原義は「

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「自分が本当にやりたいこと」を知るために、カントが教えてくれること

「自分が本当にやりたいこと」を知るために、カントが教えてくれること

2020年5月に刊行された八木仁平『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド』(KADOKAWA)はベストセラーになりました。

私は「自分のやりたいことがわからない」という感覚がいまいちわかっていませんでした。幸いというべきか、「やりたいことがわからない」という経験があまりなかったからです。
それに、「自分のやりたいことがわからない人」は、「やりたい

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