窓越しの世界・総集編2017年5月の世界
5/1【ドラマチック】
風が土煙をあげるのが見えたと思ったら、午前中の晴天が急に陰り雨が降り始めた。
こんな天気、嫌いではない。
そのあとの美しい光がさす時、ドラマチック。
5/2【追いつかない】
これまでは、なるべく一人でできることをしてきた。
今、もう全く一人では追いつかない。
5/3【眠るということ】
眠るということが急務。
眠らないとやばい。
眠るということは、生きるということ。
5/4【二人の少年と魔法】
二人の少年の瞳には何が写っていたのだろうか。
夕暮れの前のほんのすこしの時間。
化学的で物理的なものの奇跡を、人は魔法と呼ぶ。
5/5【あの日の記憶】
あずさ55号からほんのすこし見えた景色。
高架下をくぐる道路を、あの日私は何の用事で通り抜けたのだろうか。
思い出せないが、胸を締め付けられるような時代の記憶。
5/6【安堵する時】
眠りのなかの無防備な心。
目が覚めている時間は、喜びも、悲しみも、制御している。
泣きながら目覚める時、私は少しだけ安堵する。
5/7【同じレール】
ボタンのかけ違いは、至る所で始まっている。
かけ違えた事で巡り会うこともある。
ちぐはぐを背負って、同じレールの上をゆく。
5/8【ダメなものはダメ】
ダメなものはダメ。その基準は曖昧。
ダメなものはダメ。その塩梅は人それぞれ。
だからこそ、ダメなものはダメ。
5/9【ビジュアル先行】
厨房器具に囲まれると、たくさんのイメージが湧く。
使い勝手の前に、ビジュアルがあり、そこから全てが始まる。
5/10【示す方が早い】
素早さだったり、スピード感だったり、手際の良さだったり。
その中に見え隠れする緩急と、指先の繊細さ。
言葉で伝えるよりも、示す方が早い。
5/11【お守りのような言葉】
頭が働かない。さらに体がついていかない。
こんな時に怪我をする。
こんな時に怪我をする。
お守りのように唱えながら、1日を過ごす。
5/12【動いている】
止まっているようで動いているもの。
目にうつるすべてのものは動いている。
動いている。
真夜中のトレーラーハウスも、夜の闇も、私の心も。
5/13【体】
昼食後、頭痛が私を襲う。しばらく仕事をした後、起きているということができそうもなく、夕方から朝まで眠った。
肉体労働やストレスがじんわりと溜まってきているのを感じる。
今私を動かすものは、気力ではなく、体なのだと感じる。
それは間違いだと知っていたとしても。
5/14【鎹】
様々な状況に揺れ動く心。
子はかすがいとはよく言うが、人もまたかすがい。
5/15【ドライブ】
久しぶりに長いドライブをした。環状8号線内回りの流れはよく、心地よいクルージングで目的地にたどり着く。
私からはあまり口を開くことはなかったが、たくさんのことを考えていた。
この道を通ると思い出すたくさんのことが、会話の途切れ途切れの空間に充満していた。
別れ際の手は、硬く、大きかった。
5/16【ハローワーク】
長テーブルの向こうから丁寧に説明をしてくれる女性の話が、全く耳に入ってこない。
記入欄のボリュームに軽くめまいがしそう。しかし実際には大したことのない量だった。
人材を探す人や、仕事を探す人でごった返している、独特の空気が流れるハローワーク。
5/17【何も】
何も話さない方がいい時がある。
何も聞かない時がいい時もある。
何も見ない方がいい時もある。
不意打ちの肉体労働をしながら、消耗した体力の中で巡る思い。
5/18【真夜中の談合坂】
ここで夜を明かす記憶は何度かある。
午前0時を過ぎても、続々とやってくる人々。眠らないフードコート。
真夜中の談合坂SAはダウンを羽織って丁度良いくらいの気温。
5/19【初夏の白さ】
初夏。
実際のところ、初夏とは程遠い。しかし光は変わった。初夏へ向かい始めた。
山あいを抜ける中央自動車道。
甲府盆地の生ぬるい風を抜けると、高原へと標高が高くなるに連れて爽やかになる空気。
白い雲、白い光。初夏の白さが始まった。
5/20【もろ刃の現実の中】
周波数の波に乗る。
体の中の眠っているものが呼び起こされ、クリアになって行く感覚。
私の見ている現実は果たして本物なのか?
きっと世界は、もろ刃の現実の中。
5/21【景色に恋する】
この風景から始まる物語を連想せずにはいられない。
デジャビュとも、懐かしいとも少し違う。
練馬のとある神社の参道にて。
景色に恋をした。
5/22【歌とだけの時間】
夜のドライブが私にもたらすものを考えていた。
それは私の聖域であり、私だけの時間だということ。
手足は運転に縛られ、できることは限られている。
歌とだけ向き合える時間。
5/23【チューニング】
夜もだいぶ深くなり始めていたけれど、やっぱり車を走らせることにする。
酒でも煽れば眠りまで一直線だったが、小一時間のドライブが私自身をチューニングしてくれる。
今日の最後の明かりが、とても美しい。
5/24【ノスタルジーの泡】
故郷の景色に入ると、なんとなく気持ちが若返る。
きっと私自身のその土地の記憶がある時代で途切れてしまっているからに違いなく、たまに今の生活とのギャップに少しだけ戸惑ってしまう自分を見つけてしまう。
過ぎ去ってしまった時間が、ノスタルジーの泡になって吹き出しては弾けていく。
5/25【母の笑顔】
一瞬だった。
微笑む母の笑顔の刹那を、私は一生忘れることはない。
5/26【フロントガラスのスクリーン】
湖畔の国道をゆく。
堰を切ったように降り始めた大粒の雨。フロントガラスで縁取られたスクリーン越しの風景に、雨宿りをしている姿もなんだか芝居がかったような感じ。
5/27【まだやれる】
湖畔の足湯につかる私たちは、西日をいっぱいに浴びていた。
風がとても強くて、波も白く湖畔に打ちつけていた。
夜が降りて来る。疲れた体でも、まだやれる。
5/28【夜走り】
真夜中の高速道路は闇でいっぱい。
もう走れない。もう走りたくない。
夜走りは、極力避けたい。
5/29【今年初めての風】
強い風が部屋の中を突き抜けて行く。
茹で過ぎたパスタの麺だけど、バジルソースが爽やか。
夏へ向かう途中。今年初めての風の午後。
5/30【やきもち】
直感で暖簾をくぐると、カウンター席の向こうに和服姿の女将さん。
鯵の刺身から始まり、卵かけ御飯で締めくくるまでの間、次は誰と来ようかとか、この街に住んだとしたらこの店の常連になるのだろうな、とかそんなことを考えていた。
諏訪の名店を発見。
5/31【トラブルの所在】
いつだって、トラブルのことを考えていなけれはいけない。
トラブルは突然やってる。
忘れた頃に現れる。
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