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信号待ちをしていた私の目の前を
高校生くらいの少女が
少し上向き加減で、背筋を伸ばして歩いて行った

どこかで見たことがあるなと思ったけど
彼女は、見知らぬ少女で
見かけたことがあったのではなく
その歩く姿が、娘に似ていたのだ

彼女の背筋を伸ばして前を向いて歩いて行く姿を見て
娘が、一生懸命前を向いて歩いて行く後姿と重なった

娘に、そんなに頑張らなくてもいいのだよ
そう言おうと思って、今も、伝えられずにいるものだから
彼女の歩いて行く姿を見て、娘ではないかと思ってしまった

幼い頃のように、親の助けがなくても
しっかり、自分の足で歩いている
困ったことや辛いことがあっても
泣きそうな顔をして、私の顔を振り向いたりはしない
むしろ、高齢になって一人暮らしの寂しさに
泣きそうな顔をしているのは私の方だ

娘が、しっかり背筋を伸ばし
前を向いて歩いていく姿を私に見せたのは

「自分の老後くらい 自分で守れ ばかものよ」

そう言うことであったか
さすが、我が娘!


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