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詩ことばの森(143)「不在の過日」

不在の過日

町は沈んだまま
街路樹の通りを
僕はどうしようもない
影とともにある

点滅する光が
いたたまれない
君の不在の過日が
青い記憶の断面に
映っては消える

季節は変わり
人びとは去っていく
夕暮に染まった
形骸の世界で
幻の影を引きずりながら

白色の天使たちの歌声が
恋人たちの墓標に
雨となってふりそそぐ

(森雪拾)

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