見出し画像

2024年5月15日 「秘密の古代ギリシャ、あるいは古代魔術史」 感想


古代ギリシャ研究家で古代ギリシャのお祭りを再現する「古代ギリシャナイト」を主催する藤村シシン先生の新作です。


藤村シシン先生との出会い


藤村シシン先生を知ったのは、その面白く古代ギリシャ熱に満ちたツイート(当時はTwitterだったので)からです。
そこから、ご本人が書かれているブログを読み、黒川巧魔術師との交流を読んで、胸を熱くしていました。
(お二人の関係性が大好きです。末長く、仲良く戦っていただきたいです。)

ビビりなので、リアルイベントには参加できておらず、もっぱらSNSの投稿、そしてゲームさんぽ視聴者、著作を嗜むタイプの藤村シシン先生ファンです。
藤村シシン先生は、語りが熱くて面白い!、
聞いていると元気がでるという、新しいタイプの研究家だと思います。
興味を持たれた方には、ぜひ、ゲームさんぽの動画を見ていただきたいところです。
元気が出ます。そして、学びたくなります。

待望の第2弾!


著書第一弾「古代ギリシャのリアル」も購入しております。
今回は、講座を元にした古代魔術、魔術史の本ということで、さらにワクワクして待っておりました。
だって、古代ギリシャのしかも古代魔術の本ですよ…。
ハリーポッターの世界ならいざ知らず、現代日本でそんな本が出版され、購入できるのです。
これは買うしかないでしょう。
発売前から、通販で予約しておきました。
もちろん…値段は気にせずに!です。

この値段で本当にいいのか?


届いてワクワクしながら、見てみると、青を背景として金色で描かれた素敵なカバー絵!
(著者の藤村シシン先生はイラストも手がける芸術家でもあるのでセンスがいい)
それに加えて、写真とカラー図版、カラーイラストの数々、たくさんの年表に、魔術師バリーナースの履歴書、古代ギリシャの占星術チャート、巻末には古代ギリシャの書物占い(ビブリオマンシー)の表がついています。
この資料だけでも、占いがお好きな方も満足できるのではないでしょうか。
参考文献のリストもしっかり掲載されています。
盛りだくさんです。
お値段、なんと定価1,870円(10%税込)。
そんなことがあって良いのか…というお値段です。
最近だと、スターバックスで飲み物とおやつを購入したら、余裕でこの価格を超えてしまうことでしょう。
この値段で本当にいいのか?と不安になります。
少しでも興味がある人は一回スタバに行くのを我慢して、ぜひ購入してください。
これだけの資料に母語である日本語の読みやすい説明がついて、この値段は、本当にお値打ちだと思います…。

相変わらずきちんとすべきところはきっちりと!


藤村シシン先生は、古代ギリシャをわかりやすく面白く語る方なのですが、しっかり、出典や根拠を示す研究家でもあります。
できるだけ平易、日常的な言葉で説明し、イメージしにくいところは、現代日本人にわかりやすいような例も出してくれますが、それだけではありません。
その一方で、それらの事実がどういった資料や研究からわかったものかについてもきちんと出典があります。
現代人のイメージや妄想の産物ではなく、歴史に残された記録や事実、古代ギリシャの情報を知ることができます。
つまりこの本は、エンターテイメント性のある専門書なのです!

沢山のレシピ


この本には沢山のレシピが載っています。
もちろん料理ではなく、魔術、もしくは、呪い、もしくは錬金術のレシピです。
やってみたいひとは取り組むことも可能かもしれません。
(現代と古代のタブーは異なるので、実際に実施するのはなかなかハードルが高そうではありますが…)
それらを眺めるだけでも、十分に、楽しめます。
宝石魔法は、カラーページです。
漫画家さんやイラストレーター、同人作家さん、ゲーム製作者さんには非常に参考になると思われます。
どうせ描く(書く)なら、古代ギリシャ仕込みの魔術を取り入れるのはいかがでしょう。

本書にかけられている魔術を体験しよう


これについて詳細を書いてしまうと、この本の素晴らしさは半減してしまうので、
ぜひお読みくださいとしかいえません。
気になる…と思った方はお求めになられて、自分のペースで良いので「最後まで」読むことです。
本書の魔術を実感することができます。
退屈で平凡な毎日が色づき、生き生きとし出すと思います。
この本を手に取り、母国語で読めること、それ自体がもしかすると…。

錬金術師についても目から鱗の情報がありました。
思い込みって、恐ろしいですね…。
「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションである」という、アインシュタインのものとされる名言を思い出しました。

そういう意味で、藤村シシン先生も、確かに魔術師です。(黒川さんだけでなく)
感想はいくらでも書けそうなのですが、興味を持った方にはぜひ直接読んでみて欲しいのです。
実際にこの魔術を体感するには、それが1番よいからです!


この記事が参加している募集

読書感想文

気に入ったら、サポートお願いします。いただいたサポートは、書籍費に使わせていただきます。