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笹倉慎介の思考録「窓越しの世界」

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「窓越しの世界」は、2013年に笹倉慎介のオフィシャルブログで始まった日々を綴るブログ「sketch」の続編です。
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2021年11月の記事一覧

窓越しの世界 2021.11.18~28

11/18【西日に縁がある】 影の美しい季節になってきた。 毎年この時期になると、影に見とれている。 今辿り着いた場所にも、傾いた日差しが綺麗に入る。 自宅もしかり、西日に縁がある。 11/19【今夜からは】 籐のスタンドランプを担いで夜道を歩く。 夜はいつの間にか秋と言うには冷たい空気。 埃をかぶって暗い店内を照らしていた年代物も今夜からは僕のリビングに灯る。 11/20【それでも】 スタジオの窓から休日のヘッドライトが列をなす光景を眺める。 ここに座って束の

窓越しの世界 2021.11.10~17

11/10【誰かの幸福になる】 期待に応えてそして喜んでもらえると、その実感の中で僕は幸せだった。 つまりはもっと、何かに期待したり、喜んでいい気がした。 それは誰かの幸福になる。 11/11【チェロと行く】 ワインレッドのケースを開けて久しぶりの再会。 これから一年くらいかけて43小節を旅する。 五線紙の上にひかれたレールの上をチェロと行く。 11/12【旅をしている気持ち】 都心へ向かうほどに昔が残っている。 細い路地に佇む都市の記憶に触れると、旅をしている

窓越しの世界 2021.11.5~9

11/5【贈る心地よさ】 贈りたくなる。 コンロに火をつけて換気扇を回して、豆を焼く。 贈る心地よさの中。 11/6【受動的休息】 待ち合わせの中華調理店でテレビを眺めるていると、情報を選ぶ疲弊から束の間の解放感。 運ばれてくるビールと点心。 受動的な休息。 11/7【何度見ても】 夕焼けが美しい。何度見てもそう思う。 トトが可愛い。何度見てもそう思う。 11/8【無理はしない】 まだ葉が落ち切れていない紅葉樹の下で雨宿り。 意外と大きな雨つぶの通り雨。

窓越しの世界 2021.11.1~4

11/1【そのひとかけら】 案内をする喜びがある。 自分の好きな景色、行きつけの店。 音楽もそのひとかけら。 11/2【絶えずに、耐える】 ひさしぶりと言ったその人の声は優しかった。 あれからの日々を、今は意味あるものとして解釈できる。 絶えずに、耐えたからこその。 11/3【帰り道】 前からこうだったような気もするし、こうなった気もする。 自分を感じるよりも他者を感じた方が、自分を知れる気がした。 まだ夜風が心地よくて、帰り道の片手にハイボール。 11/4

窓越しの世界 2021.10月まとめ

10/1【時間の休息】 窓越しにじっと暴風雨を眺める。鳥たちも羽ばたけない。 そんな時間の休息に、僕は少し安らいだりする。 10/2【見つからない】 東の空にはまだ桜鼠の雲が浮かんでいた。 日没前の公園のベンチから一番星、二番星へと天を仰ぐ。 三つ目の星がなかなか見つからない。 とうとう見つからない。 10/3【プシュ】 まずは人が多すぎた。 その次は蚊が多く、そのまた次も、また次もなんとなく落ち着かず。 5つ目の公園のベンチにて、プシュ。 10/4【心地よく

窓越しの世界 2021.10.23~30

10/23【だんだん】 立ち昇る湯気が生き生きとしてきた。 見えないものがだんだん姿を現してくる。 吐く息も白くなれば、冬の足音。 10/24【こちらこそ暖かく】 まだ心地よいくらいの夕暮れ。 ベランダで缶ビールを開けると、トトが僕の膝で暖を取りにきた。 こちらこそ暖かくて、暗くなるまで街を眺めていた。 10/25【朝まで一緒だよ】 最近にしては過剰なお出迎えのトト。 玄関のドアから飛び出さんばかりの駆け足。 朝まで一緒だよ。 10/26【真剣】 アドバンテ