高田朔実

小説を書いたり、森林に関わる仕事をしたりしています。 南米や北海道が好きで、よく行って…

高田朔実

小説を書いたり、森林に関わる仕事をしたりしています。 南米や北海道が好きで、よく行っていました。 第26回三田文学新人賞で佳作に選んでいただいたとことがあります。 よろしくお願いいたします。 Kindleで小説『タキーレにて』を販売中です。 ぜひご覧ください。

マガジン

  • 1000個捨てる

    2024年のうちに、部屋をすっきりさせたいということで、毎週のように部屋を掃除した振り返りをしていきたいと思います。

  • 誰も知らない国から

    転校生の天野君は、なんだか不思議な人だった。 有泉は、一緒に掃除当番をしながら、彼に興味を持っていく。 「僕はね、誰も知らない国から来たんだ」 「……はあ」 「そこは、名前のない地図にも載っていない、誰も知らないような、いくつも山を越えてたどり着くような、そんなところにあったんだ」

  • 山のこと、森のことなど

    山登りをしつつ考えたことなどを、書いていきたいと思います。 山に関連するものとして、森林のことなども…!

  • 今日の園芸

  • うるわしのお菓子たち

    お菓子に関する投稿がだいぶ増えてきたので、マガジンにしてみました。 かながわペイを活用したスイーツ巡りも開催する予定…!?

最近の記事

誰も知らない国から 7

山の上の住処①  誰かの声がすると思ったときには、もう目が覚めていたのだろうか。  家族の中ではいつも私が一番早く起きるので、起きたときに人の声が聞こえていて変な感じがする。ここは夢の中なのか、もしくは珍しく寝坊でもしたのか。  いつもとなにかが違う気がした。目を閉じたままでいると、体が震えていることに気づく。どうもここは涼しすぎる、むしろ寒いと言ってもいい。とても七月の気候とは思えない。  布団のカバーもいつもと違っている。私の布団カバーは、もっと生地が薄い。だけど今、私

    • 誰も知らない国から 6

      いつもの街⑥  その時、ガラッとドアが開いた。 「まだ帰っていなかったの?」  先生の声に、ムッとした。 「いつもきれいに掃除してくれてありがたいけど、そろそろ勉強も、ね」  いいところだったのに、またもや中断されてしまった。 「全然終わんないじゃない……」 「すぐ終わると思ったんだけど、けっこう長いね」 「あのさ、夏休みに入ったら、隣町の喫茶店へ行かない?」 「なんで、隣町まで行くの?」 「ここだと、いろんな人に見つかってうるさいし、話を聞かれたら、私たちがおかしいってう

      • 誰も知らない国から 5

        いつもの街⑤ 「天野君がここに来たのは、なんのためなの?」 「なんだろうねえ、特に来ようと思って来たわけでもないんだけど、 なぜか来ちゃったんだよね。あえていうなら、探しているものがあるかもと思ったのかな」 「探してるものって、なに?」 「はっきりわかんないんだよね。見たらそれだってわかるかもしれないけど」 「だったら、図書室で油売ってるよりも、それを探したほうがいいんじゃないの?」 「そうだねえ、でも、なにを探してるかもわかんないからな、やみくもに探してもどうかなとも思っ

        • 誰も知らない国から 4

          いつもの街④  しかも、学校があるのはあと一週間だけで、そしたら夏休みに入ってしまう。話が途切れたら、新学期が始まるまで、ずっと待っていないといけないのか。 「夏休みの間は、お話もお休みなの?」 「まあ、そうじゃない。勝手に入って掃除するわけに もいかないだろうしね」  べつに、掃除の時間にこだわらなくてもいい気もするけれど。 「それまでに終わるの?」 「まかしといて」  それにしても、天野君は放課後せっせと何をしているのか。  ある日、こっそり尾行してみた。  掃除が終わ

        誰も知らない国から 7

        マガジン

        • 1000個捨てる
          18本
        • 誰も知らない国から
          7本
        • 山のこと、森のことなど
          20本
        • 今日の園芸
          47本
        • うるわしのお菓子たち
          14本
        • 短編小説など
          14本

        記事

          誰も知らない国から 3

          いつもの街③  僕の住んでいたところは山のてっぺんだったから、そこから出るためには険しい斜面を下りないといけなくて。だから僕は、外に出ようと思ったことはなかった。外にはなにがあるかわからなかったし、下手したら獰猛な動物に食べられてしまうかもしれないし、斜面を下りたあとも、何日も歩き続けないといけないって、ずっとそう言われてきたんだ。一人で運びきれないほどの水や食料が必要だけど、そもそも、そういうものを運ぶための水筒とか、カバンとかもなかったし。まあ、特に出ようと思わなかった

          誰も知らない国から 3

          誰も知らない国から 2

          いつもの街②  私たちは、クラスではあまり話さないようにしたので、放課後の掃除の時間の二十分間だけが、二人でいろいろ話せる時間になった。 「この部屋、なんだか本がたくさんあるね」 「図書室だからね。前いた学校には、あんまりなかったの?」  天野君は黙ったまま微笑んだ。前の学校のことは、あまり訊かれたくないのかもしれない。気分を害されても困るので、追求したいのをぐっとこらえた。 「でも、ここって中学生のための施設なんでしょう? 僕たちと同じか、それよりも年下の子たちが対象なん

          誰も知らない国から 2

          誰も知らない国から 1

          いつもの街①  期末テストが終わった。それなりにできた気はしながらも、なんだかなあという気持ちが消えないまま、筆記用具を鞄に詰めこむ。  テストは、何度やっても嫌なものだ。  試されているようで嫌なのは、そういうものだから仕方がない。だけど、テストのために勉強して、先生が気に入るような答えを書く、そういうテストのための勉強って、将来なんの役に立つんだろうとつい思ってしまう。もっとほかにしないといけないことがある気がしながらも、とりあえずある程度周りに流されてしまうのだけど。

          誰も知らない国から 1

          1000個捨てる⑲

          今週捨てた大きなものは、特になかったと思います。 まだまだ物は減らせると思うのですが、これから生活しつつ減らしていく程度だと思うので、ここらへんでいったん中断したいと思います。 長いことお付き合いいただいてどうもありがとうございました。 しばらくは、創作大賞用の小説を投稿していきたいと思います。 片づけを頑張ったせいなのか、蘭の配置替えがしやすくなりました。 もしくは、蘭をきれいに飾りたいから片づけに精が出たというべきか。 もはや、机で作業をすることはあきらめています。か

          1000個捨てる⑲

          染め物に挑戦、2回戦

          昨日うまくいったので、味をしめて、さっそく二回目に挑戦です。 真っ白なカーディガン(音楽の演奏時に購入、汚れるのが気になり普段使いなし…)、薄いピンクだったのが色あせてきたカットソー、そして生地はまだまだ丈夫だけど色あせて着なくなりつつあるスカートです。 三枚あるしな、ということで、ネットで、ビニール袋に入れて染めているのを見て真似してみたのですが、袋が大きすぎたからか、そもそも無理があったからか、なんだかやりにくい……、そうして染料か十分に溶けていなかったからか、カットソ

          染め物に挑戦、2回戦

          1000個捨てる⑱

          連休中ですが、今週はあまり大きな動きはありませんでした。 着なくなった服や靴は、リサイクルの日がまた雨で、出せませんでした。ぼろぼろになったカーテンだけは、回収してもらってもリサイクルは無理だろうなと思って出しましたが。 無印のボルドーのハイネックセーターは、無印にお返ししました。 セール品だったのでなんとなく買ってしまったのですが、洗濯機で洗えるものでしたが、洗ったら気持ち縮んだ気がして、それにセーターハイネックは、かっこいいけれども私の体質では体温調整が難しいようで着る機

          1000個捨てる⑱

          コールドダイホット、染め物に挑戦

          初挑戦は数年前でした。 平日の夜、入浴後に挑戦したような覚えがあります。 余裕がなかったのと初めてだったので、てきとうにやったせいかムラができてしまい、それでもまあいいかと着ていました。 けっこう古かったので、やはり生地が伸びてきて、ワンシーズンしか着られませんでしたが、けっこう楽しかった覚えがありました。 それから数年後。 片付けをしていたときに、染料の残りと色止め液の残りが出てきて、ずっと気にはなっていたのです。でもなにを染めればいいんだ…? と思っていたところ、十年以

          コールドダイホット、染め物に挑戦

          メルカリで蘭を買う

           1年ほど前、売れ残っていていつも花屋の店先に置かれていた胡蝶蘭を思い切って家に連れて帰ってからが、蘭との出会いの始まりでした。  胡蝶蘭を一鉢手に入れてしまうと、とても可愛くて、いろいろな蘭が欲しくなってしまい、次々と蘭を入手したい…、と思ったものの、最初はどこで蘭が買えるものなのか、全然わかりませんでした。  当然花屋さんには行ってみましたが、蘭自体あまり売っていないし、売っているとしても贈答用の大きな鉢に入った立派なものばかりで、もっと普通の蘭が欲しいけれどどうしたらい

          メルカリで蘭を買う

          1000個捨てる⑰

          今週手放したもの、まずは派手なマスクです。箱の中身が見えないマスクを買ったときに、外箱の色見本よりもかなり濃いピンクや、濃いラベンダー色のマスクが入っていて、頑張ってはみたものの、やはり屋外でマスクとしては使うのは微妙なので、拭き掃除に使うために解体しまた。不織布なので、汚れがよく落ちて便利です。 使い切った歯磨き粉やハンドクリームも捨てました。 また、ベランダをざっと片付けました。増えすぎて、植木鉢から出て鉢のないところで増殖を始めていた多肉たちを省きました。メルカリで売

          1000個捨てる⑰

          大山とさくら

          2年前の今ごろ、なにげなく大山へ行ってきたらさくら(マメザクラ)がきれいで、ほかの時期はそこに桜があると意識していなかったので、余計に驚いた覚えがありました。 今年もさくらの時期を狙って行ってみました。 平日に行ったのですが、数年前と比べて人が全然いませんでした。季節のせいなのか、コロナが収束しつつあるからなのか。 ヤビツ峠〜山頂、そこから見晴台を経由して阿夫利神社下社まで行きましたが、秦野側のほうが開花が早かったです。 さくらの時期で一番好きなのは、やはり山頂から見晴台

          大山とさくら

          1000個捨てる⑯

           学生時代に、部屋がやたらと片付いているサークルの先輩(男性)がいました。サークルでは、現役生は定期的に先輩の家を回るという行事があり、いろいろな先輩の部屋を見る機会があった中で、その方の部屋がダントツで片付いていました。ある日、ほかの先輩に「○○先輩の部屋ってきれいですよね」と言ったら、「ひまなんだろう」と言われたことがありました。その部屋がきれいな先輩は二年留年していたので、友達も年々減っていくし学校にも行かずたまにアルバイトをするくらいしかすることがなくて、たしかに時間

          1000個捨てる⑯

          1000個捨てる⑮

          「もう捨てられない!」からが本番です ミニマリストの筆子さんの著書、『1週間で8割捨てる技術』にあった言葉です。なかなか痛いところを突かれます……。 今週捨てたものです。 カードケース2個、手鏡、ユニクロの服たち(穴の開いたレギンス、白いカットソー――汚れが目立つ首回りを別途手洗いするのが面倒で、着る回数が少なく、結果十年以上保持していて生地がほつれていった、十年以上持っているハーフパンツ。無印の綿カーディガン(私には丈が短すぎた)ともさよならしました。 ほかには靴下一足

          1000個捨てる⑮