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窓越しの世界 2021.10月まとめ

10/1【時間の休息】
窓越しにじっと暴風雨を眺める。鳥たちも羽ばたけない。

そんな時間の休息に、僕は少し安らいだりする。

10/2【見つからない】
東の空にはまだ桜鼠の雲が浮かんでいた。

日没前の公園のベンチから一番星、二番星へと天を仰ぐ。

三つ目の星がなかなか見つからない。
とうとう見つからない。

10/3【プシュ】
まずは人が多すぎた。

その次は蚊が多く、そのまた次も、また次もなんとなく落ち着かず。

5つ目の公園のベンチにて、プシュ。

10/4【心地よく効果的】
万物に宿る引力。

対象物によって変化する力。

今夜はそれが、心地よく効果的。

10/5【命の燃料】
志に触れると、志が生まれる。

命が燃えていると例えるならば、それは一つの燃料になる。

10/6【それは美しい】
それは、人生というスピードの中で僕が見失ってしまったものだ。

君が打ち明けてくれたその気持ちで、また僕のところにも転がり込んできた気がする。

誓いを立てる。それは美しい。

10/7【恐怖の始まりなのかもしれない】
太刀打ちできない時間が流れる。

今はまだ恐怖は無い。

そのことが恐怖の始まりなのかもしれない。

10/8【まだまだ平気】
スタジオの扉を恐る恐る開ける。幸いにもランプが一つ倒れているだけ。

高いところのスピーカーは堂々としていて、転落防止のワイヤーを付けた過去の自分に感謝した。

夕方、隣町まで自転車で。

いかにも都会らしい舗装された川沿いを走る。
カモたちが憩う水辺を横目に、道ゆく人とすれ違う時の温度も子供たちの声も清々しい。

昨晩の揺れくらいでは、とりあえずまだまだ平気。

10/9【夜の始まりが】
公園に入ると今日が休日だという事に気がつく。

いつものベンチで本をめくっていると、いつの間にか街灯の明かりで文字を追っていた。

夜の始まりが、一日の終わりを告げる。

10/10【技術、そして道具】
どんな風に切り取るか。

景色や音も。

それを可能にするのは技術、そして道具。

10/11【25年前のラケットと私】
イメージのアプローチを加速させるロジックがある。

イメージとロジックの天秤が釣り合うと、歯車がかみ合う。

打点は少し前で、思っていたより体と近い。

25年前のラケットと私。

10/12【ワイパーも、通勤電車も】
小刻みに変化する雨粒の量に、ワイパーの速度も合わせながら走る。

目的地までの最短距離には、開かずの踏切。

右から、左から、そしてまた右から。

ワイパーも、通勤電車も、交互に視界を遮る。

10/13【生きている実感】
ランダムに流れる音楽には、出会いも再会もある。

多分思い出すことのなかったはずの君や僕が、そこにはあった。

考えずに飛び込んでいた時代。

そんな在り方に、生きている実感を思ったりする。

10/14【後者に軍配】
与えられる喜び。

与える喜び。

どちらかといえば、後者に軍配。

10/15【ただいま、トト】
僕を待っていたのは眠たそうなトトの眼差し。

エレベータの音がするたびに、こうやって玄関まで来ているのだろうか?

ただいま、トト。

10/16【眩しかった】
多分いつか、今日の出来事に花を咲かせる時が来る。

そう思える音がそこにはあった。

その瞬間は、眩しかった。

10/17【青春を捧げた効能】
勝ち負けの日々を離れてから、その倍の人生が過ぎた。

久しぶりのフラットサーブ、スマッシュ、ボレー。

青春を捧げた効能はまだ続いていた。

10/18【思い出せない】
今も同じ匂いがする山間の里。

あの頃、見えなかったものに気が付いたりする。

ただ、見えていたものが何だったのかを思い出せない。

10/19【家路にも幸福】
帰り道で眠くならないのは、昼ご飯を食べていないからだと思った。

近頃は一日のほとんどが空腹で、それが心地いい。

晩御飯が日々の楽しみに昇格すると、家路にも幸福が満ちてくる。


10/20【思考と言葉】
思考に言葉が追いつかない。

自分の発話が的を得ていないことに気がついてもどかしい。

書くほうならば、時間が待ってくれるのだけれど。

10/21【雪化粧】
あちら側からの富士山が送られてくる。

こちら側からの富士山も送り返す。

雪化粧。

10/22【笑顔】
笑顔。

笑顔はいいな。

いつまでも見ていたい。

10/23【だんだん】
立ち昇る湯気が生き生きとしてきた。

見えないものがだんだん姿を現してくる。

吐く息も白くなれば、冬の足音。

10/24【こちらこそ暖かく】
まだ心地よいくらいの夕暮れ。

ベランダで缶ビールを開けると、トトが僕の膝で暖を取りにきた。

こちらこそ暖かくて、暗くなるまで街を眺めていた。

10/25【朝まで一緒だよ】
最近にしては過剰なお出迎えのトト。

玄関のドアから飛び出さんばかりの駆け足。

朝まで一緒だよ。

10/26【真剣】
アドバンテージを取られたレシーブをひたすら続ける。

そんな感じで録音ボタンを押していた。

真剣。

本当の意味でその状態になるのは久しぶり。

10/27【雨に打たれながらも】
曇り時々はれの予報。

雨に打たれながらも、心のどこかで信じている。

そろそろ止むのではないかと。

10/28【この日の為】
この日の為だったのだな。

そんな一日。

何度も味わいたい。

10/29【諦めの果てにこそ】
希望という言葉。

そこには何も無いかもしれないけれど、何かあるかもしれない。

諦めの果てにこそ。

使命感に駆られて、録音ボタンを押す。

10/30【OUR HOPE】
言葉にできない想いがある。

どんな言葉で表しても、足りない気がする。

でも、歌にすると届く気がする。

10/31【喜ぶこと】
トトが喜んでいるのを見ると、僕も嬉しい。

素直に喜ぶ。

それは、施しをくれた誰かのために。

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