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窓越しの世界・総集編 2016年10月〜(当時データが飛んで)飛んで12月の世界

10/1【八幡神社様の懐で】
guzuriの大掃除に谷口くんが駆けつけてくれ、とても片付いた。夜は再び彼と祭りへ繰り出す。昨日と同じ屋台へ行くとエンジニアの中村さんも偶然居合わせ、ご近所呑みが始まった。

音楽の話はあまり人としないけれど、音楽の話をする数少ない仲間との時間。昨晩に続き、参道で一杯。

祭りは三日間続く。今夜は二日目。

八幡神社様、ありがとうございました。 

10/2【例えばそれが無かったら】
とても古いおもちゃ屋で、タイグが喜びそうなおもちゃを買った。彼は気に入ってくれるだろうか。上手に遊べるだろうか。

私をやさしい気持ちにしてくれる人や物が、まわりに幾つもある。

例えばそれが無かったなら、私は私でいられるのだろうか。

10/3【秋へ】
富士山がくっきり見える。夏の間はほとんどお目にかかる事が出来なかった景色。空気の澄んだ季節に向かっているんだな。

最後のゴーヤが実をつけている。少しの間だけ蝉が鳴いた。涼しい風が赤とんぼと共に流れてくる。

夏から秋へ、欲求もビールから焼酎へ移り変わる。

10/4【それでいいはず】
良い知らせと、悪い知らせ。悪い知らせの方が後を引く。

良い思い出と、悪い思い出。良い思い出ばかり思い出す。

誰にも知られなくていい、好きな人とだけ、ひっそりと楽しく暮らせれば、それでいいはず。

10/5【きっとまた繰り返す】
朝、少しだけ雨が行って、曇り空の午後。少しだけ太陽が顔を出して、また雲って。

急がなくなった私。焦らなくなった私。慌てなくなった私。

急いで、焦って、慌ててきたから、そう思える今。

でもきっと、また繰りかえす。

10/6【大きな変化】
何度も繰り返しやってきたことだけれど、全然違う。うまくいき始めているのだ。

そういう時こそ、なぜ巧く行っているのか?を探る必要がある。

とにかく、声の響かせ方に大きな変化。

10/7【記憶の幹】
旧山手通りの夕暮れに季節の移ろいを感じる。

初めてここを訪れた10代の私も、今の私も、結局この通りが好きなのだ。大きな木がそびえるカフェに火が灯り、どこからともなく人が
現れては消えてゆく。

 新しい記憶をもたらしながら、記憶の幹は年輪を増してゆく。

 
10/8【二ヶ月ぶりの幕開け】
季節外れのゲリラ豪雨。雨音が止むと、地下へ流れ込んだ水がゴォーゴォーと音をたてて流れて行くのが聴こえる。

初めてのベルがなるまでの時間、私はもう次の事を考えていたようなきがする。

約二ヶ月ぶりのguzuri珈琲店の幕開け。

 
10/9【午前三時の目覚め】
3時に目が覚める。暗闇が朝もやに変わる時間。何も考えなくても、何をするべきか浮かんでくる時間。

自然とギターに手がゆく。口をつくメロディーに身をまかせれば、それだけで何かが出来上がっている。

10/10【真夜中の山手通り】
夜の東京はあっけないほどに狭い。青梅街道も山手通りも、驚く程快適な流れ。

大都会と、ど田舎は似ている。

独立していて、潜在的な仲間意識がある。

旧山手通りも、そろそろ真夜中。

10/11【どちらとも好きだ】
ハモニカ横町に着く頃には、もう出来上がっていなければいけない気がしている。

沢山の法が犯されているであろう様々に目をつぶって、人々は生きている。

生身で向き合う事も、そうではない事も、どちらとも好きだ。

10/12【1,000円だけ】
今日は休んで良し。そう決めたのは夕方になってから。
 
いつもの寿司屋で、こじんまりと腹を満たしたら、おでん種を当てに焼酎。

君がパチンコを打ちたいと言うから、1,000円だけ。

10/13【珈琲でないと】
暇な珈琲店は、思考を巡らせるのに適している。忙しそうな店員が目に入るのも、他の客の話し声が聞こえるのも良くない。

私は何を必要としていて、何処へ向かうのか。そんな面倒くさいことは珈琲を飲みながらでなければ考えられない。

酒ではダメだ。珈琲でないと。

10/14【だから続くのだ】
10年も昔と同じところに辿り着く。

同じ事でも、中身は違うのだからと、本気で思っている。

だから続くのだ。

10/15【きっと正解】
新しい響き。

響きは響きだが、音程についての。

新しいステップは、これまでと勝手が違うけれど、きっと正解。

10/16【どちらでもいい】
今日の夕暮れ前は、影が濃い。

不意に、低い梢からこぼれた西日が私の目を突く。ひとひらの葉から溢れた光の、その理由を考え始めて、すぐにやめた。

私はいつも過去の中にいて、たまに今を生きている。

その逆のような気もしている。

10/17【憂鬱の後】
駅までの道すがら。ビワの木が立派に茂っている。それだけで、少し嬉しくなるのだから、大げさな憂鬱ではないのだろう。

久しぶりの紹興酒を傾け、カウンター越しに大声でオーダーなんかしていると、ほとんど元通りである。

店を出て少し歩いてからタクシーを捕まえた。

道を間違えて遠回りをした運転手、紅葉の始まっている街路樹の街道、閉店間際のスーパーマーケット。

憂鬱の後。

10/18【私の宝物】
納品前の音を聴きながら、録音の風景を回想している。

私の作業は終わるが、音は旅を始める。

絶対に忘れないテイクの記憶は、私の宝物だ。

12/20【空白の日々】
PCのデータが壊れて、一日ジタバタした。
大切なものが消えた気もするし、そうでない気もする。

母と電話で話したり、家に帰るとカレーの匂いがしたりするので、世界は何一つ変わっていない。
 
空白の日々のことは、明日また考えることにする。

12/21【空白のまま】
朝のコーヒースタンドで、消えてしまった日々を回想してみようとPCへ向かうが、意味の無い事に思えてやめることにした。

そしてこれからの事を考えようと思う。
 
豆の焙煎のこと、新しい曲のこと、新店舗の構想、来年のライブツアーのこと。

窓というよりは大きなガラス張りの向こうで、沢山の朝が行き交っている。
 
ここから見える空は、雲一つない晴天。

空白は空白のまま、進む。

12/22【不意打ちの空模様】
珈琲の焙煎からスタートする朝。音楽に合わせてローストのリズムを刻む。

人が入れ替わり立ち替わるこの場所も、そしてそのあとの静けさも、どちらも愛している。

それにしても、夕方になって強くなり始めた風は何を運んで来ているのだろうか。街道沿いのコンビニへ立ち寄り車を降りると生暖かく湿った空気。夜が深けるほどに、台風が来たかのような嵐の夜。
 
不意打ちの空模様。

12/23【あっぱれ】
雲も風も鳥たちの声も、まるで春の訪れ。この時期にすれば、飛行機にでも乗らなければ体験できないような肌感。

今日の日差しを見れば、光の具合を作るものは空気なのだということがわかる。

風のいたずらも、ここまでだとあっぱれ。

12/24【ピントが甘い】
何度も何度も、違うと思う瞬間。

正解が手に届くところにある。

ピントがまだまだ甘い。

12/25【歌と焙煎】
まだ暗い時間に目が覚め、昨日のステージでの違和感を探す。

歌うのに疲れれば、豆を焙煎。

豆が焼きあがったら、また歌をうたう。

空が白みだし、鳥のさえずりと太極拳に興じるご老人たち。

いつの間にか光が差し込んでいる。

12/26【すべての歯車】
仕組みが出来上がりつつある。

歌うことがうまく行き始めると、すべての歯車が嚙み合い出す。

きっとそうなると思っていた。

12/27【戻らない光景】
クリスマスが終わり、お飾りが台頭し始めるスーパーマーケット。鮮魚コーナーの賑やかさや、店内のアナウンス。

子供のころは、いつでもスーパーマーケットにいた。

祖母からレジで貰ったお小遣い。広告を作る母の後ろ姿。適当な掛け声で青果コーナーを賑やかす祖父の声。自転車でごった返した店先。

師走のスーパーマーケットで思い出すのは、もう戻らない光景。

12/28【師走のフレーズ】
良いお年を!

自然と笑顔になるフレーズ。

今年もありがとう。来年もよろしく。

自然と改まるフレーズ。

12/29【姿勢】
できる限りのことをする。そんな単純なこと。

良し悪しや、結果はもちろん大切なこと。

それよりも大切なのは、姿勢。

12/30【涙の理由】
思い立ち電車に飛び乗る。

車窓から遠くを眺めると、景色はとてもゆっくりと動いた。
  
映画館のある街の駅が近づくと、勢いをつけたビルが視界に飛び込んでくる。

エンドロールにこみ上げてくる涙の理由を、私はよく知っている。

12/31【後になってから】
北関東の冬景色は、私の胸を締め付ける。

沈み始めた太陽があまりにも大きいので、車を止めた。

カメラに撮したそれは、私の感動とは程遠く小さい。

私は残したくてカメラを構えた。
 
私は伝えたくてカメラを構えた。

どちらが先に立っていたのか、思い出せない。

両方とも後になってから考えたことだ。

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