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「母の日」に、ジョージ・エリオット『サイラス・マーナー』(改訂)

 

Life began with waking up and loving my mother’s face.

 
ディケンズと並び称される、19世紀イギリス文学を代表する女流作家です。

彼女の代表作のひとつ「サイラス・マーナー」は、「大人のためのおとぎ話」として海外では広く読まれている作品です。

「他人への愛」や「因果応報」をテーマとしたシンプルな内容ですが、端役にいたるまでの緻密な人物描写・心理描写が感情移入を促します。

読後感がこの上なく素晴らしい物語です。

ヴィクトリア王朝が栄えた1800年代、イギリスの片田舎が舞台となっています。

主人公はサイラスというはた織職人です。

彼はかつて、信心深く心優しい青年でした。親友も婚約者もおり、生まれ故郷で幸福に暮らしていました。

ところが彼の人生は突然暗転します。

親友だったはずの男が金に目がくらみ、強盗殺人罪の濡れ衣をサイラスに着せようとします。おまけにこの男とサイラスの婚約者が結婚してしまうのです。

サイラスは故郷を去り、とある農村に流れ着きます。

彼はもう、かつての好青年ではなくなっています。
彼は閉じこもってひたすら機を織ります。
そうして得た金貨を磨き眺めることが唯一の楽しみとなっています。

しかしその金貨も全て盗まれてしまい、さらに絶望のどん底へ突き落とされます。

ある雪の夜、一人の孤児の幼女がサイラスの家にまぎれ込んできます。

そこから再び彼の運命は予期せぬ方向に転じて行きます。 


女性が愚かであるということを
私は否定しませんが
全能の神は
男性につりあうように
女性を作られたのです

I'm not denyin'
that women are foolish.
God Almighty made 'em
to match  men.


ジョージ・エリオット(1818 - 1880 イギリス・作家)
ヴィクトリア朝を代表する女流作家。心理的洞察と写実性に優れた作品を残した。代表作は「アダム・ビード」(1859)「サイラス・マーナー」
( 1861) 「ミドルマーチ」(1871-1872)など。



2024.5.12
Planet Earth

To Mom♡
How I miss you so tough.


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