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【読書】戦略人事のビジョン |制度で縛るな、ストーリーを語れ_八木 洋介・金井 壽宏

どうも、斉藤 史朗です!

普段はマーケティング業務に従事しており、法人向けサービスにて人材派遣・人材紹介・健康経営・業務改善/アウトソーシング・キャリア自律などに関するコンテンツを制作しています。

人事関連のセミナー・コンテンツを見て学んでいる中で、八木様の発信をみることが増え、今回は八木様の書籍に手を取りました。


所感

読了し感じたことは、執筆当初の2012年にこれだけ熱量を持って人事に取り組む方がいらっしゃるんだと、感銘を受けましたし、驚きでもありました。

2012年時点では、私の知る限り攻めの人事戦略を取っている会社は殆どなく、事業は攻めるが、人事や管理部門はあくまで管理というイメージが強かったので、今でこそ当たり前の発想だと感じる視点が多々ありましたが、当時の状況を考えるとかなり斬新な本でしょう。

2012年当時を調べてみると、ヤフーさんが爆速経営を掲げて、連動して人事もかなり変革されていたようです。(人事手法としては最先端ですね)

八木さんが体現されている戦略人事の思想=あえて、HRBPと呼ばせてください(事業と経営の連動)は、欧米で2000年~2010年頃から取り組み始められ、日本では2015年前後から注目・導入され始めたようなので、如何に八木さんの著書が革新的であったのかというのはいうまでもなく。

八木さんが最後のあとがきで、「GE→LIXILグループへの転職する」ことを書いている姿には文字を通じて熱量を感じますし、日本に貢献したいという想いを持って、転職すること宣言している様子などは、まさに侍ジャパンのようです。

人事として活躍するプロ意識だと感じ、日本にも関心を持って様々な取り組みやメッセージをされている姿に感銘を受けました。

全員が全員八木さんのように、おかしいと感じたことに、声を上げて行動し続けることは難しいかもしれませんが、こういう気概(リーダーシップ)の大切さを、大手企業の人事の方々にも届いたら嬉しいです。

人事を私自身は経験したことがないのですが、外野から見ている限り、仕組や制度を企画し、運用するのは勿論大切ですが、それ以上に自身のマインドを高めて、それを現場に向き合い、1つ1つ解消する姿勢が大切だなと私自身が感じていたので、そのタイミングでこの八木さんの本に出会えて勇気をもらいました。

読む上での注意点

抽象度の高いかつ、八木さん流の戦略人事について書かれていますので、具体的なノウハウや設計などについて学べる本ではありませんので、予めご了承ください。
人事としての姿勢やマインド、困難にどう立ち向かうのか?という視点で書かれている本になります。

こんな方にオススメ

▶︎人事の役割がこのままでいいとは思っていない人事部門の方々
▶人事の仕事を通じて日本を元気にしたいと本気で願っている方
▶キャリアの若い時期に、人事部門に配属された方
▶自社の人事担当者への不満・改善点を抱えている現場社員の方
▶組織におけるリーダーシップについて学びたい方

これらの想いに共感できる方にお勧めです。

大きな組織の中でリーダーシップを持ち、大きく描いて愚直に成果に繋げたい方にとって有益な本になるでしょう。

そのため、人事担当者のみならず、リーダーシップを持って組織や事業を牽引されたい方にもおすすめです。

著書の経歴

▶︎八木 洋介氏
1955年生まれ。1980年に京都大学 経済学部 卒業、1992年にマサチューセッツ工科大学スローン経営大学院MS取得。1980年に日本鋼管株式会社(現JFEスチール株式会社)入社。1996年から1998年までNational Steel Corporationに出向(CEO補佐)。1999年に GE横河メディカルシステム株式会社入社。2000年から2004年までGE Medical Systems Asia、2005年から2008年までGE Money Asia、2009年から2012年までGE Japanにて責任者として人事などを担当。2002年より日本ゼネラル・エレクトリック株式会社取締役。2012年 株式会社住生活グループ (現 株式会社LIXILグループ )執行役副社長 人事・総務担当。Grohe, American Standard, Permasteelisaの取締役を歴任。2017年株式会社people firstを設立して、代表取締役(現任)。2017年株式会社ICMG取締役 及び 株式会社 IWNC 代表取締役会長(現任)。2020年TBS社外取締役(現任)
現在、複数の上場企業などのアドバイザーを務めている。著書に「戦略人事のビジョン」

あらすじ

「人事」という言葉を聞いて何を想像するだろうか。 「人事に目をつけられたら出世できない」「一度にらまれたら何をされるかわからない」といった、 ネガティブなイメージを抱く人も多いのではないだろうか。 それは、多くの日本企業が「過去」を見る「継続性のマネジメント」に縛られ、人事がその先頭に立っているからだ。 いま求められるのは、「現在」を見る「戦略性のマネジメント」である。 NKKやGEで、長年、人事部門を歩んできた「人事のプロ」と組織行動研究の第一人者が、 人事本来の役割、人のやる気の引き出し方、組織開発の手法、リーダーの育成法などを経営の観点から綴った一冊。

注目した文章を抜粋

・施策をすることがゴールではなく、組織を強くする、勝てるチームを作る、そのために人材力が重要で、人の力を最大限発揮させたい!そのために、人事としてどうありたいのか?どう動くべきなのか?

・戦略人事は、リーダーやマネージャーの育成が大切。制度をなくしたり、少なくすることで、リーダーやマネージャーの裁量や判断が重要となる。
制度を増やすことで、現場の負担を減らすことはできるが、人事に権限だけ設けるだけで、組織は健全ではなくなる。

・制度に拘らず社風や風土で形にしていくことが重要である、もちろん、制度の企画や運用でラインマネージャーの力量不足を埋めている側面はある。

・人事としてストーリー化した戦略をえがき、社員に伝えていく。管理や継続していくだけの人事にはなるな。

・人事の役割とは=社員のやるきを引き出す存在。そのために日頃声掛け、イベント開催など、制度だけではなく、如何に社員と向き合うか。それをするのは、現場や現場マネージャーだけではなく、人事だから出来る。

・創業して間もない会社に人事はいらない。正確に言えば人事は大切だが、人事部門はいらない。人事の仕事が人事部に渡る前、経営者と事業責任者などのラインマネージャーの仕事だった。伝統的な人事の継続性のマネジメントへの批判を八木氏はされています。

・よい会社を目指すのではなく、強くて良い会社を目指そうという考えは日本企業には少ない発想。正しい行いをしている会社が全てよいのではなく、成果をだし自分達に厳しくも成果がでている事が健全ではある。

その勝ちを実現する人事の役割とは。
よい会社だけをつくりがちな日本。強くて厳しいという要素も重要である。

読了後の感想補足


人事の場合は、労働法や人事制度などダイレクトに社員に影響するものが多いため、ストーリーなくして社員が納得してくれるわけがありません。その制度や補助は本当に必要なのか、何のために用意しているのか、を問い直して設計する重要性を感じます。

リーダーシップに関して、リーダーシップは上から下への影響力のことだと考えられがちだが、ミドルの場合は上に対しても言いたいことを言い、上向きに影響力を行使することが求められる、という事例がありましたが、ここは私自身も課題であり、リーダーシップの再定義になりました。

以上になります。

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