インストラクショナルデザイン学習記録①


鈴木克明先生著の「教材設計マニュアル:独学を支援するために」を中心にインストラクショナルデザイン(ID)の学習をしようと思います。
数学は独学で学べる部分が多いので、教材の力だけでどこまでできるのか知りたいと思ったからです。また、youtubeを活用した動画教材の開発をしており、そのクオリティを上げるためにIDの勉強が不可欠だと思ったので、今回の学習にいたりました。
また、このnoteは「教材設計マニュアル」をまさに独学で学習した際のレポートでもあります。引用はありますが、ほとんどすべて自分のことばでまとめていきます。
【感想】は最後に。それ以外は、私のための学習記録です。

【第1章ー独学を支援する教材】

目標
「独学を支援する教材」とはなにか自分の言葉で言えるようにする。
4つの条件をもとに点検してみる。


「独学を支援する教材」とは、完全に一人の状態で学習する人のための教材です。その教材の通りに進めば、目的の知識・技術が獲得できるように設計されています。たとえば、自分もよくつくる「数学のプリント」は独学を支援する教材ではありません。なぜなら、プリントを与え、「なにか分からないところがあったら質問して下さい。」と言うからです。
これは、教師がそばにいることが前提でつくらたプリントなので、「独学」ではありません。
私が取り組んているyoutubeの教材は、家にいてもカフェにいても学習できることを目的に作成しているので、普段つかっている数学のプリントとは設計がことなる必要があります。

【独学を支援する教材の4つの条件】

4つの条件を軸に、その教材が「独学を支援する教材」であるか点検することができるそうです。

1.自分がよくしっている内容・よくできることか?
2.教材づくりの協力者が得られるか?
3.短時間で学習できるか?(1回1時間以内)
4.個別学習教材で、教材が「独り立ち」できるか?


※2.教材づくりの協力者とは?
ここでいう協力者とは、「同僚、数学の教員仲間」であってはいけません。協力者には、出来上がった教材が本当に「独学を支援するための教材」たりえるかをチェックしてもらう必要があるからです。したがって、数学の教員仲間だとすでに数学のことをよく知っていますから、チェックできません。「知らない状態」や「出来ない状態」の「独学者」を協力者として得なくては行けません。

わたしがこれから開発したい(開発した)教材を具体例に、4つの条件を満たすか点検をしてみます。

(a)「数学のアプリDesmos(グラフ描画してくれる)を使えるようなる教材」
(b)「Excelで回帰分析を行えるようになる教材」
(c)「youtubeに動画をアップロードできるようになる教材」

(a)は1.の条件を満たさない可能性があります。どの程度Desmosを使えることを想定しているのかで変わります。単純な数式の入力、グラフの書き方程度であればできますが、複雑なものをグラフで表現するとなると、私にはできないものもあります。2.の条件は満たします。協力者として、何人か生徒にお願いすればベストです。3.4.は満たすものをつくれます。

(b)は実際に作った教材で、授業でも利用しました。動画教材にしています。1.の条件に少し引っかかります。ある程度の回帰分析はできますが、私自身、回帰分析や統計学、データの専門家ではないので不安です。
その他の条件は満たしているかなぁとは思います。しかし、授業で行ったため、「独学」ではありませんでした。実際、授業内で質問が多数発生しました。本当に「独学を支援する教材」であるかはまだ点検できておりません。

(c)は、4つの条件をみたすものを作成できそうです。アップロードの仕方はよく知っている、youtubeに動画をあげたことがない人も周りにたくさんいる(つまり協力者、点検者がたくさんいる)、短時間でできるし、その教材をyoutubeで公開すれば教材は独り立ちできます。



【この章のまとめ】
これから私は「Desmosを使えるようになるyoutube教材」を作成しようと思い、IDをもう一度学ぼうとしています。4つの条件を完全に満たしており、なおかつデザインにもこだわったものを作成予定です(年度内)。第1章で学習したことを「教材アイデア」として、以下にまとめます。

教材アイデア「Desmosを使えるようになるyoutube教材(仮称)」

誰のための教材か
主に中高生のための独学教材。また、この教材をもとに授業を展開する予定。
また、「ICTを導入したけどどうしたらいいかわからない」と悩む、意欲的な中高数学教師も対象。

4つの条件を満たすために
1.自分がよく知っている内容にするために、Desmosをもっと学習する必要がある。Desmosではどんな記号を使えるのか、出てくる関数の定義、Desmosの中の独特の書き方、Geogeblaとの違いを学習する。

2.教材開発が終了したら、数学科でない先生に協力をお願いできる。また、何人かの生徒に協力してもらい、教材をブラッシュアップさせることができる。

3.1つのyoutube動画は10分程度が望ましい。動画を観た後、10分~30分の自習時間を要するものにする。Desmosは動画を観ただけでは使えるようにならない。実際に「自分でやってみよう」と思わせる工夫が必要。

4.自分が関わっていないターゲットにも、この教材が届き、「わかりやすい!」と評判になることが利用。また、みんなに受け入れてもらえるようなデザインも重要。顔だしの動画より、Vtuber的な、キャラクターを動かす動画を今は考えている。


【感想】
IDの学習に加えて、Desmosの学習も必要であることがはっきりした。いや~~、道のりは長い。。。苦笑
苦労せずしていい教材はできない。徹底的に頑張ろうと思えた。

→【第2章へ続く】

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