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見え過ぎてる三茶のポルターガイスト

あらすじ

東京・三軒茶屋にある心霊スポットに潜入取材した様子をカメラに収めた心霊ドキュメント。「真・事故物件」シリーズなどを送り出してきたオカルトメディアのサイゾーによるホラー映画製作プロジェクトの第4弾作品。

東京・三軒茶屋にある心霊現象が多発する雑居ビルに、撮影隊が決死の覚悟で潜入取材を敢行。誰もいない部屋で揺れるカーテンや点滅する照明器具、吹き飛ぶ壁掛け時計、壁を激しくたたく音やいるはずのない人間の声など、次から次へと起こる背筋の凍る心霊現象をカメラに収めていく。

監督は、人気心霊ドキュメントシリーズ「怪談新耳袋殴り込み!」に新耳Gメンとして出演している後藤剛。


オカルト界隈では超有名なヨコザワプロダクションを、トカナの角由紀子が実証実験し徹底解剖する!というオカルト好きには堪らんドキュメンタリー映画が遂にアマプラで配信です。

冒頭、制作サイドに異論を唱える人はいなかったのかよ!?と思える程の低クオリティな再現VTRのつるべ打ちに唖然。
満を持して登場したゲストは、いしだ壱成&やくみつるという謎キャスティング。さらにゲスト2人が語る上手くない怪談に失笑。これは先行き不安だ、大丈夫なのかと…。そして、いよいよ始まるヨコザワスタジオの実証実験。ここでも動き過ぎるコックリさんに意を唱えたくなる。

がしかし、こちとらモノホンと謳われている心霊現象が目当てなわけだから、ここからが正に本番という事で改めて襟を正す。

矢継ぎ早に起こる怪奇現象。その全てが不明瞭ではなくてハッキリと見える。まるで、ほん呪のようだ。そう、ほん呪。

99年、世間を恐怖に陥れた元祖POV映画"ブレアウィッチプロジェクト"こちらはドキュメンタリー風な程で制作された、いわゆるフェイクドキュメンタリー映画。
山中で起こる怪奇現象をPOVという一人称視点で撮り続ける生々しさが初見時はフレッシュで怖かったし、あえて現象をしっかり映さない不明瞭さは、逆に事実なのでは?という信憑性を増幅させていた。

事実の三茶のポルターガイストに、虚構のブレアウィッチプロジェクト。見え過ぎる映画と見えない映画。
本来なら事実の三茶に現実味を感じるはずだが、ブレアウィッチの方が現実味としての説得力があるというジレンマ。
そもそも三茶は怪奇現象の最中にカットを割ってしまうのは駄目でしょーが。と素人ながらに思ってしまった。

メトロポリタン美術館で行われる華やかなアートショウ、メットガラの裏側を撮ったドキュメンタリー映画"メットガラ/ドレスをまとった美術館"のとあるシーンで、巨匠ウォンカーウァイが『多くを見せ過ぎると、それは見せてない事になる。』と語っていた事も思い出した。

結論、三茶のポルターガイストで起こる世紀の大発見級の見え過ぎる怪現象に、事実である事の説得力を持たせる為には、ヨコザワプロダクションに実際に足を運び体験するっきゃないのだ。

リアルか?フェイクか?どちらにせよ全国ネットで、映画で、書籍でとオカルト界を盛り上げる起爆剤としての役割りを果たしているのは確かなわけで、今後も三茶のポルターガイストakaヨコザワプロダクションを追って行きたいと思う。


*参考資料
本当にあった呪いのビデオ

ブレアウィッチプロジェクト

メットガラ/ドレスをまとった美術館

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