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未知との遭遇フェロモン説

私にはあまりありがたくない「特殊能力」がある。

知らない人に話しかけられる頻度がものすごく高い。
道を訊かれることもあれば、髪型や持ち物のことを尋ねる人がいたり、いきなり「うちにお嫁にきてくれない?」なんていってくる人もいる。

海外旅行先でもよく話しかけられる。一見して外国人観光客とわかる人間をつかまえて現地語で道訊いてくる人の動機が意味不明なんだが。
普通に「どこから来たの?」とかなんとか絡んでくる人もちょくちょくいる。

友人たちは私と出かけると知らない人に話しかけられるたびに驚くので、よくあることだと説明すると、なんかフェロモン的なモノを出してるんじゃないか?といわれる。この人なら無視しなさそう、とか話を聞いてくれそうとか、そういう、わかる人にはわかる未知の化学物質。
自分では何も出してるつもりは毛頭ないのだが。

この「話しかけられフェロモン説」と、痴漢に遭いやすい、セクハラされやすい、ろくに知らない人につきまとわれる、普通は他人にいわないような打ち明け話をされやすい、他所様の修羅場(望まない妊娠、不倫の精算、痴情のもつれなど)に巻き込まれやすい、というのは、多分どっかでつながってると思う。

何がいけないのだろう。

ずっと考えてるけど、何十年かかってもわからないのだから、この先いくら考えてもわからないかもしれない。

さほど親しくもない人から勝手に「いい人」「親切な人」認定されることも多い。
そんなつもりも全然ない。

ただ、人にこういう話をするとみんなすごく面白がる。
面白いですかね?自分では面白くはないんだけど、いくつか事例を挙げてみます。
面白かったらスキください(嘘です。しなくていいです)。

① 嫁にこないか

学生のころ、工事現場の警備のバイトで一日中道路に立ちっぱなしで働いてたとき、ある現場のそばに住んでた高齢のご婦人がしょっちゅう「暑いのに大変ね」「腰掛け持ってきましょうか」「飲み物あるわよ」とか話しかけてくる。

適当に流してたら、ある日、年齢を訊かれたので学生だと答えたところ、深刻そうに「あのね、うちの息子が適齢期を過ぎちゃったんだけど、家もあるし、クルマもあるし、お父さんは亡くなったし、私はじきに死んじゃうし、あなたとっても真面目でよさそうなお嬢さんだから、お嫁さんにきてくれないかなって」などと語り出した。

ご婦人の年代から察するに、ご子息の年齢は当時の私のダブルスコア以上は間違いない。
まあまあ焦りました。

② カミングアウト

昔からセクシュアルマイノリティが少なくない職場環境で働いていて、とくに偏見などはない。と思う。自分自身もマジョリティではないと思ってるし。

とはいえ、働き始めたばかりの職場の先輩にやおら同性の恋人を紹介されたり、他部署の同僚(♀)にいきなり「私、女の子が好きなんです」とか上司(♂)に突然「Does he(他部署のスタッフ) have a girlfriend? 」「(我)Why? 」「'Cause he's sooooo cute and hot…! Let me know more about him if you know somethings. Please.」とか真剣に相談されたりする。
いやびっくりするわ。相手がセクマイってことより、えっと…なんで私に?なんでいま?という驚き。いいんですけどね。迷惑ではないけどね。

実は数日前にも、仕事上の知人と食事してて「俺バイなんだけど、一時期は完全にゲイだった」と急に告られて一瞬目が点になったけど、流石に慣れてきたので「おお、そうなんダァ」などとしれっとスルーしました。

③ いっしょに暮らしたい

災害復興ボランティアで活動してたときに泊まってた宿の長期滞在客(20代男性)と、食事時に少し話した。
その後、自室で寝てたらドアをノックされ「何してるの?」「もっとお話ししたい」「いっしょに寝ませんか」とドア越しに訊いてくる。毎晩。

ガチでビビりながら「明日早いからもう寝るんで」と極力平静を装いつつ答えて滞在中は事なきを得たが、帰ってきてからは連日ショートメッセージがガンガン送られて来た。
内容は「会って話したい」とか「次はいつくるの」とか、似顔絵とか。もう延々1時間以上続く。

諸事情で邪険にはできないので適当にのらくら躱してたら数ヶ月でぱったり止んだのでホッとしてたんだけど、その約2年後、宿のスタッフに事情を説明された。

曰く、彼は閉鎖病棟に入院することになってスマホを没収されたのだが(それでSMSが途絶えた)、最近退院して真っ先にその子に「花さんと話したい。会いたい。いっしょに暮らしたい。連絡先を教えて」と訊いてきただけでなく、そこらじゅう手当たり次第に私とコンタクトできないか尋ねてまわっているという。

宿のスタッフは「みんなに『絶対に教えちゃダメ』って念を押しといたから大丈夫」といってくれた。
幸いなことに、その後とくに何も起こってはいない。

いかがでしょうか。

これまでにあった出来事の中でもなるべく害がないやつをピックアップしてみました。

ええーそんくらい誰でも経験あるよー?とか、いやもっとスゴイのが聞きたいー!とかご意見ありましたら教えてください。

対応するかどうかは未定です。




















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