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【旅行記】6泊7日の旅【富山編】

【5日目】

大阪で迎える最後の朝。なんの時間にも追われていないのんびり旅行なので、どうにも朝早く起きることができない。這うようにしながらなんとか布団を出て、朝食会場へと向かう。朝が遅いので我々以外誰もいなかった。
スタッフの方から「あら日本の方?」と声をかけられるくらい、宿泊客のほとんどが外国人。日本語でコミュニケーションがとれる喜びからなのか、物凄く喋りかけてくるおばさま。
「お2人はどちらから?」
「神奈川からです〜」
「あらー、親子なの?」

ん???
はて???親子??

「いやいや違いますよ〜」と軽く返したが、一体どちらが母親でどちらが娘に見えたのだろうか。
パートナーと2人で旅行していて親子に間違われたのがこれで2回目。双子に思われたことも2回ある。どうやら見た目が似ているらしいのだが、それにしても親子に見えるとは。
朝食を終えて、また親子だと思われちゃったね、と笑いながら賑やかなおばさまに別れを告げた。

さて、それでは早速富山県へと向かおう。
出発は大阪駅。サンダーバードの指定席を確保して乗り込む。終点の敦賀で北陸新幹線に乗り換えだ。
実は、前日の夜Twitter(現X)を見ていたパートナーがこんな記事を見つけていた。↓

福井県民のソウルフードらしい、「ヨーロッパ軒」のソースカツ丼が美味そうだ!!
食いしん坊2人組。ちょうどお昼時に敦賀に着くし、こんなタイミングでこの記事に辿り着いたのは運命!というわけで、富山に行く前にちょっくら寄り道。

レトロな看板
カツ丼とパリ丼を注文

正直ソースカツ丼をみくびっていたことを白状したい。
こんなに美味しいソースカツ丼が存在するとは。
13時前に到着したのだが、店内は満席のうえ、どんどんお客さんがやって来る。そこまで観光客らしき人は見当たらなかったので、地元の人や、出張に来ていると思わしきスーツ姿のグループが多かった印象。元気なスタッフの方が気持ちの良い対応をしてくれる素敵なお店だった。
これは寄り道して大正解。
我々はミニカツ丼とミニパリ丼をお願いしたが、それでもかなりご飯の量が多かった(普通のカツ丼だとご飯が400gあるらしい)。
女性や高齢のお客さんに「ご飯多いんだけど、ミニにしなくていい?」とメニューの提案をしている場面も多々お見かけ。優しいお心遣いだ。

満腹になったので、腹ごなしもかねてお散歩へ。
ちなみに敦賀駅は物凄く立派で大きな駅舎。
持ち前の方向音痴を発揮して、実はヨーロッパ軒と反対側の出口に出てしまい、歩いて5分で辿り着くはずが「徒歩30分」と表示して来るGoogleマップ…
あやうく絶望してしまうところだったが、親切な駅員さんのおかげで構内を通り抜けられた。皆様も出口には十分ご注意を。

さてさて、お散歩の目的地は「気比の松原」
海が見たいという理由ひとつでがしがし歩く。
途中満開の桜の木の下を歩いたり、流れる川を眺めたりしながら、たどり着いたそこは、とっても綺麗な場所。

透明感抜群
穏やかな海

すごい透明感で、ほとんど波もなく、あたたかい日差しを浴びながらしばらく眺めてた。
感動するほど美しい。
まだまだ眺めていられそうだったけど、そろそろ富山へ向かおう。
ここから敦賀駅まで歩くと40分くらいあるので、近くのバス停からバスに乗った。たまたま時間が合ったので良かったが、これを逃すと1時間後とかだったので危なかった。地方のバスは本当に本数が少ない。

北陸新幹線に乗り込んであっという間に新高岡駅へ。宿をとった高岡駅に向かう電車、氷見線。これがまたびっくりするほどローカル。

駅によって開く扉が異なるので妙な緊張感がある

小さな2両編成の電車に乗って高岡駅へ。
ひとまずホテルにチェックインしてから、パートナーが富山行きを決めた「ある理由」のため、再び街に繰り出す。
その理由というのが、こちら…!

酢味噌和え
天ぷら

ホタルイカ、である。
富山といえばホタルイカの名産地。ちょうど今の時期(3月〜5月)が旬で、鮮度抜群、ぷりっぷりの美味しいホタルイカが食べられる。
ホタルイカが大好物のパートナーは、これを食べるために春の富山県に行きたがっていた。
家の近所のスーパーで売ってるホタルイカも富山県産ではあるが、見た目のぷりぷり具合がまるで違う。こんなにはちきれそうなナイスバディのホタルイカは関東ではちょっとお目にかかれないだろう。
高岡駅近くの「たかまさ」という居酒屋にお邪魔させてもらったのだが、どうやら地元でもかなりの人気店のようで、我々が席についてすぐ、予約していないお客さんは満席でお断りされていたくらい。早めに向かっておいて大正解。
勿論ホタルイカ以外も色々いただいたが、どれも新鮮で、流石北陸の海の幸。全部美味しく頂いた。

お造り盛り合わせ 白エビが甘い
ホタルイカ同様富山の宝石 白エビの唐揚げ
ぶりぶりの牡蠣…最後の一個はじゃんけんで

美味しい夕飯に満足しつつ、ホテルに帰る。
さあホタルイカも満喫できたし、明日の夕方までには家に帰ろう。
…この時は一応、2人ともその予定でいた。

【6日目】

この日は朝から雨晴海岸へ向かう。
今回も乗るのは氷見線。
ICカードは利用できないと気づいたのは改札を抜けてからで、慌てて窓口の駅員さんに泣きつく。同じような観光客がたくさんいるのか、慣れた様子で「中で支払ってくださーい」と手続きしてくれた。
無事に乗り込んだ電車。
中で支払えと言われたが、いつどこで誰に支払えばいいんだ、というか小銭がぴったりないんだが大丈夫なんだろうか。ちょっとドギマギしながら電車に揺られる。
降車駅に近づいた頃、地元の方ではなさそうなご婦人から「この切符どうしたらいいのかしら?」と聞かれるも、私もよくわかっていない。
多分運転手さんに降りる時渡せば大丈夫ですよ、と返事をしておく。
ご婦人は地元の学生に指南を受けながら、無事同じ駅で降りて行った。
私はワンマン運転の運転手さんにご面倒をおかけするのが申し訳なかったので、「お釣り結構なので!」と少し多めに支払って電車を降りた。

単線のローカルな無人駅にわくわくしてあちこち写真を撮っていると、先ほどのご婦人はお友達2人と合流していた。
「支払い方がわからなくてね、この方たちにも聞いちゃって…」と照れくさそうに微笑みかけられたので、「いやはは、すみません(私たちもよく分かってなくて)」と笑い返した。

無人駅の単線に心躍る
海岸線を這う線路がノスタルジック

雨晴海岸へ行く前に、灯台へ向かう。
行く予定はなかったが、「岩崎ノ鼻灯台」というところが少しのぼったところにあるらしい。看板を見かけた。
えっさえっさと坂を登っていくと、なんと満開の桜と白い灯台。あらあら予想外の美しさ。

北陸はちょうど桜が満開の時期

カメラを持った人もたくさん来ていて、どうやら桜の名所らしい。
思いもよらぬ出会いがあったな、と満足しながら坂を降りていくと、降りた先には先ほど電車で一緒だったご婦人方が。
「あら〜また会いましたね〜」なんて言い合いながら手を振った。旅先での偶然の再会、ちょっとうれしい。

そのあとはブランチを食べに近くのカフェへ。
2人とも腹ペコだったので、ピザとパスタと飲み物をそれぞれ注文。食事の注文があると思わなかったのか、注文の途中で「ちょっとお待ちくださいね」と伝票を取りに戻ったり、ぱたぱた慌てている奥様。伝票を手に戻って来たので再度注文を繰り返す。しっかり復唱する奥様。
しばらく待って、それぞれの飲み物とピザが到着。もっちりした生地で美味しいピザだった。
そこから大体15分くらい。待てども暮らせどパスタが来ない。
元々シェアするつもりで頼んでいたのでピザは半分こしていたのだが、それにしてもパスタが遅い。
「あのさ…パスタが来ないって可能性ない?」
パートナーに、小さい声で話しかける。
「え?まさかー」
ちゃんと復唱してたし。わざわざ伝票取りに戻ったし。そんなまさかね。でも、やっぱりちょっと遅すぎるし、奥様はさっきから別のスタッフの方とおしゃべりしている。
結局、パスタの注文そのものが通っていなかったらしい。
お互いこういうトラブルでは苛立ったりしない性格でよかった。「え、気まず…パスタまだですかって聞けないよね?」「でもこれで会計だけ乗せられても嫌だよね?」「復唱…してたよね?」と色々言いはしたが、でもまあピザを半分こできていたのでこれも笑い話だ。

さて、気を取り直して海岸へ。
雨晴海岸はビューポイントがあって、海の中に佇む女岩の奥に立山連峰がぶわっと広がる美しい景色が見られる。
まあそんなことは全く知らずに行ったわけだが、とにかく美しい景色だった。

霞がかった空の奥に立山連峰がそびえたつ
浅瀬を泳ぐ魚たち
電車が来るたび人々がカメラを向けていた

海を十分堪能したあとは、氷見線に乗って高岡駅の一つ手前、越中中川駅で下車。ちなみにこの電車もたまたま乗る時間が合ったから良かったが、あと少し海でのんびりしていたら1時間半待ちぼうけを食らうところだった。今回の旅はタイミングが良い。
そろそろお腹も空いたので、ここらでお寿司といこうじゃないか。てくてく回転寿司屋まで歩く。
歩く途中も桜がいっぱいで春爛漫の景色が広がっていた。
回転寿司といえば、大阪の夜不完全燃焼で終わっていたのである意味リベンジマッチ。

ここでもやっぱりホタルイカ
ぴかぴかのネタ

回転寿司であろうとすべてが美味い。
やっぱり北陸は海の幸がぴかぴかだ。
リベンジマッチは大勝利。

そのあとは高岡市美術館へ。高岡は藤子・F・不二雄先生の生まれ故郷らしい。ドラえもんの展示に童心を思い出す。

先生のこどもごころが羨ましい

美術館を見て回って、ちょっとだけ高岡古城公園を散策して、あっというまに夕方になってしまった。
さあ、そろそろ帰らなければ。
新幹線に乗るため、いよいよ富山駅へ向かう。
とはいえ、せっかくだし富山駅周辺も観光したい。
駅中に売っていたすごく美味しい塩ソフトクリームを食べながら、すっかり立山連峰に魅入られてしまったパートナーのために、展望台を探すことにした。
どうやら富岩運河環水公園に展望台があるらしい。最後に綺麗な景色でも見に行きますか、ということでそこへ歩いて向かう。

満開の桜と美しい立山連峰

はあ。なんて美しい。
高いところから満開の桜と青く輝く山々を見つめる。
きっと2人とも、この時は同じ思いだったのではないだろうか。

はあ、帰りたくないな…

そして、帰らないことにしたのである。

本当に行き当たりばったりの自由な旅だが、そう、帰るのをやめたのだ。

展望台を降り、ベンチに座り、「よしホテルを取ろう」と近くのホテル探し。
さっくり予約して、そうと決まれば富山ブラックラーメンを食べにいく。
無職は、とんでもない行動力だ。
ラーメン食べて、駅で夜食用の鱒寿司とかりんとうまんじゅう買って、さっき予約したばかりのホテルにチェックイン。
終わりを決めない旅って、なんでこんなに最高なんだ。

【7日目】

せっかく延泊したのだから、しっかり富山も観光して帰りたい。
というわけで我々が向かった先はこちら。

ほたるいかミュージアム。
そう、またホタルイカである。
もちろんほかにも見所はたくさんあるのだろうけど、この時期に来たのだから、せっかくだし心ゆくまで堪能しようじゃないか。
日本唯一、というより世界唯一の、ホタルイカに特化したミュージアム。ホタルイカについて学べて、触れて、食べられる。そして外部からの刺激によって青白く発光するという特徴をいかした世にも珍しい「発光ショー」が見られる施設だ。
勿論我々も「発光ショー」に参加したのだが、撮影禁止のため写真はない。
簡単に説明すると、シアターの前方に半円型の水槽があって、その中に生きたホタルイカが入っている。スタッフが網を持ち上げると、中に入っているホタルイカが刺激を受けて光る、という仕組みだ。
何より凄いのは、このホタルイカはミュージアムのスタッフが深夜2時頃から始まる漁に同行して自分たちの手で生きたままここに連れて来るということ。去年は不作の影響でなかなかショーも難しかったらしいが、今年は今年であまりにも大漁すぎて網の中でホタルイカが圧迫死してしまうため、生きたまま連れて来るのが難しいらしい。
我々の参加した日は200匹ほどいて、たくさんのホタルイカが一斉に光る現象を間近で見ることができた。幻想的で不思議な光景だった。
そして、施設内では実際にホタルイカを触ることもできる。
発光する部位もショーの中で教えてくれるので、見た後に触るとよりわかりやすいし、「ホタルイカは噛みます!噛みますが、せっかくの体験なので是非噛まれて帰ってください!」と言われたのでしっかり噛まれて来た。
噛まれるというか、感覚としてはぎゅりっと吸い付かれる感じ。
手のひらに収まるホタルイカを見ているうちに、パートナーは愛おしさまで感じていた。
そして最後はきちんといただく。
お刺身も美味しかったし、アヒージョも美味しかった。

結構水の中で元気に泳ぎ回っている
お刺身
アヒージョ

ミュージアムの目の前は海。
ということで、なんとこの日から始まったという富山湾のクルージングへ。タイミングが良すぎる。
わりと肌寒い日だったので、猛スピードで走行する船の上で感じる風の痛くて冷たいこと。
ぎゃあ、とか、ひゃあ、とか言いながらも全身で富山湾を浴びて来た。

立山連峰綺麗すぎて幻みたい

旅の後半は、ずっと立山連峰を見ながら「あれはハリボテでしょう、あんなに綺麗な景色がこの世にあるもんですか」とおどけて繰り返す私に、パートナーが「あのね、世界は思っているより美しいんだよ」と説いてくれた。そんなやり取りでずっと笑っていられるんだから、まあ平和である。

そんなこんなで、延長を重ねた旅路も終わりを迎える。富山駅へと戻り、駅中でちょこっとお土産を購入して(昨日食べたかりんとう饅頭が美味しかったのでリピートした)北陸新幹線に乗り込む。
急遽決めた北陸の旅だったが、とにかく海の幸と山の雄大さに心ときめく時間を過ごすことができた。

旅から帰ってきても、すっかりホタルイカの虜になってしまっているパートナーは、旬が終わるまでにどんなホタルイカ料理を作ろうかと考えて、いつまでもワクワクしている。

【合計歩数】

※1〜4日間合計…53,972歩
5日目 12,643歩
6日目 20,134歩
7日目 12,276歩
7日間合計 99,025歩

【合計支出(1名分)】

※1〜4日間合計…51,000
交通費25,000
宿泊費10,500
食費13,500
7日間合計…100,000円!

※今回はこまめにメモをとっていなかったのでざっくり計算

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