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2024年5月3日 今日のよき日に


今日はスマホを見る時間を減らし、
少しだけ遠出して、
空や原っぱや水面を眺めてきました。
「行って何をするのだ…」「ゴールデンウィークの人出に飛び込みたくはない」と出かける直前まで、ぐずぐずしていたのですが、出かけてみると、予想は見事に外れました。
空や原っぱや水面は、広くて、大きく、どこまでも美しかったのです。
とても気持ちの良い1日でした。
天気と気温が素晴らしかったということもあるのでしょう。
心配していた人出は、
自然が多く、広い場所なら、人出が多くてもあまり気にはならないということがわかりました。
狭いところに、人間がひしめき合っているから、うんざりするのであって、
広大な場所に、人が散らばっているのは問題がないのです。
座ってぼんやり、空や原っぱ、水面を眺めているだけで、十分に楽しいものでした。
明るくやわらかい日差し、
ひんやりした風は吹くものの、ちょうどいい気温、
常緑樹の濃い緑色の合間には、目にも眩しい淡い緑色が萌えています。
水面には水鳥が浮かび、波がキラキラと光っています。
水鳥が水面下に沈んでどれくらいで、浮上してくるかを見ているだけでも、楽しいのです。
行き交う人々のほとんども休日のようで、皆、どことなくのんびりした雰囲気をまとっています。皆、よく笑っているのです。
家族連れで、友達同士で、カップルで、犬を連れて、仲間同士で、ひとりでも、
それぞれ、どことなく余裕があります。
せかせかしたり、イライラしたりする様子がありません。
大人も子どもも、高齢者も、車椅子の人もいます。
連れてこられている犬も、皆しっかり可愛がられている様子で、楽しげに歩いています。
時折聞こえる、子どもの泣き声も犬の吠え声も、緊迫した空気を作ることなく、ただただ空に吸い込まれていきます。
「泣くこともあるよね」とか「吠えたい時もあるよね」と皆思っているようで、目くじらを立てる人がいないのです。
本当は皆、毎日、こういう風に、居たいのではないだろうかと思う、のびのびした様子です。
ベンチや草原に眠る人あり、
お弁当を広げるグループあり、
釣竿を背負う人あり、
バドミントンをする人あり、
何をするわけでもなく、座っている人も沢山います。
皆、好きなことをしていいのです。
とても自由な雰囲気です。

ベーシックインカムが実現したら、
もしくは、すべての労働をAIがするようになったら、
街中、毎日、こういう風景になるのでしょうか。
それとも、それはただの理想でしょうか。
いつか、誰にでも、そういう世界が来ればいいのに、と思いました。

そうはいっても、今のところはおそらく、
今日のような、自由でのんびりした1日があるのことは
かなり幸福な境遇なのです。
こういう1日を過ごせない地域や国や人々もあるでしょう。

明るい春の日差しのもと、風に吹かれながら座っていると
毎日、かじりついて見ているSNSの情報がひどく薄っぺらで、
解像度が低い、真実味がないもののように思えます。
知らない誰かと誰かがSNS上でする喧嘩に何の意味があるのか、
SNS上で、声高に叫ばれる不安や苛立ちをどこまで信じるべきなのか、
把握するべき情報というのはどれくらいのものだろうとも思いました。
知りたがりなので、SNSで気になるキーワードがあると検索して意味を調べたり、
どういう経緯なのかを確認したりという癖がついてしまっています。
本当は、そんなことをする必要はないのかも…と思ってしまいました。
「知らないことがある」というところで、留めておき、
現実を味わう方がもっと方があるのかも…と思ったのです。

スマホで何枚か写真を撮ったのですが、
今日のあの素晴らしく美しい雰囲気までは
撮りきれていないのです。
目で見て、肌で感じて、吸った空気、あの美しい雰囲気は、もはや記憶の中にしかありません。
生きているこの身体にしか感じられない美しさというものが、この世界にはあるようです。
五感全てが実体のある世界に浸ったことをひどく喜んでいる感じがします。
脳の無駄な働きが止まり、深い満足があります。
今日はよく眠れそうです。

SNSの情報は、有意義であることも多いのですが、そうは言っても、
ちょっとSNSを眺めすぎていたかもしれません。
SNS上の情報は、脳の暴走、空回りを促進するところがあります。
特に最近は、経済的にも世界情勢的にも不安な情報が多く、
SNSを眺めていると、悲観的な気持ちになりがちです。
自然の中でぼんやりしていると、生きている幸せのようなもの、生きる喜びが自然と湧いてきます。

今、世界で起きている事実を知ることは大切ですが、一方で、
自分が生きている世界、半径5メートル位をしっかり五感で味わうことも
生きていく上では、必要不可欠なのかも…と思うのです。
世界は悪くなるかもしれません。
でもだからこそ、
その中で生き抜いていくためにも、
たまにはSNSからの情報取得を減らす日を作った方が良いのかもしれません。
今日のよき日に、X(Twitter)のチェックしすぎを見直したいと思いました。




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