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詩ことばの森(130)「思念のブルー」

思念のブルー

拳をひらく
蘇る記憶
あるいは春のブルー
川沿いの道を
穏やかな時間の流れ
背の高い葦たちが
せめぎ合う川の岸辺

一人の橋を渡っていく
見ているとしたらそれは
わたしの思念にすぎない
詩人はどこにいるというのか
秘められた情熱は
彼らの言葉から宿されたもの
死してなお生きつづける

崖に大河の名残をあらわすように
彼らのひとりが刻んで去った詩
自由に羽ばたく鳥のたちが
岸辺の土となって消えていく夕べ
白い水面に宿る影たちは
憂鬱を分かち合いながら踊る魂
書いてなお生きつづける

(森雪拾)



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