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日常から離れる旅へ。その2

その日、私はまた県立図書館を訪れました。というのも、親友に頼まれた資料が埼玉大学にしか置いてないことが発覚して「図書館間相互貸借」のサービスを利用してみたのです。

・埼玉県立図書館(熊谷)

1月21日に予約して、電話きたのが3月27日。「大学側が教科書に指定していたら難しいかもしれません」と事前に言われてました。2ヶ月近く待たされることになりましたが、借りることはできました。
すんなり借りられるのは近隣自治体だからとか、その本の貸出状況(貸出中とか予約とかあると先延ばしされる)とかで左右されるのは勉強したので知ってたのですが、2ヶ月は長い。私もびっくりでした。図書館間相互貸借、もっと余裕を見ないといけないようです。そのあといろいろありまして、その本は私が「借りたまま」にすることになりました(ほんとすみませんでした)。

当然、ほかの機関からの借りものなので専用ファイルに。貸出用の注意書きも添えられてました。この黒猫かわいい。

猫と鳥。

図書館を出てから少しページをめくってみたのですが、なにか違う。学芸員科目の資料として使えたらいいなと思ってましたがなにか違う(県立図書館の方、埼玉大学の方、すみませんでした)。
返却期日は4月13日。それまでに流し読みをするか。ここまでの交通費、約1,000円。車飛ばせば1,000円払わずにすみますが、ペーパードライバーな私は県立図書館まで安全に運転できる自信がありません。
うーんと悩む私。すると親友は「借りた日に、返却するのはアリだと思う」というのです。
今日中に返す (・∀・) ナルホド
せっかく借りてきてもらったのだから、取り置き期間を経て取りに来なかったら目をつけられそうで(?)ちょっと怖いのです。利用停止にしますよ! とか、出禁(行きすぎ?)にしますよ! とか。
や〜、それは困るのです。この先おそらく県立図書館の資料を使うことがあると思われるから。図書館で出禁にされるって、本盗むとか捨てたとか売ったとかしたら出禁はありそうですが。

──

気を取り直して、日常を離れる旅に。行き先はやはり群馬県。
なぜ毎回「群馬」なのか。それは群馬の民に呼ばれたからであり、最初に訪問したときの印象がよかったからです。
私が県立図書館に行ったのはお昼前でしたので、お昼ごはんを食べてからの散策でした。
前回話題に出た「登利平」のライバル企業「とり弁鶏」。登利平は埼玉にありますが、とり弁鶏は埼玉にはありません。北関東にしかない。お、そうなのかということで連れて行ってもらいました。

・とり弁鶏

登利平のライバル店。寄ったお店は「ごはんおかわり自由」「漬物おかわり自由」「ふりかけ かけ放題」の3大うれしい特典がありました。各テーブルにも「のりたま」常駐という神対応。かけ放題のふりかけ(のりたま)があるのに、テーブルにも(のりたま)がある。定食を頼めば漬物もついてきます。漬物好きにはうれしい特典。ごはんを口へ運ぶ箸が止まりません。

おすすめされた「とり重」をいただきました。
ああこれこれ、鶏肉のちょっと焦げた感じ。ぜんぶ隠れきれてないごはんが見える感じ。お味噌汁も具沢山というわけじゃない感じ。ふたつをまとめようとする、お漬物の「俺の位置って」って感じ!
こういうの好き。登利平にはないサービス。
親友と「のりたまプチトーク」も。「ふりかけ=のりたま」は、私の世代だけではなかったようです。

切磋琢磨しながら。

腹ごしらえもすみまして、太田市内を進みます。

・曹源寺

着いたのは静かな自然の中に建つお寺のように見えるお堂。入り口の石塔に「西国坂東秩父 百観音奉安霊場 県重要文化財 さざえ堂」(国の重要文化財か)の文字が。その奥にある掲示板には「曹洞宗 祥寿山 曹源寺そうげんじこちらが正式名称のようです。石塔をすぎると立派な門が。

曹源寺は1187年(文治3年)に開基。新田氏の祖 義重さんが、京都から迎えたお姫様の菩提を弔うために建立されたんだそうです。文治は後鳥羽天皇の時代でした。歴史疎いからすぐ忘れる…
親友に聞いたところ、ここでお参りすると全国(坂東、秩父、西国)の札所巡りをしたことになるんだそうです。全国を飛び回れないという人にはうれしいですよね。すごいですね。
ここ以外にも埼玉の本庄市福島の会津若松市にもお堂があって、ここ(曹源寺)の中に、この3つを撮影した写真があります。ここと本庄市は建て替えてますが、会津若松市のものはそのままです。
ネットで調べると、さざえ堂は国内に5ヶ所で「日本三大」がつくと、太田市、本庄市、会津若松市のさざえ堂ということになるようです。

なんで「さざえ堂」なのか? 正式には三匝堂さんそうどうという名前のようですが、構造から巻貝のさざえに似てる、ということで「さざえ堂」と呼ぶようになったそうです。人って見た目からインスピレーション受けて言葉を出すことがあるから「さざえ」もなんとなくわかる気はします。
ネットで検索すると、だいたい出てくるのが会津若松市のさざえ堂。建物の外観がおもしろいからかもしれません。
すでに訪れた「太田市美術館・図書館」も、実は同じ構造。正式には「二重螺旋構造」のようなんですが「からまりしろ」でも間違いないのかもしれません。先に頭に入ってきたのが「からまりしろ」なんで、そのまま「さざえ堂(二重螺旋構造)=からまりしろ構造」だろうと。
たしかに、太田市美術館・図書館と同じく、一度通ったところを通らずに、上から下まで戻ってくることができました。行く人、去る人がぶつからない、先人の知恵と言いましょうか、ひとつの「建築の工夫」なのかなと。
(一階以外は写真撮影OKなんですって)

日本三堂の文字。

さざえ堂の見学も終わって、そこから栃木県足利市を経由して桐生市へ。なにかレトロな感じが残る街並み。景観保持のため、電線は地中に。いいねえ。
目指すは有鄰館ゆうりんかんという場所でしたが、土曜日ということもあって駐車場が埋まってたので断念。

・レンガ

仕方がないので「レンガ」というパン屋さんに。建物をリノベーションしたパン屋さんで、つくりが私好みでした。
天井の高さ、広々空間。中も開放感があって、パンもおいしい。お店の人も、お客さんもみんな優しそう。これが桐生か!
清算のとき、レジ近くにあった貼り紙に「マルシェ」の文字が。夕刻からお店の反対側でマルシェが開かれるとのこと。行ってみたかったけど、県立図書館で借りた本の返却ミッションが残ってるので、マルシェはお預け。
買ったのは明太フランスみたいなパン。それとお土産にバウムクーヘン。親友に呼ばれて「ラスク」を詰めた袋をいただきました。めちゃ詰めてくれたので、口が縛れません。「一袋サービス!」なんですって。
群馬はオートスナックの聖地と聞きましたが、はたして…?

左に看板、右にストラックアウト。

太陽が西に傾く中、親友と一緒に埼玉県立図書館まで帰還。桐生の街並みを眺めながら「桐生市は篠原涼子の出身地」とか、謎のコンビニチェーン「さくらみくら」があるとか、そんな話をしながら県立図書館まで突っ走ります。
道中、道の駅に寄ったんですが、なんと閉館(17時閉館)。道の駅は諦めて、お隣の建物で群馬沼田産のジュース3本をお土産にいただきました。妻沼でつくった納豆も買いました。こちらは「たれ・からし」がついてません。素材のおいしさを楽しむ系の納豆。

茶豆納豆。

・埼玉県立図書館(熊谷)、再訪

お買い物もすませて、県立図書館まで飛んでいきます。目印の群馬銀行(看板)が見えたのは17時20分ごろでしたか。駐車場に停めて「ありがとうございましたー!」と返却しに行こうとしたら、

closed

closed (思わず二度見)

closed (下向いてからまた見た)

(・∀・) ヒャッハー!!

そう、この日は3月30日(土曜日)。
埼玉県立図書館(熊谷)は、時期によって閉館時間が違うのです。私はなにを思ったのか「今日は18時まで」と思い込んでました。この時期の土日祝日は17時だ、なにを勘違いしてたのだろう。
親友も私も (・∀・) のままでしばらく硬直、そのあと、

「closed!!!!!笑」

「テレ東のさ、バス旅(でアポなし訪問して失敗したとき)の感覚な!!!」みたいな。
私は謝り倒し、親友は笑い飛ばしました。
仕方がないので、借りた本は翌週の火曜日に返却することにしました。

何度も足を運ぶハメに。

司書さんはとても優しくていい方でした。

擬態(さざえ)

自分の心身を「もとの状態」あるいは「それに近い状態」に戻すために、日常から離れる旅をしました。前回も今回もそれが目的でした。一時的でもいいから、こうした非日常を挟まないとダメなようです。
癒しであればなんでもいい、というわけじゃあなさそうです。食べもの、飲みもの、モノよりも「カンペキな体験よりも、ちょっとヌケた体験」のほうが、私には効くのかもしれませんね。それこそテレビ東京の旅番組みたいに「アポなし訪問して失敗」みたいな。
だから好きなのかも。バイク旅。バス旅。沿線歩き旅。

納豆は出張中。

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