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USCPA AUD90点合格者まとめノート(AUDに3回落ちた監査法人出身者によるPDF50ページ分)

1.USCPAについて

USCPA(U.S. Certified Public Accountant、米国公認会計士)とは、米国各州が認定する公認会計士資格です。

国際ビジネス資格の最高峰に位置づけられる会計の専門家であり、その仕事内容は多種多様であり、グローバルに活躍を展開する企業における海外進出や合併、再編など、会計のプロフェッショナルである公認会計士の社会的ニーズはますます高まっています!

日本では、公認会計士は、医師や弁護士と並び「三大国家資格」と言われておりますが、米国においても公認会計士は認知度、難易度共に高い資格となっております。
米国の資格でありながら、世界的な認知度も非常に高く、世界150ヵ国以上、約40万人の人が米国公認会計士を取得し様々な分野で活躍しています。
特に、公認会計士の主要業務である監査業務は、医師の医療行為や弁護士の裁判行為と並んで、公認会計士のみに許された「独占業務」とされています。

また、米国公認会計士試験は、米国のみならず様々な国籍の方が受験をしている試験です。この事は他の国の公認会計士試験と大きく異なります。アジア圏では日本をはじめ韓国、香港、シンガポール、フィリピン、インドなど多くの国の受験生がチャレンジしています。その意味で米国公認会計士は今や世界的に認知された公認会計士資格であると言っても過言ではありません。

米国公認会計士試験に合格すると、プロとして英語で会計実務ができるレベルであることを客観的に証明できる資格であると言えるため、就・転職でアピールできる資格となっております。
また、科目合格から履歴書にも書けるため、特に転職市場においては非常に人気の高い(年収を上げるため?)資格の一つとなっています。

2.USCPAの試験科目

試験科目は全部で4種類あり(変更前)、財務会計を勉強するFAR、管理会計や経済を勉強するBEC、米国の法律を勉強するREG、そして監査を勉強するAUDがあります。

FAR


企業や非営利法人、政府機関、その他において求められる一般的な会計基準の知識、および、それらを業務において活用していくために必要な能力を問う科目です。

試験範囲は、以下の通りです。
企業会計 約80%
政府と非営利組織会計士 約20%

BEC


ビジネス界における多くの商取引について、その背景と会計的意義についての知識、およびそれを実務上で応用し、活用する能力を問う科目です。

試験範囲は、以下の通りです。
管理会計・ファイナンス 約36%
コーポレートガバナンス 約22%
経済学 約22%
IT概論 約20%

REG


Federal Taxation, Professional Responsibilities(職業倫理と法的責任)、BusinessLawの知識、およびそれらを業務において活用していくために必要な能力を問う科目です。

試験範囲は、以下の通りです。
連邦税法 約85%
ビジネス法 約15%

AUD



監査手続・GAAS(Generally Accepted Auditing Standards)・監査証明業務に関する知識、その他の基準等の知識、およびそれらを業務において活用していくために必要な能力を問う科目になります。

試験範囲は、以下の通りです。
監査と証明業務 約80%
会計士としての責任 約20%

3.USCPAの試験科目(新試験)


米国公認会計士協会(AICPA)は、2024年1月より、新しいUSCPA試験の仕組み、通称「CPA Evolutionモデル」に移行する予定です。
この変更は、USCPAに求められる会計及びビジネスの知識の拡大に伴い試験内容を拡大するものだと言われています。

新試験制度において、受験者は、必須科目となる3つの「コア (core) 科目」と、選択科目となる3つの「ディシプリン (discipline) 科目」のうち1つ、計4科目を受験し合格する必要があります。

■コア (core) 科目」:必須科目

コア科目では、受験者の目指す専門分野に関わらず、新たにUSCPA資格を取得した者に求められる一般的なスキルと能力が問われます。2023年1月1日にAICPAが公表したBlueprintより、コア科目は以下の3科目です。

  • ①CORE FAR:Financial Accounting and Reporting:財務会計(公会計を含む)

  • ②CORE REG:Taxation and Regulation:税務・ビジネス法

  • ③CORE AUD:Auditing and Attestation:監査および諸手続き

■「ディシプリン (discipline) 科目」:選択科目

以下の3科目のうち受験者が選択した1つの分野において、より深い知識とスキルが問われます。どの分野の科目に合格しても、合格者は、差別化されることはなく、USCPAとして様々な業務に従事することができます。なお、初めに選択した科目で不合格になった場合、代わりに別の分野の科目を選択し受験することもできます。

  • Business Analysis and Reporting (BAR) :ビジネス分析と報告

  • Information Systems and Controls (ISC) :情報システムとコントロール

  • Tax Compliance and Planning (TCP) :税務コンプライアンスとプランニング

4.AUDという科目

上記で説明した通り、監査証明業務の能力・知識を問われる科目であり、基本的に計算がなく、理論科目のため非常に高度な英語読解能力が求められます。
TOEIC900点越えや留学経験のある猛者達でさえ、苦労する科目であり、通称AUD沼にハマると、なかなか抜け出せない人が多いようです。
筆者もその一人です。。。

5.AUD90点合格者まとめノート

筆者の場合、AUDは1回目70点、2回目73点で不合格続きでした。
AUDの勉強前に合格していたBECやFARの勉強方法と同じく、問題集を解きまくり暗記していましたが、AUDの場合は勉強方法が合わなかったようです。。。
そこで3度目の受験時は勉強方法を変え、色々なテキストや問題集、そして自分なりに監査論を理論的に勉強し直しました。 
   
そして3回目にようやっと90点という高得点で合格することができました。このノートは自分が勉強する上で、よくわからないところや忘れやすいところを自分なりにまとめたものです。テキストの丸写しではなく、色々な参考書やネットから分野ごとにまとめました。
 
中身は各論点を深掘りし、理論的にまとめた内容となっております。

構成は、2部構成となっており、Part.1では、 網羅的な内容になっていて1章から18章に分け、各々の重要な論点や理論を深掘りしています。part.2 ではAUDのTBSの中でも大事なアサーションのまとめ、tests of control, substantive test, samplingの解き方を体系化した内容となっております。

筆者自身もUSCPA全科目の中でAUDが1番難しかったので、AUDに苦手意識がある方がこのノートを使って少しでも早くAUDの試験のクセやコツを掴んでいただけることを願っております。
(ア○タスのテキストの章立てをもとにまとめているため、一部虫食いになっている 章がございます)

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