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無名人インタビュー:離婚サービスのコーチングの人

私、知らなかったんですよ共同親権とか。日本が単独親権とか。びっくりしたんです。
だって、離婚すると、子どもの親が、二人から一人に減るんですよ。んん、意味不明です。
結婚に関わらず、母親は母親だし、父親は父親でしょう。それを否定するシステムすごいわ。
てまあ、まずは事実認識からはじめましょう。大事なのは変えることで、さげすむことではないから。
お楽しみいただけたら。

今回ご参加いただいたのは 山本麻記 さんです!
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1、逆ゼクシィ:離婚サービス

qbc:古賀さんからのご紹介なんですよね?
※古賀さんは、後日インタビュー出ます!

山本:はい。古賀さんからメールが来て無名人インタビューを知りました。ここに出てみるのはどう? って言われて。古賀さんとは、新しい形の子育てとして共同養育の推進や、離婚前後親共育サロンを一緒に運営しています。

qbc:なるほどね。

山本:とにかく知ってもらわなきゃね、なんてことを話してたときだったので。

qbc:実は私も共同養育とか単独親権という言葉をはじめて知ったので、へえーって思って。親権問題がいろいろ大変ってのは聞いてたけど、制度と実情がミスマッチって問題があるんだなって知って驚いてます。

山本:離婚当事者になって初めて知ることが多いので、親権問題は。それまでは、まさかこんな現実が待ってるなんて、普通に子育てしていたら知らなかったです。

qbc:わかりました! では、どんなインタビューにしましょうかね。

山本:共同養育を知ってもらいたいのがまず一番ですね。離婚後に、別れた相手と無理に信頼関係を築こうとかがんばらなくても、取り決めさえしえしまえば共同養育は可能だってことを伝えたいです。

qbc:それでは、今どんなことをやられているのでしょうか?

山本:今は、仕事はパーソナルコーチです。コーチングのセッションと、所属しているスクールの講座を届けることを主にやっております。そのコーチングのセッションのほうで、共同養育の支援というか、サポートをやらせていただいてて。
これから離婚を考えている、でも、そのあと子育てをどうしようかってときに、うまく共同養育が動いていくようにコーチングを用いながら。

qbc:共同養育についてくわしく聞きたいです。

山本:共同養育というのは、離婚しても子育てを両親で関わっていこうということです。
人によって住んでいる場所、仕事、子どもの年齢、会う頻度などその中身は変わってきますけども、離れて暮らしてる親も子育てに関わり続けることです。

qbc:その時って、お子さんはどこに住んでるんですか?

山本:元夫婦の住んでるところが近くであれば、子どもが自由に父母の家を行き来したりとか。海外では子どもの家に両親が行き来する形もあります。基本的には母親の家で暮らしていたとしても、仕事忙しい場合は、臨機応変に父親が子どもを見てたり。
ただ、日本はまだ離婚したら一人で育てるみたいなものが強いので、その環境を整えてる人のほうが少ないのが実態です。

qbc:なるほど。

山本:なので、そもそも子どもが行き来できるような距離に住んでないことが多いです。
あとは、仕事の都合で平日とか子育てに関われないってなると、どうしても頻度が月1回か2回会うのが精一杯っていう人も出てくるんですよ。
それでも、お互いが子どもを育ててる、何かあったら子どものことはちゃんとやりますよっていう意識と責任を持ってることが大前提になると思います。

qbc:コーチングは、どんな感じになるんですか?

山本:まずは初回の相談に来てもらって、共同養育の情報について知りたいとか、気持ちの整理をしてみたりとか。その方にとって必要なものを整理していきます。
継続的に関わっていくことになれば、その方が目指したい共同養育の形や自分自身のこれからの人生に向けて、今問題になっているものや、これからできることの整理などのお手伝いをしています。

qbc:なあるほどー。そっかそっか、そうですよね。そもそも離婚サービスってものがないんですものね。

山本:離婚サービス(笑)

qbc:結婚をする人には、ゼクシィあるじゃないですか。逆ゼクシィはないんでしょ?

山本:逆ゼクシィは、弁護士とか行政相談しかないですね。

qbc:法律サービスはあっても、離婚サービスはない。でも山本さんのやられていることは、それに近いことなんですかね。

山本:そうですね。やっぱり離婚のときに行政や法律相談に行ってしまうと、子どもはどうするんだ、お金はどうするんだって権利に対する手続きメインの話にしかならないので争いが出やすく、余計に嫌な感情が増幅してしまうというか。

qbc:あーまあ、そりゃそうですよね。

山本:なので、その法律相談の前の段階で、お互いできることとか、自分の気持ちと向き合って、できるだけ争わなくてもいいようにしたい。傷を最小限に。

qbc:それは、男女双方にする?

山本:もちろんご依頼があれば、双方してます。

qbc:まあそっか。相手がOKならばしますよね、そりゃ。

山本:そうなんですよ。二人で受けてもらえれば効果はよりあると思うんですけど。

qbc:どれぐらいやられてるんですか?

山本:2020年の夏からです。Twitterをそのころからはじめて、ネットで見たとか、友だち経由とかでご依頼をいただいています。

qbc:今、具体的にはどんな状態なんでしょうか? どんな方から相談を受けてるとか、こういう内容になっているみたいな。もちろん言える範囲で。

山本:離婚の時って、相手に対してすごく葛藤を持ってしまうんですよ。すべての目線が相手に向いてしまってる。
だから、それをコーチングで目線を変えていく。自分と子どもがどういう関係を作るかにシフトさせていきます。そうすることによって子どものことに集中できるようになった時、葛藤がだんだん薄れてきたり、子育てと親同士のことは別だと捉えられるようにもなる。
結果、思い悩むことよりも次のことを考える、子どもとどうするかを考えることが楽しくなる。
さらにそういう状態だと、むやみに相手を責めなくなるんですよね。
そういうのが、今見えてきたところですね。

qbc:おお。けっこうな発見ですね。

山本:私自身が子どもと離れて暮らしていた親でもあり、さらに今、共同養育をしているので、そういった当事者の気持ちへの寄り添いができるかなって、ちょっと自信があります。なので必然的に別居親さんのクライアントさんも多いです。

qbc:なるほどねー面白い。とりあえず話して、落ち着いて、コーチングで問題の切り分けをしていって、感情と事実を分けてとか。
すごい大切なお仕事ですね。

山本:ありがとうございます。

qbc:だってそれ、今までって家族とか友達がやってたじゃないですか。そんなのだいたい失敗しますよね。第三者じゃないんだからさ。直接知ってるほうに味方しちゃって、火に油を注ごうとするでしょ?

山本:そうですよね。(笑)

qbc:もっとお金をむしりなさいよって話になるわけでしょ?

山本:家族や友だちだと「そんなやつやっちまえ」ってなっちゃうんですよ。

qbc:相手を完膚なきまでに叩き潰す。それか、一切関わらないとかね。

山本:そうですよね。

2、自分は子どもの心の中にいるという自信

qbc:山本さん自身のことを聞きたいです。山本さん自身は、どんな共同養育をされているんでしょうか。

山本:私、最初、協議離婚したんですね。自分たちで離婚届を書いて、要は話し合いで離婚したんです。
私は共同養育が最初からしたかったので、父親を親権者にして、私が娘と暮らすっていう形で離婚届を出したんです。もちろん十分に話し合ってなのですが。
そしたら、あるとき、刑事さんが家に来たんですよ。

qbc:え?

山本:相手が親権を持ってるっていうことを逆手に取られたというか、「誘拐された」って父親が通報したらしく。

qbc:マジで?

山本:それと、その少し前から、復縁する・しないってすごい揉めてて。復縁しないんだったら、俺が親権者だから子どもとは会わせない、みたいな感じのことを言われていて。

qbc:女性からしたら、復縁とか生理的にむりでしょ。

山本:まあそうですね(笑)離婚したのに、なんで復縁なのって。
子どもに会わせないとか、なんで子どもを盾に出してくるんだろうって思って。それで、ある時娘が熱を出してあちらの家にいけない日があって。おそらくあちらは私が帰したくないからだ!と思ったらしく。それで通報って手段に出たって感じですね。

qbc:なるほど。その通報自体はどうやって解決したんですか?

山本:子供連れて、一緒に警察署に行って。そのときは確か、親権者変更する調停を申し立てたばっかりだったので、弁護士さんいたので、一応一緒に来てもらって。
警察署内で刑事さん弁護士さんが私たちがいる部屋と父親がいる部屋を行き来しながら話し合いをしたんですけど、「とりあえず今日返してくれないと被害届を出す」って言われたんですね。それを出されちゃうと、ますます子どもに会えなくなってしまうので、とりあえず現時点で親権者であるお父さんに子どもは返すべきっていうふうになって。泣く泣く娘と別れました

qbc:あー。

山本:そこから私は「別居母」っていう子どもに会えない母親になったんですね。
あと「別居親」って言い方も。「べっきょしん」って読むらしいです、専門家たちの界隈では。
話言葉では「べっきょおや」「べっきょはは」「べっきょちち」なんて言いますけども。

qbc:本当、新しいワードばっかり。「別居母」ね。

山本:その直後に調停をやって、親権者を変える親権者変更という調停と、子どもに会えるようになる面会交流調停というのをやりました。
でも、親権者変更はできませんでした。変更は、相手が病気だったり、子どもがすごく虐待されてるとか、相手が経済的に破綻しているとか、相当な変えなきゃいけない事情がない限り変えられないらしいんですよ。さらにうちは最初に親権者を父親と決めて協議離婚をしてしまった状態だったので、なおさら後からの変更は難しい。
なので親権者変更の申し立てを取り下げるので、面会交流は充実させてくださいってお願いして、月4回会えるように決めました。それでもやっぱり約束が守られず、会えないとかスルーされるって日も続いたんです。

qbc:なるほど。

山本:そして2年後ぐらいに、その2年間の間での面会交流の不履行について、損害賠償請求を起こしました。

qbc:おお、ついに。

山本:はい訴えました。父親からは面会交流を減らしたいっていう訴えもしてきたんですが、父親のは却下されて、結果私の訴えが通りました。

qbc:結果の内容は?

山本:これまでの月4回に、プラス、平日の夕方2時間ほど会える日が2、3日、学校行事への参加など、さらに会える日が増えました。でもそれを行って1ヶ月ほどしたある日、私の家に来てた娘が、もう帰らないって言ったんですよ。泣きながら、向こうにいるのは嫌だ、どうしてママの家にはたくさんいられないの? って。
そこからようやく父親も気づいてくれたというか、あちらの弁護士さんの説得もあったのですが、ようやく認めてくれて。娘がもともと1週間交代でパパの家とママの家を行き来したいって言ってたのもあったので、お互い弁護士さんでそういう協議と簡単な書面を作ってもらって、その生活を試験的にはじめたんです。

qbc:なるほど。

山本:それで3年生の終わりくらいから、ほぼ1週間交代でお互いの家を行ったり来たりする共同養育の状態になっています。
どっちの家も、じゃあ何日まで行ってくるとか、何日から帰るとか、わりと好きなように、自由に行き来はできてます。

qbc:記録は取ってます?

山本:最初は取っていましたが、今はほとんど取ってないです。特に問題もないのと、仮にもしまた父親が娘を制限しようとしても、もう今後は娘は自分で行動してくるだろうというのがあるので。

qbc:なるほど。で、今に至る。

山本:はい、そうです。

qbc:マジか。これ何年ぐらいやってました? 離婚から数えて。

山本:5年です。

qbc:毎年こんなことやって。

山本:そう。(笑)

qbc:いやまじかー。そんな大変なのか。

山本:休憩期間はありましたけど、今の形に落ち着くまでは5年かかりましたね。

qbc:なるほどね。お疲れさまです。

山本:ありがとうございます。

qbc:今はどういうお気持ちでいらっしゃるんですか?

山本:今の形は、とにかく最高だと思ってるんですね。子育てもできる、仕事もできる。ただ、遠回りし過ぎてしまったなと。
私の問題意識はそこですね。なので、離婚前からコーチとして関われたらいいだろうなと思ったんです。

qbc:お子さんはどうです? 楽しそう?

山本:楽しそうですね。とくに一週間交代になった直後は、すごい喜んでて。来るたびにうれしそうでした。最近、どっちの生活も落ち着いて。どっちも自分の家みたいな感じが、すごく定着してて。

qbc:なるほどね。

山本:うちに来ると、近所にクラスの友だちとか多いので、その子たちと遊ぶ予定を中心で予定を組んできたりとか。で、来週はパパん家だからこうでこうだって、自分の予定を考えていたりとか。上手に使い分けてるなって感じはしますね。

qbc:子供から見たら、楽しいのかな。環境がころころ変わるってのも楽しいし。

山本:子どもの性格にも依ると思うんですけども、うちは4歳のときから面会交流で、既に物心ついた時には、私の家には週末行くこと普段は父親の家に住むっていう生活だったので、家が2つあることにあまり抵抗がなさそうです。
でも、母親か父親かどっちか選ばなきゃいけないっていうようなことは負担なようです。
あとは、子どもならではの意見ですけど、クリスマスやお誕生日が2回できるとか。

qbc:まあね。親はそれぞれちやほやするわけじゃないですか。そうすると親同士がちょっと対抗意識を燃やして、ちやほやの量と質は上がってるんじゃないかなて気はしますね。

山本:子どもはその対抗具合を自分で感じてますね。テストで100点を取ったときに、パパがゲームを買ってくれたらしくて。それを、これ見よがし的に私に言ってきたときがあって。

qbc:言うよね(笑)。それはね。

山本:ママは100点取ったら何してくれるの? みたいな(笑)。

qbc:男性は、プレゼントしがちだよね。

山本:娘によると、特にちっちゃいときは、寂しさを紛らわすためなのか、わりとしょっちゅう物を買ってくれてたみたいです。

qbc:あー。父親との関係性って、どんな感じになってるんですかね。

山本:一時期は「ママに会いたい」を言えない、怖い、という気持ちや、言ってもわかってくれないという不信感はあったようですが、今の形になってからは自分の気持ちをわかってくれたという自信にもなってるみたいで、前より父親のことを信頼しているように思います。なので、良い意味で私は無関心でいられてます。
娘があちらに行ってるときは、もう完全にお任せ状態で。特に何か思うとかもなくて。学校にいついつ何々を持ってってくださいとか、ごくたまに業務連絡をするぐらいですね。
あと娘は、自分の携帯を持っているので、それでどちらの親にも連絡できます。

qbc:父親と母親は同じグループLINEにはいないのね?

山本:はい。

qbc:なるほどなるほど。今、うまくいってるのはなぜかって、明確な理由はありますか?

山本:一番は、娘がちゃんと私のことをお母さんだと思っててくれていることですね。それが自信になっています。

qbc:なるほど。

山本:以前は、いつ会えなくなるかわからない状態で面会交流をずっとやってきて、娘をバイバイって見送ったあとは、このまま引き離されちゃうかもしれないって不安でしかなかったんです。
そういうときって、相手を悪く思いがちなんです。あいつのせいだとか。そして自信がなくなり苛立ちを相手にぶつけてしまう。
でも、それから再開が1ヶ月以上空いたとしても、娘はすごい元気に「ママーっ!」って飛んできてくれるんですよ。

qbc:へぇー。

山本:そのときに、私は娘と接してる時間は少ないけど、娘の中にちゃんと私は存在としてあるんだなっていうのを確信できたんですよね。
そういうことが何回か積み重なってたときに、一緒に過ごしてる形じゃなくて、過ごしてる中身なんだって気づいたんですよね。心がつながるような何かができないかなって方向に切り替えることができていって。
実はそのきっかけが、コーチングだったんです。

3、コーチング

qbc:私、結婚が長期にわたって成立すること自体が奇跡的なんじゃないかと思っていて。20年30年って一人の人を愛し続けるってむりじゃんって思うんですよね。

山本:そうですね。どちらかというと私もそういうほうです。

qbc:この人のこういうところは好きだけど、こういうところは嫌い。でも今は他にもプラスの部分があるから我慢して一緒にいようとか。
あるいは自分の生活や感覚が変わって、今はこの人と長くいるべきじゃないなってことになる。それで、続かないって思って別れようってなる。
そういうときに、今の感覚よりも、もっときれいな別れ方って必要だと思うんです。

山本:結婚したら未来永劫、相手の幸せを保証する義務が発生する、みたいなすごく堅苦しいものを感じてるんです。けど、お互いに日々成長していく。相手のために我慢して保証するとか、そういうことじゃないって気がしていて。
離婚という選択はあっても良くて、その後も幸せになっていくためにも離婚の傷を最小限にしたいんです。大人も子どもも。そのためには、まず親側がやっぱり自分をしっかり持ってることが必要です。なので、離婚を考えた出したときとか、夫婦で亀裂が入りだしたときとかに、気軽にコーチングに頼ってもらえるような環境をつくることをしています。
それと同時に、離婚しても二人で子育てをしていくっていう共同養育をサポートしていけるようにしていきたいです。

qbc:素晴らしい。

山本:ありがとうございます。

qbc:それでは、ちょっと未来のことを。今後、どういうふうな生き方をしていきたいですか?

山本:そうですね。大人も子どもも孤独をなくす社会をつくるっていう、壮大な目標を掲げています。
全世代がコーチングを学べる環境を作る、というの目指しています。やっぱり、人間関係のもつれって、コミュニケーション力だと思ってて。
それは、人とばっかりじゃなく、自分との対話も含まれます。なので、どの世代もいつでもコーチングが学べる環境ができたらいいなって思ってます。

qbc:その孤独って、どういう感覚ですか?

山本:不安を作り出すのは自分なんですね。いじめをしてしまったり、犯罪を起こしてしまったり。そしてそれは他人へ連鎖してってしまって、みんな自分の心を無くしてしまっているのでは、と私は思っています。
なので、その孤独が少しでも温かくなれば、温めることができれば自分にも人にも優しい社会、尊重が生まれるのではないかと思ってます。

qbc:不安になるっていうのは、なんでなるんですか? 

山本:自分っていう土台がないんです。なくなってるというか。

qbc:土台?

山本:例えばいじめる側だとしたら、自分自身がないから、わからないから、誰かをいじめることでしか自分の存在価値を見いだせないんですよね。そういう自分のあり方を他者に求めてしまってるから、結局、ずーっと誰かありき、自分を満たせない孤独のまんまになってしまって。
また逆の、いじめを受けた側ってなると、そこから立ち直る力が必要になってきて。自殺してしまう子もいるじゃないですか。その子に対して、生きてなさいって、ハッパをかけるとか、そうではなくて、そのマイナスなものをできるだけ受けず、力に変えて乗り越えていけるかっていう、しなやかに生きる力。回復力。それらを学んだり覚えることもないまま大きくなる。それが孤独を余計に作ってしまってるんじゃないかと、思ってます。

qbc:それは、自分のことを見つめることで解消されるんですか?

山本:すぐにってわけじゃないですけど、自分を見つめて、相手を見つめて、また自分を見つめる繰り返しなんじゃないかと。受け取り方とか思考をですね。

qbc:自己分析だけで解決する人もいれば、人に話さないと解決しない人もいる。コーチングとかいろんなカウンセリングスキルがもっと広がれば変わっていくのかなって私も思います。

山本:カウンセリングもコーチングも特殊な人たちが行くものみたいになっちゃってて、そうじゃなくて、本当はすべての人が日常的に受けられたら良いのになって。

qbc:本当そう。コーチングは聞いてるだけで良いわけじゃないですか。どっちかっていうと、質問を投げかけてあげるだけで。カウンセリングは、ちょっと本当に弱ってるから、その感情を共有してあげて、同じ感情になって癒すみたいな部分もちょっとあるかなって思うんですけどね。

山本:なんか、一緒に沼に入ってあげるみたいな。

qbc:コーチングは逆にね、一緒に入らないですからね。

山本:そうですね、入ったとしてもちょっと違うとこを見てあげるというか。

qbc:そういうふうな会話すること、話すっていうことの重要性が広がるといいですね。

山本:そうですね、もっと身近にと思います。私、コーチングで、パートナーシップコーチングっていうのをやっているんですよ。それを婚活で使ったりできるんで、どっちもやれるんです。
まあ、どっちかっていうと離婚のほうやってるんですけど。

qbc:おもしろ。離婚も結婚もコーチングされてるんですね。どう違いますか?

山本:パートナーシップコーチングのテキスト自体は、愛に満ち溢れたロマンチックな感じのつくりになってるんです。離婚後の共同養育について言えば、自分が大切にしているパートナーシップっていうところでは共通するところはあるんですけど、結婚と離婚では、愛がテーマなのか信頼がテーマなのかで、違いが出てきますね。
婚活っていう未来がウキウキしてる状態の人には、やりやすいんです。ゴールが出やすいとうか、その人たちは気持ちがたかぶってる分、すんなり未来を描きやすい。
でも離婚とか、つまづいたときはゴールを見失いやすいし、それまで描いてきたものもガラッと変わってしまう。そこに新たなゴールを設定し、見失わないという意味では、コーチングはすごく役に立ってくるんじゃないかって思うんです。

qbc:では、最後に言い残してしまったことはありますか?

山本:共に育ち共に育てるというのがテーマで、共同養育を推進してます。
法制度でいうと、「共同親権」っていうのを目指してます。今は、離婚後は親権を一人しか持てないんです。そのために離婚時に争いも激化しがちです。
共同親権になると、お互いに子どもに対する責任を持ち、事務的手続きができるとか、親権者の都合でもう一方の親に会わせないとか、大きく言うとそういうことがなくせることによります。離婚後も両親が子育てをしやすい環境が整いやすくなると結果、子どもは片親を失うことはなく、自分のアイデンティティを築いていきやすい、そんな子育てができる社会になることを願い活動しています。

qbc:なるほど。すごい変化ですよねそれって。もともと、こういう活動がやりたい方だったんですか?

山本:当事者になったのがきっかけです。それまでは、本当、お金稼いで楽しく過ごしてればいいやくらいで生きてました。

qbc:はい。

山本:古賀弁護士の名言があって。結婚前に「ゼクシィ読むより民法を」って。出口のことを考えずに結婚してしまうんですよね。
離婚は致し方ないにしても、もうちょっとポジティブに離婚できたら良いなって思います。次なるステップのため、というような。親も、子どものことだけは責任もあるし、お互い子どもを育てたいというとこを阻害しないという約束さえできれば、争いを大きくせず別れられるのかなって。

qbc:そうですね。男女の雇用問題もあるし。

山本:はい。社会の問題でもあると思います。

qbc:ありがとうございます。なんか、問題としては、私は入口に立たされたって感じです。ぜんぜん知らなかったから。勉強になりました。

山本:ありがとうございました。

あとがき
かわいい子ども。それが、離婚したら、片方は親ではなくなる。法律的に。
ありえんよね。
ありえんから、法律だけど直す。これができる人を私は支援します。
それだけ!

編集協力:有島緋ナ

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