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WKW4K 劇場ごと作品ごとに堪能!上映環境紹介(9.1現在)

8/19(金)よりシネマート新宿ほか全国順次大ヒット公開中のWKW4K ウォン・カーウァイ4K 5作品。

ウォン・カーウァイ監督自身によって4Kレストアされた『恋する惑星 4K』『天使の涙 4K』『ブエノスアイレス 4K』『花様年華 4K』『2046 4K』として、美しく鮮やかに、よりエモーショナルによみがえっている。

ウォン・カーウァイ監督は、新たな上映素材について「『恋する惑星』と『花様年華』は私のお気に入りのアスペクト比1.66:1で撮影され劇場公開されましたが、ビデオ化の際に1.85:1に修正されました。そこで今回のレストアでは元のアスペクト比に戻しました。『天使の涙』は、元々意図していたスコープサイズに変更しています。当時はスタンダード画面で撮影したものをワイド画面に編集することは不可能でしたが、今回のレストアで実現することができました。また、『恋する惑星』は公開当時5.1chが存在しなかったため、今回5.1ch音声を再構成。『花様年華』もリミックスしています」と、画面サイズや音声の修復についてこだわりを明かしている。2019年におきた火災によって、残念ながらオリジナルネガの一部が焼失してしまった『ブエノスアイレス』についても、「一部のシーンを短くする必要がありましたが、ほとんどのシーンは以前よりも美しく復元することが出来ました」と自信をのぞかせている。

この最高の上映素材は、各劇場の上映環境によって、それぞれの個性を楽しむことができ、4K/2Kと一言だけでは括り切れない違いと拘りがある。
また、2K上映時も元素材は全国同一であり、4K素材をダウンコンバートしての上映となる。
時期によっては記載の上映環境で無いこと、または上映終了している劇場も出てくるが、可能な方にはぜひご堪能頂きたい。
(2022.9.1現在)

■シネマート新宿

2021年8月、333席を構えるスクリーン1の音響を刷新。 通常のシネマのスピーカー、サブウーハーに加えサブウーハーを4台増設し、プロセッサーも最新機種のDOLBY社製CP950を導入。増設したサブウーハーは、JBL-ASB6118を4台。こちらはVGC技術を採用した18インチ低域ドライバーを搭載し、迫力あるサウンドを出力することが可能。 シネマ専用ではないコンサートホールやスタジアムなどでも使用されるもので、迫力と臨場感を再現、映画を映画館で体感する機会を増強。 スクリーン裏ではなく、スクリーン前方、左右に2台ずつ壇上に配置し客席からでも一目で、その巨大なサブウーハーを確認することができる配置となっている。最前列との距離は、5mほどと正に見た目でもその大迫力のサウンドを体感するに相応しい形に。 通常はこの特徴を生かし、作品により「ブーストサウンド」と銘打って上映しいるが、今回はWKW4K上映のために「クラシカルブーストサウンド」を考案。

クラシカルブーストサウンド
通常のブーストサウンドに比べ、重低音を強調するというよりも、最新機種プロセッサー「DOLBY社製CP950」により最適化された高解像度の音像を活かし、クリアかつ壮大な音響環境を実現。 
作品のポテンシャルを最大限にまで表現し作品没入環境をより高めた上映となります。
雨音や、雑踏の人々の話声、環境音などがよりクリアかつ包括的な音となり、あたかもその場にいるような臨場感を味わえます。

■グランドシネマサンシャイン 池袋

2019年7月にオープンしたグランドシネマサンシャイン 池袋は、「2021年 オリコン顧客満足度Ⓡ調査 映画館ランキング」で全国第1位を獲得。
4K対応の12スクリーンを有し、シアター5と6はシネマサンシャインの独自規格であるBESTIA対応。
上映回によってはこのBESTIAシアターでの上映もあり、一層の大画面と臨場感溢れるサウンドでの鑑賞が可能に。

【BESTIA】
“BESTIA(ベスティア)”それは、次世代の映画館フォーマット。
最新鋭のレーザープロジェクションシステムと、3D音響が一体になることにより、観客がまるで映画の中に入ったような感覚を生み出します。
リアルで鮮明な映像を映しだすことが可能な4Kレーザープロジェクションシステムと、あらゆるサウンドをチャンネルの制限がない独立したオブジェクトとして存在させることができる3D音響システムの2つのシステムにより、観客がまるで映画の中に入ったような臨場感を生み出すことができるプレミアムシアターです。

※写真のシアター11はデジタル7.1ch

■立川シネマシティ

数々の超規格外な音響での上映で映画ファンにその名を轟かせ続けている立川シネマシティ。
2019年以降、4Kを意識した上映を多く実施。クオリティ高いホワイト・スクリーンに貼り替えられ、より上質でクリアな印象での鑑賞が可能に。2022年9月1日現在、主にc studioにて5作品を上映中。
c studioの音響設備はスピーカーがMeyer、プロジェクタは今年導入の4K RGBレーザーを使用、4K上映でその実力を存分に発揮中。
立川シネマシティ全体の中では11スクリーンのうち、7スクリーンが4K対応となる。

【上映スケジュール】
https://ccnews.cinemacity.co.jp/wkw4k_cc_schedule_4-8w/

さらに、9/16(金)からはWKW4Kに含まれてない『欲望の翼』などのウォン・カーウァイ作品も上映される。
https://ccnews.cinemacity.co.jp/wkw_plus/

109シネマズ木場

5作品すべて、4K映像を搭載可能なソニー製のデジタルシネマプロジェクターで上映。
ソニー製のデジタルシネマプロジェクターで上映しており、高輝度、高精細映像を実現している。

■シネマート心斎橋

大阪はシネマート心斎橋では既存も音響設備が充実。
近年では、boidsound上映にも力を入れ、WKW4Kでも適応。

boidsound
boid主宰・樋口氏が作品と劇場の個性を念頭に音響を調整。ライブ用アンプやスピーカーを用いる「爆音上映」とは異なり、劇場の既存システムのみで映画鑑賞体験を拡げる試み。

boidsoundの特徴は、音響に迫力がありながら、優しさがあるところです。作品の音量を全体的に大きめにして迫力を出しているが、音量を大きくすると耳障りなところが出てくる。その出てきたところをマイルドに調整することによって、体感のいい鑑賞体験を得ることができます。映画館の持つ音響のポテンシャルを最大に活かした上映と言ってももいいかもしれません。ウォン・カーウァイ特集では、映像に付随する最高のBGMたちが存在しますが、そのBGMの迫力かつ優しさを体験ください。
エンドロールの音楽まで調整が行き届いておりますので、最後までご鑑賞いただければと思います。

そのほか、WKW4Kは全国順次公開中につき、続々と上映劇場も追加中ゆえ、各劇場の素晴らしい上映環境すべてを紹介し切れないのが悔やまれるが、この機会に、皆さんそれぞれのウォン・カーウァイ劇場体験をして頂きたい。
前掲の予告編終盤でも氏はこう言っている。

❝ 愛がすべて 人生はタイミングの問題だ ❞
ーーウォン・カーウァイ

そう、すべてはタイミングである。
この5作品が4Kレストアされたのも、日本で劇場公開されるに至ったのも、これらの上映劇場・環境で鑑賞できる機会も、上映権も、すべてはタイミング次第なのである。かつて観た方も、そうでない方も、次はいつ、大画面と大音量でウォン・カーウァイを観られるだろうか。

『恋する惑星』のママス&パパス「California Dreamin'」とフェイ・ウォンのカヴァー「夢中人」。
『天使の涙』のタイトルバックで流れるロエル・A・ガルシアによる「First Killing」、銃撃戦の音、シャーリー・クアン「忘記他」とフライング・ピケッツ「Only You」。
『ブエノスアイレス』の飲み込まれそうなほどのイグアスの滝の濁流音、フランク・ザッパの「Chunga's Revenge」、ダニー・チョンによるカヴァー「Happy Together」。
『花様年華』の雨音や、梅林茂「Yumeji's Theme」、ナット・キング・コール「Quizas Quizas Qquizas」。
『2046』の未来を走る列車走行音、梅林茂による「Main Theme」、ザヴィア・クガート「Siboney」。
ウォン・カーウァイ監督作の記憶は常に音楽と共にあるが、今回さらにその解像度は上がり、細かな自然音も聞き分けられ、際立つようになっている。

2022年、スクリーンで出会った鮮やかな映像と音楽は、他の場所では得られない思い出になるであろう。

WKW4K ウォン・カーウァイ4K 5作品 公式HP
https://unpfilm.com/wkw4k/
公式Twitter
https://twitter.com/wkw4K





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