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彼と私の関係性#3

実は女子女子している私なので、記念日は祝いたいタイプである。
付き合って1ヶ月記念に彼と夕飯を食べに行くことにした。

日にちを最重要として予定を組んだので、ど平日な月曜の夜にレストランに行くことに。
座席数も多く広めのレストランで、立ち寄って飲み会をするようなタイプの店でもない。消費税も上がったばかりで外食控えの気配が漂う中、予約をするまでもないだろうと踏んでいた。(私は。)

約束の前日、彼から連絡が。
「明日は19時に席だけ予約したから、18時30分頃迎えに行くね。」

えぇえー!!
予約してくれてたの?!

驚き、そんな必要ないんじゃないの?と言いたげな顔をした私に…

「こーゆーのは心持ちが大事かな、と思ってさ。」
と彼は笑った。

記念日を記念日として扱おうとしてくれる、その姿勢が頼もしかった。


約束の日、レストランはやっぱりガラガラだった。
店員さんの声がやけに響くように感じる中、「予約」していた私たちはあっさり席へ通された。

1年間熟成されたというチーズが振りかかったシーザーサラダを食べながら「1ヶ月経った感想は?」と聞いてみた。

「幸せだよ。」

彼は考える素ぶりも見せずに言ってのけた。

「?!
そんなこと言ってると歯が浮いてなくなっちゃうよ!」

「ありがとう」とか、「私も」とか、そういった類の返答が出来ない私は、「歯が浮くようなセリフ」という言葉から派生させたようなことを言った。彼のあまりの即答ぶりと軽やかさに、適当に言ったのだろうと思ったが、どうやら本当に幸せだと感じているらしかった。


そっか。
「幸せ」って、こんな軽やかなものだったんだ。
私には「幸せ」って、なかなか手に入らないものだと思えてたよ。

「お!これは…。」と彼がデザートに頼んだケーキのクリームを一口分けてくれた。
即座に「甘い!」と食リポした私に声をあげて笑う彼。
「違う、違う!生クリームじゃなくて、焼いたマシュマロだったでしょ?そこに気づいてほしかったな〜笑」

そっか、幸せってこんな感じか。


#恋愛 #エッセイ #よくできた彼氏

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