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私の脳内で「草彅剛に最後不気味に高笑いしてほしい」と三谷幸喜が言った。「burst!〜危険なふたり〜」鑑賞記録

私の脳内で「草彅剛に最後不気味に高笑いしてほしい」と三谷幸喜が言った。「burst!〜危険なふたり〜」鑑賞記録


その一言一句を聞き流すまいと耳を澄まし、
息をするのも忘れるほど集中してしまって、
淀みなく紡がれていく膨大な台詞の合間に、
彼らがひとつ呼吸をするのと同時に、
慌てて忘れていた息をした。

「burst!〜危険なふたり〜」

10月23日、日本青年館ホールで香取慎吾、草彅剛主演の舞台を観劇してまいりました。

二人芝居であり、ダブルキャストでもあるという奇抜な演出は、これまでいちども体験したこ

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当日欠航の船旅に想いを馳せながら綴る「食聖」の観劇記録

記録的な長雨が日本列島に襲いかかった8月。
仕事柄、一年で一番忙しいお盆の繁忙期を終えた8月19日。
今回もゆずるの女(紅ゆずるさんのことが大好きな友人)からお誘いを受け、約2ヶ月ぶり、人生二度目の明治座へと私は足を運んでいた。
ブロードウェイミュージカル「エニシングゴーズ」の観劇記録を残していこうと思う。
あらすじは以下の通り。

大恐慌からようやく落ち着きを取り戻した1930年代半ばのニューヨ

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じめじめした空気を吹っ飛ばすJazzの響きと最高峰の喜劇

「ゆずるの女」
と、私が勝手に命名した友人がいる。
彼女とは中学生からの仲だが、ご飯を食べに行ったり遊んだりするのは20歳前後からだったと記憶している。
そんな彼女がここ数年、熱狂的なファンとなり、日々「推し事」に励んでいるのが「紅ゆずる」だ。
宝塚歌劇団の星組に所属し、トップスターとして活躍し、そして退団した人物。

彼女が紅さん出演の舞台のチケットを手配しようとする時、大抵私にも声がかかる。

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神社にラブソングを、落ち込んだ世の中に愛と笑いを。

神社にラブソングを、落ち込んだ世の中に愛と笑いを。

2021年6月9日、水曜日。
人形町にある明治座にて、「水谷千重子50周年記念公演」を観てきた。

コロナ禍での公演ということで、歓声や大きな笑い声は控えなくてはならなかったが、代わりに大きな拍手とどうしても堪えきれず漏れてしまうような柔らかい笑い声で、お昼11時の明治座の舞台はあたたかく包まれていた。

忘れっぽい私のために一応書き記しておくが、水谷千重子とは、実は友近のことだ。50周年記念公演

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