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無名人インタビュー:離島WEBデザイナー 奄美大島に引っ越した不登校のお子さんを持つシングルマザーの人

お子さんありのシングルマザーがふと見つけた「南の島で暮らしませんか?」というメルマガのテキスト。なんだかドラマティック。しかも家賃安くて経済的にも魅力的。映画みたい。
ということでアキロンさん回です。↑の通り、鹿児島県は奄美大島に引っ越しをされたアキロンさん一家、海すばらしい猫かわいい、って良いことたくさんあったそうですが、まあそのほかいろいろありまして、人が生きるのってほんと面白いなと思いました。
シングルマザーと不登校。この問題をどうにか緩和させられないもんかい、と思ったしだい。
ちうことでアキロンさん回、楽しんでいただければもっけの幸い。

今回ご参加いただいたのはアキロンさんです!
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1、奄美大島への道のり

qbc:ご参加ありがとうございます。

アキロン:こちらこそ。今日はお休みなんですか?

qbc:はい、ふつうに土日お休みですよ。ただ、いま東京は台風が来てて、急に寒くなってるし、あんまり外に出るような気分ではないですね。たぶん今日は、インタビュー原稿をずーっとやってると思います。
と、いうことで、どんなインタビューにいたしましょうか。

アキロン:ねえ。どんなインタビューがいいんでしょうか。美紀子さんがずっと、みんなやったほうが良いよってオススメされてて。
で、私も申し込んだんですが、本当にノープランできてます。

qbc:みなさんノープランなので大丈夫ですよ! 今、何をやられている方なのでしょうか?

アキロン:今はWEBデザインの仕事を中心にやってます。奄美大島に来たのが2020年の4月ぐらいなんですけど、それくらいから本格的にオンラインでwebデザインの仕事をはじめました。

qbc:奄美大島へは、どういう経緯で行かれたんですか?

アキロン:偶然っていうか、いろんな出会いがあって。南の島にはもともと行きたいなと思ってたんですけど。

qbc:絶対行くぞ! みたいな強さで思ってたんですか? それとも、なんか行ってみたいなくらいの気持ち?

アキロン:そんなに強くは思っていなかったんですよ。あったかいところが好きだから、南のほうの田舎に住みたいなーとは思ってたんですけど。
前の家を引っ越すことが先に決まっていて。で、引っ越し先を探しているうちに、南の島へ移住しませんか? というメールが目に止まったんです。島への移住を紹介するオンラインイベントだったんですけど、それに参加したのがきっかけです。

qbc:へええええ。

アキロン:そのイベントをしてたのは奄美大島ではなくって、鹿児島本島と奄美大島の間ぐらいにある十島村でした。

qbc:そういうのがあるんですね。ぜんぜん知らなかった。

アキロン:実際に移住された人たちもスピーチしてくれて、移住してみてどうだったかをメリットもデメリットも話してくれて分かりやすかったです。島全体で移住を歓迎してくれているのを感じましたし、経済的支援もしてくれるし、すごく良いなと思いました。

qbc:なんでそういうメールを受け取れたんですかね?

アキロン:シングルマザー協会というところのメールマガジンだったんです。そのイベントは、シングルマザー協会と十島村の役場の共催だったんですよ。人口が減ってきている過疎地域の支援と、シングルマザーの移住支援のイベントで。

qbc:はいはいはい。

アキロン:イベントに参加して、ぜひ島に移住したいという気持ちになって、十島村への移住を考えてたんですけど、その話を友だちに話していたら、奄美大島出身の人を紹介してくれたんです。奄美大島も移住支援してるよって。
移住支援もしてるし、飛行機でもフェリーでも来られるし、アクセスが良いんですね。こっちの方が暮らしやすいかもって心が動いて。

qbc:なるほどね、移住前提で眺めるとそういう感じになるんですか、ものすごく面白いですね。

アキロン:移住の下見として旅行に行ったんですが、その時に偶然知り合った方が、今住んでるお家を借りられるようにしてくださったりとか、いろいろ偶然も重なりましたね。
移住したくても住む家が見つからない場合もあると思うので。

qbc:オンラインのイベントに参加したのがいつでしたっけ?

アキロン:2019年の8月末くらいです。で、10月に下見に行く予定が台風で延期になって、実際に行けたのが12月ころ。しばらく家が見つからなくて、2月か3月に正式にお家が借りられるってなって、バタバタと4月に引っ越してきました。
コロナの緊急事態宣言が出ている時に引っ越してきたので、数ヶ月はあまり外に出ない引きこもり生活していましたね。

qbc:奄美大島って、どういう規制だったんですか?

アキロン:島自体は、そんなにコロナ感染者は出てないんですけど、でも高齢者が多いというのと、高齢者の数に対して受け入れられる医療機関が少ないから、クラスターがおきたら大変っていうことで、自粛モードです。行事も全部中止になってます。
今でも警戒は続いてますね。全国どこでもそうだと思いますが、マスクも消毒もしっかりしてますし。

qbc:東京も、マスクして、アルコール消毒のボトルがお店の入り口に置いてあって、みたいな感じかな。

アキロン:こちらは、人の噂も怖いみたいですね。

qbc:あー自粛警察。私もお取引先さんにコロナが出て、2週間自宅待機した時期もありましたね。

2、奄美の生活

アキロン:お借りしている家が古民家なんで、家の中に虫とか動物が入って来るのが、最初すごく怖かったですね。

qbc:動物とは?

アキロン:ネズミです!ネズミが一番怖いですね。壁に穴を開けて入ってきて、家のもの食べられちゃったんですよ。移住してそれが一番びっくりしたことでした。
それ以外はお店もわりとあるし、海もきれいで、すぐシュノーケリングができるとか、そういうプラス面がありますね。
でも、実はそんなに島で生活してるって感じはないです。Amazonで注文したら2日ぐらいで届いたりしますし。

qbc:あ、ほんと。

アキロン:そうなんですよ。

qbc:インスタ見ると、Amazonがすぐ届く感ないですけどねえ。

アキロン:そうなんですよー。

qbc:もともと福岡の方だったんですか?

アキロン:そうです。福岡市。

qbc:福岡と比べてどうですか? あんまり変わらない?

アキロン:環境は全然違うんですけど、実感としては変わらず普通に暮らせるな、って感じですね。当たり前なんですけど。
私が住んでるところは奄美大島の中でも田舎のほうに住んでるので、人が少ないですし、福岡市内での環境とは全然違うんですけどね。

qbc:移住、良いですね。めちゃくちゃ暮らしにくいってわけではないんですね。

アキロン:暮らしにくさは感じないです。今は家賃が安いのも本当に助かりますね。

qbc:いいですね! あ、車がないと生活ができない?

アキロン:そうですね、子どもがいると車は必須だと思いますねー。子どもを病院に連れて行ったり、買物も一番近いスーパーが車で15分ぐらいかかりますし。住む場所にもよりますけど。車持たずに生活してる方もいますよ。

qbc:道は? 広いですか?

アキロン:細い山道が多いです。うちの近くは山道でくねくねしてる道も多いので、慣れない間はごく怖かったです。福岡では都会の運転で車線変更とか怖かったんですけど、こっちは全然違う怖さがありますね。山道で坂もあるから、急に下り坂になってスピード出ちゃったりとか。対向車来るたびに怖いー!って言ってたんですけど。

qbc:あーでも、対向車と出会うんですね。交通量はけっこうある?

アキロン:あります、わりと。夕方とか通勤の車が行き交う時間はけっこう多いですよ。奄美市は渋滞するぐらい交通量がありますし。

qbc:あ、ほんと普通の生活があるんですね。

アキロン:そうですね、おっきい島です。でも、台風になるとスーパーから物がなくなるんですよ。何日か船が止まってしまうので、次の船が来るまでスーパーに物があんまりない状態になるんです。

qbc:台風、どんな感じなんですか?

アキロン:今年は台風が直撃しなくって、そこまで強い台風は体験してないんです。この前、おっきい台風が来るって大騒ぎして、色々と備えたんですけど、台風が少しそれたので被害はそこまでひどくなくて。一部で停電したくらいでした。台風が直撃したらすごいらしいのでビビってます。

qbc:インターネットは?

アキロン:光回線が引けたので、我が家はWi-Fi環境ばっちりです。webデザインの仕事で光回線は必須だったので。そこも、ここに移住を決めたポイントですね。

qbc:なるほどー。総合的に、移住して良かったです?

アキロン:環境はすごく良いです。海でたくさん泳げたりして楽しいです。
でも、子どもたちが学校が苦手っていうか、学校行きづらいほうで、こっち来て1、2ヶ月で学校が嫌だってなってしまって。

qbc:あ、福岡の時から学校が嫌い?

アキロン:そうですね、元々好きじゃないです。子ども2人いるんですけど、移住する直前の1年間は、たまたま2人とも学校に行けてて。子どもたちは福岡に戻りたいって言ったりします。福岡に友達もいますし。
今、奄美の学校は全校生徒で10人ちょっとなんですよ、小中学校の全校生徒合わせて。

qbc:まーそれは、楽しいとか楽しくないとか、ふつーの感覚からはちょっと判断しにくそうですね。

アキロン:うん、まあ、でもクラスに3、40人いるところより、少人数のほうが楽しいのかなとちょっと思ったんです。

qbc:なるほど。

アキロン:移住前に、学校のことはもうちょっとイメージしないといけなかったかなと思ってますね。

qbc:まあでも、それは特殊な問題じゃないですか? 地元の子が多い学校なんじゃないですか?

アキロン:あー、そうですね。だけど移住してこられた家族もいますよ。
元々うちの子達は学校が苦手なほうで。上の子は小学校5年くらいから2年間行ってなくて、下の子は1年生の時に行ってなかったんです。
福岡ではフリースクールに通ったりしてました。あとホームスクールで、家にいても学校側は見守ってくれてる感じでした。
でも奄美大島では、フリースクールが無いって知って、びっくりして。学校に行かないと昼間に外に出づらくて、ずっと家で過ごすことになって。なかなかそこは難しいなあって思ってます。

qbc:オンラインフリースクールみたいなのはないんですか?

アキロン:今たくさんあるんです、コロナの影響もあって増えてるみたいです。ちょうど今月から通わせます。週に1、2回3時間くらいなんですけど。子どもたちがすごく気に入って、このスクールにどうしても行きたいって言うから。

qbc:行きたいって、アクセスするんですよね。

アキロン:そうなんです。zoomでオンラインでつながって、話したり、オンラインゲームとかするんですけど。

qbc:ゲームするんだ、楽しそー。

アキロン:楽しいみたいです。そこは週1,2回で、あとは特に何も決めず家で過ごしてる感じです。私が外に連れて行けばいいんですけど、家で仕事もあるので引きこもってしまいます。

qbc:勉強は?

アキロン:特に教えたりはしてないです。最初は、家で勉強させなきゃいけないと思ってたんですけど、上の子が小学校5年生の時。
だから、私は勉強を教えられないし管理できないから、学校に行ってくれ!って、学校に無理矢理行かせようとしたんです。
でも、勉強とか子どもを管理とか、そういうのしなくていいんだよって語っている人たちの講演を聞いて、「あ、もう家で自由にさせてていいんだ」って吹っ切れました。子どもたちに、もう学校へ行かなくていいよって言えて、家で過ごすようになりました。
だから、今は勉強しなさいは、私からは全く言わないです。学校からしたら余計に、心配になるのかなと思うんですけどね。

qbc:なんとかなるけど、どうなるかも読みづらくなるっていうのが正直なところですね。
私も学校大好きで行ってたほうじゃないから、行かなくて済むんだったら行かなくていいとは思います。ただ、子どもっていろんなものを知らないじゃないですか。
それを知るきっかけと手だてとしての学校がないのはネガティブだと思います。外に出たり人に会ったりする機会を、学校なしでどうやって作っていけるかってことですかね。

アキロン:そうですね。福岡では、子連れで昼間行く場所があったりしたんですけど、奄美の状況をまだ私が知らなくて。
子どもたちは、インターネットで自分たちが見たいものを見てますね。自分たちで探して。私が良いと思うものを見せても、あんまり興味持たなくて。

qbc:どんなのを見てるんですか?

アキロン:色々ですけど、お姉ちゃんのほうは気になったものをネットで調べて動画を活用してる感じがあります。下の子はひたすら人気のYoutuberさんのYoutubeチャンネルを見てますね。

qbc:下のお子さんは何歳?

アキロン:8歳です。ちょっと発達障害があって育てづらい子で、私は育児ノイローゼになったんですよね。それがきっかけで、自宅とか自分のペースでできる仕事をしたいなって思ってたんです。この子を育てながら外に働きに出るのは難しいなと思って。
それが色々つながって、今のwebデザインの仕事になっています。

qbc:なるほど。どうですか、奄美大島に来て。良い方向に向かっていますか?

アキロン:正直分からないです。でも、経験として、離島の小さな小学校に通ってみたっていう経験値が1個増えたので、それは良かったなって思ってるんです。
古民家に暮らしてみるのも経験になるし、きれいな海でシュノーケリングするのも子どもたち初めてだったし。そういう経験が旅行じゃなくって、暮らしながらできたし、色んな経験ができるのはいいなと思ってます。
qbc:うん。

アキロン:あと、ずっと猫を飼いたいと思っていて。

qbc:猫、かわいい。

アキロン:福岡ではペット可の物件とか家賃が高くて、猫飼うの難しいなって感じだったんですけど、奄美では家を借りる前から猫が飼えるか確認して貰って。子どもたちも私も、猫と暮らせてるだけで幸せって言ってますね。

qbc:あ、猫Instagramあるんですね。しおとはま?

アキロン:はい、奄美で保護された猫たちです。

qbc:なんかメチャメチャ元気そう。

アキロン:メチャメチャ元気です。毎日走り回ってますね。

qbc:2匹だしね。それはもう楽しいですよね。

アキロン:ね。2匹で走り回って楽しそうです。

猫インスタはこちら!

3、都会と田舎の価値観

アキロン:奄美に来て、ここに住めたことはすごく良かったなあと思います。雰囲気が好きですね。のんびりしていて。空気感とか、すごく良いですね。
役場へ行った時に、すごくゆったりしていたんです。福岡市の役場に行くと、待たされたり、受付の方もすっごく大変そうなんです。

qbc:そうですね。

アキロン:島で転入届を出しに行った時に、誰もいない窓口に私が立つと、役場の人が「何かご用ですか?」みたいな感じで出てきて声をかけてきてくれて。
ひとりひとりすごく丁寧に対応してくれる感じが、なんかいいなあと思いましたね。

qbc:お子さんたちも喜んでるんじゃないですか?

アキロン:学校以外は楽しんでますね。ただ奄美だと、学校に行かないという選択がしづらいんだなと感じてます。都会は人数も多いし、不登校に対する考え方も、昼間の居場所もあるし、色々あるから理解して貰いやすかったのかなと。

qbc:あー。そういうことか。

アキロン:福岡では学校側に「もう行きません」と伝えると、受け入れてくれてたんです。でもこっちでは、なかなかそれは難しい感じなんですよね。
私もやっぱり、学校や地域のことを気にしてしまって、ちょっとだけでもいいから学校に行って欲しいなって思って、言い合いになったりイライラしてしまうこともあるんですよね。

qbc:なるほどね、学校がなければメチャメチャ楽しいんだけどね、と。

アキロン:そうですね。家で猫と遊んでる時間も長いし、今は家の中が中心の生活なので奄美にいる実感があるのか分からないんですけど、子どもたちは学校以外の環境は気に入ってるみたいです。

qbc:そうかあ。学校の勉強が代わりにできるところがあると、ほんといいんですね。みんながみんな集団生活できるわけでもないし。無理に学校に行ってずーっとストレスを感じるのも辛いし。

アキロン:そうですよね。ストレスで精神的に病んでしまいますよね。
だから、フリースクールのような場所づくりをしたいと考えているんですけど、なかなか一人ではできないから、仲間が欲しいなと思っています。

qbc:さっきのシングルマザー協会は?

アキロン:あー、聞いてみよう。
それと、不登校問題は経済的な問題もおっきくなるんですよ。子どもが学校へ行かない場合、どこか別の場所に預けようと思ったら、お金がかかるんですよ。公立の学校へ行くのはほとんどお金がかからないけど、フリースクールとかに行かせたいと思ったら、結構かかります。
フリースクールとか他の場所に通わせるのが難しかったら、家でお留守番させとくしかなくて、小学一年生でも留守番してる子もいるし。それは心配だと思いますよ、お母さんは。

qbc:なるほど。そういう問題があるんですね。形として出てる。知りませんでした。
アキロンさんて、どういうタイプですか? 即行動タイプ?

アキロン:うーん、そうですね。思い切ったら行動しちゃうタイプみたいです。

qbc:行動力すごいなあと思ってお話をお伺いしてました。
島で、学校に行かないってなると、やっぱりオンラインしかなさそうですよね。ひとまず声を上げてみるっていうのは一つの方法なのかなと。近い状況の方とか、見つかりそうですけど。

アキロン:オンラインで少しずつ、繋がりはできてきてるんですけど、オンラインで初めて会う子どもたち同士が仲良くなるというのは、リアルより難しいのかなと感じますね。
今月から通うオンラインフリースクールは、たまたま、すごく楽しかったらしくて。
きっかけはゲームですね。マインクラフト。マイクラで同じ世界に入って、それぞれ色々作って遊んでます。

勢いおとろえないですねマインクラフト。

qbc:面白いですねえ。オンラインゲームって、日本はゲーム=悪者みたいに言う人もいるけど、オンラインゲームやってる人の方が協調生が高いんじゃないかっていう人もいるんですが。
オンラインゲームって、ネットの向こうの見知らぬユーザーと協力し合って進めていくタイプのものが多いんですよね。ゲームによって協力しないと全く進めない、協力すればするほど進めやすい、そもそも協力し合うことが前提、あるいは競争し合う、とかいろいろあるんですが。
でも逆に、今の現実世界って、協力し合わなくても生きられるようになってることが多いんですよね。お金で済むよ、お金で解決、みたいな。コロナで無人レジが増えましたけど、コンビニで誰とも会話せずに食べ物を買えるんですよね。

アキロン:はい。

qbc:でもマインクラフトは、自分で素材を取ってくるにも限界があるから、チームで動くんですよね。私は木を取ってくる、あなたは鉄を取ってきてね、それを組み合わせて新しい道具を作ろうとか。見ず知らずの人たちと共同作業になってくるんですよ。そこでは嫌がらせもあるし、話し合いっていうのもある。
今の現実生活より、はるかに人とのコミュニケーションが学べるんじゃないかと思います。もちろん、生の肌触りの情報っていうのは、また別ですよ。自然と触れあって得られることとか。
ただ、対人間のコミュニケーションのトレーニングっていう部分では、全然不安になることはないと思いますね。

アキロン:そうなんですね。

qbc:死はないですけどね。ゲームオーバーの不安はあるけど。肉体的痛みもないけど、よくできたゲームは実際の痛みのように感じられたりしますよ。
あと、やり直しが何回でもできるっていうのもいいですね。それに慣れすぎちゃって現実怖いみたいに言う人もいますが、まあ現実もやり直しききますし。

アキロン:下の子は、マイクラでおっきい建物を作ったりしてます。何時間でもひたすらやってるんです。私には、マイクラで建物をどうやって作ったらいいのか、まったく見当がつかないんですけど。

qbc:プログラミング向いてる人ですよね。繰り返し作業が好き。

アキロン:あ、今、下の子が帰ってきました。給食だけ行ったんです。

qbc:はいはいお帰りなさい。学校ってそんな離れてないんですか?

アキロン:はい近いんです。

qbc:そこは良いですね。

アキロン:良いんですけどねー。メッチャ怒って帰ってきました。

qbc:あー今日学校に行きたくない日だったから。
と、いうところで、残り時間が少なくなってきました。今後についてお伺いしたいのですが、どのような未来をイメージされていますでしょうか?

アキロン:全然、未来を決めてなくて。与論島に初めてのフリースクールができたんで、明日からそこを見学しに行くんですけど。

qbc:奄美大島と与論島ってどれくらい離れているんですか?

アキロン:フェリーで6時間ぐらいです。与論島も良さそうだし、来年度、どこにいるか自分でも全く分からなくて、どうしようみたいな。

qbc:ちょっと待って。これから奄美大島でじっくりじゃなかったんですか?

アキロン:すぐ出ようという気持ちはまったくなかったんですけど、いろいろな可能性を視野に入れつつ生活してますね。

qbc:あー、てことは、奄美大島で一生暮らすぞ、ではなくて、近所に引っ越したレベルの感覚?

アキロン:さすがに近所ではないですけれど、そうですね。田舎に住みたくて、それで引っ越した先がたまたま奄美だったという感じ。
もともと、一生ここにいようっていう気持ちではなかったです。

qbc:あーなるほど。それであれば、お仕事もネットだし、子どもの友達もマイクラにいるし。別にどこへ住んでもいいと。
なるほど。私もこの「無名人インタビュー」で生活できたら、そういう生活したいですね。拠点を移動させながら生活。まあサラリーマンもリモートで週の半分やってみたいな。

アキロン:そういう人、増えてますよね。福岡に移住で来られる人もいるし。

qbc:四国、九州、沖縄。魅力的ですね。あったかいのがやっぱりいい。
ってまたものすごい雑談になってしまった。いかがでした、インタビューは。

アキロン:面白い話なんて、出来ないんじゃないかなと思ったんですけど。

qbc:いえいえ、そんなことないですよ。私はひじょうに面白かったです。
過疎の島への移住や、シングルマザーのお話など、いろいろ知らないことがお伺いできました。社会構造や世間の認知不足が問題解決の障害になってるように思いますし、率直に、私自身何かできないかなと思ってます。

アキロン:ありがとうございます。

qbc:こちらこそ、ありがとうございました!

このインタビューから6ヶ月が過ぎ、奄美大島に初のフリースクールが立ち上がることになりました!ありがとうございます。

あとがき

海きれい、猫かわいい。最高。
でも学校が嫌、不登校を受け入れてくれる場所がない。
まあなんでもかんでもうまくいかないよなって思うと同時に、学校行かないと経済的に困窮する問題は、けっこうヘビーな内容だなと思いました。
いかんともしがたないなあと。
で、このアキロンさんとのインタビュー後、別のインタビューで共同親権、片親親権のお話なども聞き、この日本のイエ制度、戸籍制度と絡みついた問題が明るみになって解決の方向へは、向いていくんだろうなあと。まあでも政治問題なので、一朝一夕には解決せんよなと。いろいろなロビイストがくっついてきちゃうし。これは立ち回りの問題ですよ。
とはいえ、そういうことと個人の暮らしは別のもので、日々は続いていくんよ。

問題はある。解決はさせたい。それを解決したとしてもまた別の問題がたちあがる。
そういうことごとくを、ありのままに、浮きぼりにさせる。ただただ光をあてることから。
正解はないが、その時の納得は作る。

編集協力:有島緋ナさん

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