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詩ことばの森(122)「記憶の水辺」


記憶の水辺

風の光が吹いていた池で
羽をなくした時間が止まっている

真昼というのに
水辺は夕暮れみたいに暗い

瞳は凍てつき   見知らぬ世界を
僕らは見つめていたのだろうか

今は   何かを呼び続けたり
誰を待っているわけでもない

畔に並んだ樹木の名前すら
記憶の果に   薄らいでいるのだから

(森雪拾)


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