高田朔実
転校生の天野君は、なんだか不思議な人だった。 有泉は、一緒に掃除当番をしながら、彼に興味を持っていく。 「僕はね、誰も知らない国から来たんだ」 「……はあ」 「そこは、名前のない地図にも載っていない、誰も知らないような、いくつも山を越えてたどり着くような、そんなところにあったんだ」
前から思ってたんだけど、僕の人生って、本当はゼロ階から百階まであるビルの、四十五階から五十五階付近をずっとうろうろしている、そんなふうになりつつある気がするんだよ。悔しいことに、起きているときの僕はそのことを忘れてしまう。まあ、安定した生活とはいえ日々の雑務に忙しいからね。 (本文より) 小説です。全三十数話の予定です。
2024年のうちに、部屋をすっきりさせたいということで、毎週のように部屋を掃除した振り返りをしていきたいと思います。
山登りをしつつ考えたことなどを、書いていきたいと思います。 山に関連するものとして、森林のことなども…!
再び山の上⑤ 「サリリは、陽が出るところを何度も見に行ってたの?」 「うん、戻って来たら…
再び山の上④ 「この国には、旅人がたくさんいるの?」 「旅人も他の職業と同じで、ある程度…
再び山の上③ 家族の顔を思い浮かべてみる。多分彼の言う通りだろう。私ですら、黙って一人…
再び山の上② 本といえば、あの少年は、ここでゆっくり腰を落ち着けて本を書きたいとか言っ…
再び山の上① 日向ぼっこを始めてからいったい何時間経ったのだろう。もうあくびしか出てこ…
モナムを訪ねて⑤ 「その鳩は、どうなったの?」 「旅の途中で、新たな居場所を見つけて、そ…
モナムを訪ねて④ 私も、袖の下で旅人の石をはずそうとしてみる。手芸屋さんで買ってきた…
モナムを訪ねて③ 今は何時くらいなんだろうと思う。腹時計によると、午後三時をちょっと過…
モナムを訪ねて② 「毎日同じ景色の中で、同じことをして、同じような日々がずっと続いていく…
モナムを訪ねて① 目が覚めると、窓の外の平原をダチョウが駆け抜けて行くのが見えた。 …
山の上の住処③ それから二人は、私がいた世界のことについて話し始めた。 こっちには、…
山の上の住処② 樹には、つやつやした赤い実がなっている。りんごを少し小さくして、より赤…
山の上の住処① 誰かの声がすると思ったときには、もう目が覚めていたのだろうか。 家族…
いつもの街⑥ その時、ガラッとドアが開いた。 「まだ帰っていなかったの?」 先生の声に…
いつもの街⑤ 「天野君がここに来たのは、なんのためなの?」 「なんだろうねえ、特に来よう…
いつもの街④ しかも、学校があるのはあと一週間だけで、そしたら夏休みに入ってしまう。話…