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窓越しの世界2023年2月:感情と認識と位相

2/1【初めての響き】
ずぼら。僕にぴったりな居酒屋でランチをした。

「へい、旦那。」

映画みたいなセリフで僕を呼ぶ大将。

初めての響き。

多分、向こう数年は聞かないだろう響き。

2/2【誕生日月】
家族の誕生日月を登録しておくと20%オフ。

ロイヤルホストのアプリで、もうすぐ母の誕生日だと思い出す。

ちょっといい昼食をとりながら、母のことを思い出している。

2/3【深夜3時のラストシーン】
曲作りをするも、ボツ。

深夜に帰宅し録音した曲ネタのチェックをしても心ときめかず。

映画見て気分を入れ替える。深夜3時のラストシーンには心が震えた。

2/4【何かが生まれた】
ピアノを弾きながら、ああ、もっと弾けたらと思いつつも高揚していた。

何かが生まれた気がした。

忘れないうちに譜面に残し、今日は終了。

早めに帰れたなと思ったけれど、夕食を済ませると0時だった。
 
2/5【曖昧な自分の心】
いかに普段、曖昧な気持ちで生きているか。

コミュニケーションを図ると痛感する。

曖昧に輪郭をつけ、レイヤーを与え、共通の認識を探り、やっと同じ形をイメージできる。

髪を切る。ただそれだけのことに教えられる。

曖昧な自分の心。

2/6【アラーム】
1時間ごとにアラームをセットする。

時間を告げる音が鳴る度に違う仕事に取り掛かる。

それだけで1日の中にけじめが生まれて、頭の中が軽くなった気がする。

食事を済ませ、もう一度スタジオに向かう、

今日はもう2回、アラームに向かう。

2/7【どちらもよく見える】
古い記憶が過ぎっても、後ろ髪を引かれずに歩けた。

届かないもの。届くものの。

どちらもよく見える。

2/8【そして】
イメージを形にするとき、自分を自分で翻訳していく過程がある。

その途中が、楽しくも苦しく、一進一退。

そして、分からないことが分かると、分かっていたことが分からなくなる。

2/9【遅れるより】
郵便局で母の誕生日プレゼントを発送。

明日着だけど、当日不在とかになるより良いかな。

遅れるよりいいよね。

2/10【音楽の旅】
靴の中までずぶ濡れで渋谷公会堂にたどり着く。

指先の不快感が、いつの間にか懐かしさに変わって行く。

音楽の旅は、そんな繰り返し。

2/11【雪解けの頃】
今年も母の誕生日。

白く積もった富士山を眺めながら、71歳の母を想った。

雪解けの頃、ゆっくり帰ってお茶でもしたいな。

2/12【ギリギリで】
嬉しい気持ちも、複雑な気持ちもある。

複雑な気持ちを短く伝えることは、自滅かもしれない。いや、自滅なのだ。

ギリギリで踏ん張っている。

2/13【インスタライブ1】
雨のドライブ。

誰かにとって正直に生きることと、自分に正直に生きることは違う。

それを間違えると、取り返しのつかない事になる。

2/14【外に出すと】
この気持ちを説明することは簡単だ。

僕は今、後悔をしている。

でも、これは自分の中にだけ留めておく必要がある。

外に出すと、それは苦痛に変わるだろう。

2/15【お昼寝たくさんしたのかな?】
深夜2時を回って、12時間後に始まるレコーディングのことを思い家路に着く。

暗い玄関までトトが走ってくる。

なんだか今夜はやけに元気だな。

お昼寝たくさんしたのかな?

2/16【仲裁役の僕も】
つい口を挟んでしまって、それがよかったのか定かではない。

この頃、二人の僕がはっきりと見えている。

仲裁役の僕も作り出す必要があるだろう。

2/17【インスタライブ2】
言葉にしながら、反芻する思いも生まれる。

それを捕まえに行くと失敗する。

伝わらないことだけが浮かび上がる。

2/18【インスタライブ3】
出来の悪い歌を晒している気になったのだろう。

ずっと気持ちのどこかの治まりが悪い。

少し休んだ方がいいだろうと思い休む。

トトがいてくれてよかったな。

2/19【珈琲屋で】
古い珈琲屋に一人でいると、今と昔が鉢合わせる。

過去の僕に、僕は誤る。

今の僕に過去の僕はどんな言葉をかけるだろうか。

2/20【嬉しいだけ】
自分の経験が役に立つ喜び。

金になるからではない。

ただ、嬉しいだけ。

2/21【屈折した光】
西日が古い波ガラスに差し込み、ひどく眩しい。

世界には沢山の波ガラスがあって、ある時期、眩しさが拡張する。

ありのままでは無いが、屈折した光は確かに輝きを放つ。

2/22【それだけ知っている】
バンドメンバーが去ったスタジオに一人。

もう一度曲をさらっている。

相変わらず出来ないことばかり。

出来ないことが出来る様になる頃、出来ていたことはもっと出来る様になる。

見落としていることは必ず何処かにあって、今は知ることができない。

それだけ知っている。

2/23【共有こそ専有の実感】
後戻りのできない時間を、僕は欲しているのかもしれない。

それは一人では生み出せない。

時間と共有する人々が居てこそ。

共有こそ専有の実感。

2/24【尊敬の念しかない】
スタジオのソファーに横になる。

帰る気力も無く、横になる。

五十音を聞き返しながら、他人事の様に感心している。

バンドメンバーにはさらに感心していて、尊敬の念しかない。

2/25【そのつもりでは無かった】
荻窪に車を停めて、吉野家で夕食をとる。

そのつもりでは無かったのに。

もしかしたら、僕の人生も、そのつもりでは無かったことの方が多いかもしれない。

2/26【実感】
実感が薄れていくことに抗う様に生きていると、ごく稀に実感が舞い戻る。

ライブ音源のミックス作業をしながら、階下で行われているリハーサルの音も混ざる。

実感は他者がもたらしてくれる。

2/27【わからない】
歩きたい。

とにかく歩きたいのは、少しでも時を引き留めたいからなのだろうか。

それとも、時をやり過ごしたいからだろうか。

わからない。

2/28【何も考えない時間】
サウナ室から中庭を眺めながら、焼石に水をかける。

室内の温度を上昇させ、限界の体で水風呂に飛び込む。

何も考えない時間を欲している。

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