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詩ことばの森(144)「終わりの日に」

終わりの日に

終わりの日に
森影は枝葉をのばして
何もつかめずにいる
虚空以外には

公園には子どもたちの歓声が
夕暮の町に残響となって
セピア色の映像を捉えたまま
僕の心は悲しみに沈んでいく

生きることは幻にすぎず
散りばめられた花群の道に
淡く夢見がちなひとの香りさえも
夜の露へと消えていく

(森雪拾)





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