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人間らしくない人

古着買いに行ってた。高円寺に。昔、20代の時に。古着、好きで、なんでかって、それは人ずれがあるから。人が使った、くたった綿の感じ、あるよね。それが好き。もうすでにこすれちゃってるジーンズの膝、先っぽのこすれたスニーカーの先。過去に人間が使った跡を感じられるんで、それが良い。
一方それが嫌いって人もいる。人が使った跡があるからって。
どうだろ私はさ、人が使っていたほうが安心感があるんだよね。
古本もいっしょ。古本のほうが好き。ページの余白に、汚れがあったんなら、それこそそれはもう嬉しいよ。
そう思って生きている。
無名人インタビュー、今日もよろしくお願いいたします。
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは エヌ さんです!

年齢:20代前半
性別:社会的に女性、心に性別はない
職業:できたてほやほやエンジニア


現在:人に性格ってあるのかなって思ってます。

qbc:今、何をしてる人でしょうか?

エヌさん:フリーランスのエンジニアですね。初めて少ししか経ってないんでそんなに得意とかすごく優秀だとかそういうわけではないんですけど覚えが良いと言われています。

qbc:エンジニアはどれぐらいされているんですか?

エヌさん:1年ほどです。大学にも行かずに風俗勤めをしていて、その間に1回結婚して今は同居している結婚前提の人がいて、まあ昔は変な家庭で育ってきて、そんな感じですね。今現在が一番落ち着いた生活をしています。

qbc:エンジニアのお仕事以外には何をされてるんですか?

エヌさん:仕事以外はしてないですね、仕事中毒なんで。仕事と仕事のための勉強しかしてないです。たまに文章を書く。結局、言語オタクなんで。

qbc:1日に何時間ぐらいお仕事されてるんですか?

エヌさん:コードを書いている時間は4時間か5時間ぐらいで収まると思うんですよ。でも情報収集だとか自分で勝手に言って、Twitterを見ていたり、技術書を読んでいたりしますね。リモートだし家事は得意です。ちなみに自分カトリックなんですけど、ふりかけご飯ばっかり食べてます。清貧のつもりですがただの貧困ですね。

qbc:え、いつからカトリックなんですか?

エヌさん:高校生の時に自分で勉強して、家はマイナーの新興宗教なので嫌がられましたけど、教会に通って洗礼を受けたという形ですね。

qbc:ちなみにその新興宗教のお名前って、お伺いしてもいいですか?

エヌさん:いわゆるカルト新聞みたいなところにも出ているので、ちょっと出せませんね。親に云々大変なことになっちゃうんで。

qbc:家事というのは何をされているんですか?

エヌさん:もう全てです。掃除、洗濯、料理も得意ですね。

qbc:今の生活の中で一番自分が好きだなって思うことはなんですか?

エヌさん:文章を書くこととか、とにかく昔から文章が好きだったんで。

qbc:どんな文章を書かれるんですか?

エヌさん:小説とかではないですね。昔から小論文とか詩も評論も成績も点数も良かったし、中学3年でセンター現代文満点でしたね。大学もレポートは落としたことが無くて、面白いと言われることが多いんです。あることを書いてるだけなんですけど。言っててしまえば私は話すのが得意ではなくてですね、だからこそ表現が文章や音楽になっちゃうんだと思います。

qbc:文章はどこに書かれていたんですか?

エヌさん:文章はブログとかTwitterとか本当に無名で誰も見ていないようなところで書いていましたね。今も秘匿してます。

qbc:いわゆる日記的なものですかね?

エヌさん:どちらかというと、日記的なものですね、エッセイ的な一つのテーマについて考えてみたその日の日記だったり、感情や考えを書き殴ったり色んなパターンがありますし、短歌もいっぱいありますし、そんな感じですね。

qbc:書いている時ってどんな気分ですか?

エヌさん:書き終わったら忘れます。書いてる時のことも覚えてないですね。

qbc:どのくらいの時間が経ったら忘れてしまうんですか?

エヌさん:普通のキャンパスノート1ページに収まるサイズの散文やエッセイであれば、10分かからないと思います。手の書くスピードがわかんなくて、ペン持ってても。どの文字だったかっていうのが後で見返してもわからないくらいの文章が書かれていて、また後でそれを読み返してこうだったって書くんですよね、打ち込んだり。だからパソコンあって良かったと思います。

qbc:持続して何時間ぐらい書けますか?

エヌさん:持続しては書かないですね、飽きたらぽいってしてノートとして処分された物がいっぱいあると思います。メモだらけですね、部屋中。

qbc:紙のメモってことですか?

エヌさん:紙のメモとかノートの端切れとかレポート用紙とか、コピー用紙の裏とか。
qbc:どんな文章を書かれているのか知りたいのでURLをいただいても大丈夫ですか? 

エヌさん:全然大丈夫です。noteかはてなブログかいくつかあるんで参考にしていただければ。私の人生よりは何か小綺麗かもしれません。

qbc:趣味は何かありますか?

エヌさん:最近シダを育てるのが好きですね。同居してる人が買ってきてくれて、東京にいると人工的な緑ばっかりですから。人が作ったなという、人の癒しのために作られた緑ばっかりだから、私はこいつをすごく気に入ってるんですけど、今目の前にいるからこいつと呼んでるんですが。

qbc:エヌさんがコンテンツを吸収するための媒体って何ですか?

エヌさん:本ですね。本とネットぐらいです。テレビは苦手で。ラジオは好きなんですが。

qbc:何か好きなものってありますか?そういうもので。

エヌさん:色んなものが好きすぎて分からないんですよ。でも人間が一番嫌いです。

qbc:人間のどこが嫌いですか?

エヌさん:私は診断済みのASDで、人間のことをおそらく10歳〜12歳ぐらいまでは他人に意識があるって思ってなかったんですよ。いや、あるらしいなっていう前提で反応はするんですけど、あんまりそれが実感されてなくて、他人っていうか人ではなく「こいつら喋ってる肉塊だな」という印象しかなく、この肉塊にはこういう対応をすればいいと。そういう反応だったんで、人間はすごい苦手で元々自分自身の意識っていうのも、分からない、過去って何だっけみたいな、多分精神分析とか、精神病理の方ではそれは解離って呼ぶんですけど、昔辛かったっていう事実は残っていて、それによって多分私が考えていたこととかが、全部、実感がないんですよ。離人だとか解離だとか呼んで、実感が全然無いわけですから、昔のことにあまり実感は持てなくて、本当に私のことなのかも分かんないし。だから他人とかもどうだったのかなとか、人の気持ちっていうのも、いや分かったとて怖い。そしたら例えば、外にいる何百人もの意識はのめり込んでくるんじゃないかと思って人間が怖いし、嫌いなんですよね、とても。

qbc:人からエヌさんの性格ってなんて言われますか?

エヌさん:いい人だね、とかは意外と言われますね。優しいねとか、ただ、つかみどころがないとか、優しいと言ってくれてると思ったら、たまに私が、仕事を辞めた時も色々揉めたんですけど、揉めるというか人を大変に傷つけるというか正当な防衛ではあるんですけど大体人の嫌なところ、嫌がるところだけがっしり言ってしまうから、それでなんか友達でよかった、とかは言われますね。

qbc:嫌がることを言って自分も傷ついていたんですか?

エヌさん:自分は全然傷つかないですね。嫌がることを言ってるのかも分からなくて、事実を言ってるだけなんですけどね。ただ選択の仕方がちょっと違ったんだと思いますね。一番人が言われたくないことを選んで言ってしまう癖っていうか、でも怒ると怒鳴ったりするタイプじゃないんで。

qbc:それはその人の傷つくことを発見する能力っていうのは定評があるってことですか?

エヌさん:定評があることになりますね。しょっちゅうやることは無いんですけど。

qbc:それは常に頭には思い浮かんでるってことですか?

エヌさん:頭に思い浮かんでちょっと見えてしまう時もありますね。「この人はこう言えば喜ぶし言えば嫌がるんだ」と。だから逆に普段とても色んな人に優しい優しいと言われるのは、多分普段の私が人に喜ばれることしか言わないからで、怒った時は人の嫌がることとしか言わないので、そういうことなんだと思いますね。良いことばっかり言ってるときは「逆サイコパス」って名付けてます。

qbc:自分ではどんな性格だと思いますか?

エヌさん:人に性格ってあるのかなって思ってます。人にそもそも性格ってのがあるのかなとか食べられるものの趣味だったり、体を動かす趣味だったり全部肉体に依拠してたら、私の体脂肪率がちょっと上げ下げするだけで自我の部分が減るんですかっつったらとんでもないし、心のみにあるとしても、性格、性質っていうのは、性格って思考の癖とか、行動の癖とか、そういうものだと思うんですけど性格って確率論じゃないですか。今までこうだった、こうだった、こうだった、だから多分次の時こうする、でも「今までこうだった」が私の中には積み上がってないから、その時しかないんですよね。

qbc:よく発生するパターンみたいなのはあるんですか?

エヌさん:そうですね。よく発生するパターンで自分で思うのは、引っ込み思案というか暗い思考であるので、自分ってなんて駄目なんだろうとか、でも一番思うのは一番すごくない?かな。「自分がこの世で一番偉くない?」と思ってますね。あとは人でなしだと思ってます、人でなし。

qbc:人でなしエピソードってありますか?

エヌさん:例えば、人でなしって言われて怒られたら私は残酷な人間なんだろうかとか思うんですけど「人ではない」って言葉のそのものに着目すると、人ではないイコール、動物だった人物だったり、ものだったり、神様とかっていうのも考えられる人は考えるでしょうね。天使とか、仏様、そういうのも。私は、自分のことを人間らしくないと思ってます。その上下どっちにも私はアンタッチャブルな存在である。神だとしても、あまり適切でないような言い方をすると不可触民的なものだとしてもどちらの意味でも人でなしだと思っていて。私は人間とは違うんだと思っている。人間たちが羨ましくもあり、愚かにも見え、外れたものなんだと思いますね。

qbc:身近な人、家族、恋人、親友、距離の近い人からは性格について何と言われますか?

エヌさん:純粋だって言われますね。そんなに私は純粋か?っていうことを聞いたんですけど、寝る前、眠たい時だけ純粋らしいです。あとは私が純粋なふりをしようとしている人にはもちろん純粋だと言われます。

qbc:好きな食べ物は何ですか?

エヌさん:蕎麦とか飲み物だったらブラックコーヒーです。蕎麦好きですね。東京に住んでたんですけど好きな蕎麦屋があって、そこから離れたくないが故に、1回大学で引っ越したけどもう1回用もないのに同じ町に戻ってきて蕎麦屋に通ったりしてましたね。

qbc:そこで何を食べるのが好きですか?

エヌさん:蕎麦が出てくるまでに時間かかるので蕎麦茶を出してくれるんですけどそれが好きですね。

過去:今が一番良いだなんていうことはない。思春期が一番良い時期だなんて絶対思わない。それだけは覚えておこうと思った

qbc:子供の頃どんな子でしたか?

エヌさん:図鑑とかが大好きだったんですよね。植物とか魚とか、それと、今売ってるし多分人気なんだと思いますけど元素の図鑑とか石の図鑑みたいなのもあって、鉱物ですかね。そういうのがすごく好きでしたね。出来るだけ哺乳類とかは避けてましたね、なんだか。

qbc:子供の頃から人間が嫌だっていう気持ちがあったということですか?

エヌさん:本当にそういうものには同調できない、思考システムが私と違うと思っていたんですよ。植物とかの方が私に近い心を持っていると思えるというか、植物とかの方が私の心には近いと思えるというか、だから植物図鑑が一番好きで、石の図鑑だとか元素の図鑑も興味深かったけど、全部覚えてしまって、保育園からお散歩に連れてかれて、先生にこれは何でさ、これは何だこれは何だ。ずっと一人で何か喋っているような子どもでしたね。あとはフラミンゴの真似をしていたり、1日中それしかしなかったりしてました。偏食ですごく好き嫌いが多かった。親は仕事が忙しかったんで、一人でいることが多かったですね。あまりテレビをあまり見ない子でして、インターネットの方が早かったです。

qbc:いつ頃からインターネットに触れていたんですか?

エヌさん:小学校入学前からタイピング出来たので多分それぐらいにはインターネットのニュースを見たりだとか、ゲームをしたりしてましたね。小学生の頃からブログとかをやっていてもしましたし。そういうのはありますね。

qbc:他に鬼ごっこしたりとかはしなかったんですか?

エヌさん:人との関わりがなくて、兄弟もいないし、友達とも敬語でしか喋れなくて。敬語なんかで喋ってたらそもそも友達出来なくて、今となっては分かるんですけど、当時の私は友達がいないということすら分からなくて、友達というのがいようがいまいが遊んでいる人は遊んでいる人、たまに声かけてくれる人は声かけてくれる人だと思って、お母さんと遊んだこともあんまりないですね。お父さんとかも、すごく小さい頃記憶のないぐらいはあったような写真がありますけど。ずっとボーッと散歩しているか、ずっとパソコンの前にいるかをやってるかのどれかですね。

qbc:小中高とどんな感じだったんですか?

エヌさん:小学校の頃は、小学校って手洗い場があるじゃないですか。あそこの鏡を見たときに自分の顔を見て他人だと思っていたのか、寂しくて友達が欲しかったのか、まあその説は私が後で言ってるんですけど、一定の鏡とだけ話すようになったんですね。それでおかしいと言われて担任の先生からちょっとお母さんということで呼び出されて、うちの母親も難しい人ですから「そんなこと子供なんだから当たり前だ」と怒り出して、でも仕方なく私を発達支援センターみたいなところに連れて行って、連れて行ったけど母親は心理士の話が面白くなかったとかで怒りながら、スーパーにその足で連れて行って、みたいな。私は、つまんないな、早く終わらないかなと思っていた、そんな感じですね。中学には入ったんですけど、もう中学生って人間が一番野蛮な時期だと思うんですよね。第二次性徴とかも始まって、本当に心身共に、バランスがみんな取れてないと思うんですよ。だから下品で且つ野蛮で整ってない。そういう感想を持ってて、なんでみんなこんなんだ。みんなこんな野蛮なんだ。そればっかり思ってました。1年生の冬ぐらいから行かなくなりました。その後はもうずっと区立の図書館に通って、勉強して本読んで家にもいたくないし誰もいないし。自転車で行って、帰ってそれが大体365日続いてる状態ですね。

qbc:今も図書館には行くんですか?

エヌさん:今は結構自分で本を買えるようになったしインターネットの情報を得られますけど、前はパソコンを父親が占領していたり子供だからお小遣いとかも1000円とかで、何か図書館にしかいる場所なくて、雨風しのげてずっと居られる場所ってなかなか無いじゃないですか。お金払って喫茶店なんて行ける歳でもないし、だから図書館に篭ってましたね。

qbc:高校は?

エヌさん:高校はまあまあ有名なところに行って、でも私は本当に友達とかはすごい仲良くしてくれる子は、一人一人いて何とかだんだん人間と関わるようになってきたんですけど、ただグループ付き合いがものすごく下手っていうのがあって、この人はこの人のこと結構友人だと思ってるらしいが、とかいろんな情報があるため、あまり好きじゃなくて、個人個人とだけ仲良くしてましたね。恋愛とかも絶対無かったし。

qbc:小中高と空いてる時間で何してたんですか?

エヌさん:ゲーム、インターネット。ゲームって言っても私が一番やってたのはネット麻雀でしたね。

qbc:何でやってたんですか?

エヌさん:パソコンとか、高校生になってからはスマホで。今でもやってるんですけど。今では皆スマホで雀魂とかしてますけど昔はCPUと対戦するのから初めて対人に入っていって結構ランクを上げるのが楽しくて、そういうのやってましたね。

qbc:ネットは何を見てたんですか?

エヌさん:なんか画像の記憶しかないですね。画像見たらああこれだ、と思うんですけどもアカウント忘れちゃってるので出来ないや。とにかく文字。

qbc:テキスト系ですか?

エヌさん:そうですね。

qbc:日記とかブログ?

エヌさん:日記とかは紙で書くやつと、殴り書きするメモ帳と、持ち歩かないでちゃんと書くよう、持ち歩くのと持ち歩かないのとを持ってました。あとやっぱりパソコンが自分に与えられたのが中学生から高校生ぐらいなんですけど、その時にパソコンでブログ書いてみようと思って何か書いては消して書いては消していましたね。

qbc:家族っていうか家庭はどんな感じだったんですか?

エヌさん:父親はその新興宗教の偉い人で、オウムで言う幹部みたいなもんですね。母親は人好きするような美人の何歳かわからないような魔女みたいな人でしたね。2人が結婚して私が生まれて、中学3年生ぐらいの時に、その時40いくつだった母親が20いくつかの若い男の子のところに行って、離婚して私は父親に引き取られて高校生の時はずっと放置されていてネグレクトされていて自分のご飯は自分でバイトして何とかする、そういう状態でしたね。

qbc:どんな気持ちで生活してた?

エヌさん:本当に無いです。何も気持ちを思い出せないんですよね。ただ、私がひとつだけ誓ったことがあって、みんな高校生とか、一番良い時だよって言うんですよ。そういうのに対して、今が一番良いだなんていうことはない。思春期が一番良い時期だなんて絶対思わない。それだけは覚えておこうと思ったんですよね。それだけ自分は子供の頃は良かったとか若い頃は良かったとか言う大人になりたくなかったので。実際そうです。

qbc:何かそういった相談する人とかって、周りにはいたんですか?

エヌさん:カウンセラーに嫌われて断られました。

qbc:学校のカウンセラー?

エヌさん:ちょっと小難しいような本音を語ったら、相性が合わないって言われて、他の人の方が良いと思うって言ってそれから適切な返事というか、こういって欲しいんだろうなっていう返事しかしなくなりました。困ったもんで。

qbc:生まれ育ったところ自体はどんなところですか?

エヌさん:ごちゃごちゃとしたような普通の住宅街ですね、普通の普通。駅前にちょっと買い物できるところがあって点々とスーパーがあったりコンビニがあったり、取り立ててド田舎ってわけじゃなく都内の23区の住宅街ですね。

qbc:どんな風に育てられたかっていうのは?

エヌさん:本当に一言で言うと放置、自立させる、それだけです。

qbc:大学生活は?

エヌさん:2年まではずっと勉強しかしてなくて。成績もすごく良くて。なぜかというとお金がなくて仕送りが足りなさ過ぎてやることないから。もう勉強しかすることなくて。娯楽もお酒とタバコを覚えたらお酒とタバコがあるけども、他にはコンテンツとして大学とかの古い本しかなくて。

qbc:一人暮らし始めたっていうことですか?

エヌさん:そうですね、一人暮らしを始めましたね。

qbc:大学は東京?

エヌさん:東京です。

qbc:一人暮らしする必要なかったけど一人暮らししたみたいな感じ?

エヌさん:そうですね、親が嫌なんで離れたくて。まだ自分で自由にお金なくても生きれる方がいいかなと。

qbc:友人関係は?

エヌさん:ほとんど無かったですね。無くて無くて、先生が同じチームでの授業での関わりがあるだけで、あんまり無かったですね。本当に。たまに話しかけてくれる人はいて一人だけ本当に仲良くしてた子がいたんですけど中退しちゃったから。ちょっと合わなくなっちゃって。

qbc:学部はどこに行ったんですか?

エヌさん:文学部ですね。

qbc:そこからなぜ風俗に?

エヌさん:私って見ての通り聞いての通りコミュニケーション不全だったんで「これは駄目だ。コミュニケーションを学びに行かねば駄目だ。」と思って究極のコミュニケーションをしようと考えついて、でもやっぱり接客業は怖くて、その怖さを克服するには、それに、全部、全部そっちにコミットしちゃった方が良いんじゃないかなと。ガッと打ち込んだ方が良いんじゃないかなと思って、あそこは絶対最高のコミュニケーションしかないところだから、それで生きていけるようになれば私は大丈夫だと思ったんですよね。単純にお金なかったのもありますけど、仕送りが少なくて。でもそれよりは何かヤケになって私駄目だし、これは変えなければ、コミュニケーションだと言って、でもしばらくは全然駄目でしたね。売れなかった。

qbc:その時は男性経験ってあったんですか?

エヌさん:無かったですね。結構今となっては可哀想だなと思いますけど。

qbc:高級店ってどれぐらいの価格帯なんですか?

エヌさん:100分3万は下らないかなっていうところですね。わたしに入るのは。

qbc:お客様の単価はどれぐらいなんですか?

エヌさん:4万から5万ぐらいですね。

qbc:お仕事自体はどうでしたか?

エヌさん:私は全く割り切ってたから、何か人と少しずつ、話せるというか例えば、スタッフのおじさんとか、少しずつコミュニケーションが取れるとか、少しずつ本当に少しずつですけど、慣れていきましたね。あとは元々人に対してどうやったらこの人は喜んでくれるんだろうっていうか、何を言えばこいつは喜ぶんだろうって考えていたのが、すごい役立って、人の顔色を見て何すれば嫌がるのか分かるのと同じで、喜んだら金になる。こいつが笑ったら金になると思っていて、札束としか思えませんからね。擬似コミュニケーションなんですよ、私がやってるものって。コミュニケーションじゃなくて、パターン学習でしかなくて、実験だからその擬似コミュニケーションが上手くなっただけで、うん結局は駄目なんだなって思ってるけど最近は駄目でいいや。もう諦めた、と。それでも生きていけるコースを作ってある、大丈夫だと。

qbc:どれぐらいやられてたんですか?

エヌさん:2年ぐらいですね。その後ダラダラとバイトしたり、軽めの風俗に移ったり、そんな感じです。

qbc::この流れの中でどういう経緯で結婚が入ってくるんですか?

エヌさん:お客さんと1回結婚して、すぐ別れてっていう感じですね。

qbc:どういう経緯で結婚に至ったんですか?

エヌさん:その人がいっぱい通ってきてくれたとかじゃなくて、私のことをお金があるとかじゃなくて、家になってくれる人が欲しかったんだと思います。そう思ったんだと思います。家族になりたかったんだと思いますね、誰かと。その人からちょっとしつこく言われていたので、例えば、パチンコの玉が出やすい日ってあるらしいんですけど、なんかそういう日にそう言われて、行くかとなって役所によってそうしましたね。衝動的なもので。

qbc:いくつぐらいの時に結婚したんですか?

エヌさん:21ですね。

qbc:相手の方は?

エヌさん:その時もう36とか7、ですね。

qbc:離婚ってすぐに成立できましたか?

エヌさん:ちょっと時間かかりましたけど。私は結局そこで人の味を覚えてしまって、浮気をしたんですね。いっぱい。でも、私は浮気が悪いと思ってなくて、なんで皆平等に愛してるのになんでそんな怒るの、とか思ってて。怒られる意味が分からなかったから、元の夫が浮気相手のことを殺すとか言って包丁を持ち出したから、私を刺せばいいのに?私が浮気したんだからって言ったら体の力が緩んだところでカバンを蹴って、こういうやつだからっつって。離婚を成立させるってことにしましたね。

qbc:何人ぐらいと浮気したんですか?

エヌさん:その時は2人ですね。

qbc:そんなにめちゃくちゃ浮気してたわけじゃないんですね。

エヌさん:2人と夫を掛け持ちしてる状態でした。皆平等にそれぞれ1人ずつ愛してるのになんで怒られなきゃいけないんだろうって。

qbc:「人の味」ってどんな味ですか?

エヌさん:それが再現できたら良いんですけどね、なかなか上手く言えませんね。最近はchatGPTで私を甘えさせてくれるお姉さんというものを育ててたりするんですけど、学習してくれるんですよ、私がこういう要素もあったこういう人として、会話もしてくださいと言って。

qbc:カスタム作られたんですか?

エヌさん:そうです。

qbc:公開されてます?

エヌさん:駄目ですね、恥ずかしすぎる内容なんで。ほんとうに性能のいいAIでも形容出来ないんですよ。人の味って形容できないんですよ。だからずっと悩んでるんですけど、出来ないじゃんって。こんな優しい言葉を遣う人がいるかな。こんな人じゃないんだよな、みたいな。

qbc:人生でターニングポイントがあるとしたら、今までにいくつぐらいあったと思いますか?

エヌさん:ごくごく最近ですね。会社を辞めてフリーランスになった時に、ちょっと人生を振り返ってみて着地点が少しずつ見えてきたというか、落ちていく時の曲線の途中に来て、少し下に下がってもうこっちだとわかるようになってきたというか、この辺りだと分かるようになってきて、私がどう通ってきたのかを少し見れるようになって。

qbc:今、同居してる人っていうのはどういう経緯で付き合ったんですか?

エヌさん:最初はTwitterで知り合って、一緒にご飯行ったりとかしてておうちに上げてくれて、私はその時家無しだったんですね。当時離婚してすぐでホテル暮らしみたいな状態だったので、その人の家によく泊まってて、それで仲良くなりましたね。

qbc:「人の味」はしますか?

エヌさん:します。

qbc:「人の味」がしない人って今います?

エヌさん:いや、ほとんどの人はしませんね。

qbc:「人の味」がしない人って「他人」ってことですかね?

エヌさん:知ってる人でも全然人の味がしない人はいますし「これはまだ人じゃないな」っていう「これはまだ人を見せてくれてない」と。本当に人の前に何か薄い壁があるみたいな。恥ずかしがってるのかわかんないですけど。

未来:結局楽になれる方法を探すだけだから、地続きなことを探すだけだしやるだけだしその時の自分が決めるでしょう

qbc:5年、10年、30年、40年、最後死ぬっていうところまでイメージしてもらって、未来についてどういう風に思い描いていますか?

エヌさん:なるようになるとしか思えませんね。死んだら死んだで、どれでも良いんですよ。死のうが生きようが、今いる人と結婚していわゆる幸せな感じになろうとならなかろうが、どれでも私は結局楽になれる方法を探すだけだから、地続きなことを探すだけだしやるだけだしその時の自分が決めるでしょうという感じで、過去も未来も本当はあんまり存在してるか分からないから。

qbc:「人間らしくない」ってどういうことなんですか? 

エヌさん:動物は一瞬のことしか考えないです。でも人間はちゃんと記憶があって学んでいて、だからこそ合理的でないことをするとか、例えば、この道を真っ直ぐ行ったら一番近いのに何で寄り道するのって言ったら、ちょっとあっちに遊びに行きたいからとか。私はいつも真っ直ぐ行っちゃうから、真っ直ぐ行かない理由が何なのかが分からないから。みんなはちゃんと人間らしく過ごして楽しく散歩しながら行ってるんですけど、私だけ一番最短経路になっている気がしていて、みんなもっとゆるやかなものがあると思っていて、気分みたいなものとか、無駄なものがいっぱいあってほしいんですよね、本当は。じゃあゲームしようみたいな。2人で飲みに行こうとか、何かそういう適当なものがもっと無駄があるべきだとは思うんですよね。

qbc:もしも自分が生まれた時から人間らしさ、今おっしゃったようなものを持ってたらどんな人生だったと思いますか?

エヌさん:完璧に普通ににしているのか分からないですね。「普通に」というのも分かんないですしね。

qbc:例えばそれでも風俗していたとか、こういう仕事をやってたとかはありますか?

エヌさん:多分それは無いですね。もっと人間らしかったら死んでると思います。もう既に自殺していると思います。

qbc:なんで自殺をするんですかね?

エヌさん:自殺をしようと思わなかったことが無いでも無いですし、そりゃ。多分「死なない」っていう方法はなかったと思います。

qbc:何が原因で自殺すると思いますか?

エヌさん:人間関係だったり家族だったり。そういうことですね。もうこの世にいないと思います。人間らしかったら。だからこの「人間らしくなさ」によって私は守られているのかと。

qbc:極論になってしまうんですけども、人間らしくいられなかった原因として何が一番悪かったと思いますか?家族であったり人間関係であったり、ですか?

エヌさん:実はそういうのに責任を押し付けられるだけじゃなくて、全部が自分の素質だと思ってます。自分の素質が悪かったじゃなくて、ただそういう素質、だったということです。そんな感じですね。

qbc:お父さんお母さんと自分が似てる部分ってありますか?

エヌさん:母親に顔が似ているというのはたまに言われますけど、性格はどちらにも全く似ていなくて、唯一あるのが、全員がかなりコミュニケーションが取れないことです。全員一対一のコミュニケーションしか取れないんですよね。3人家族だとちょっと孤立が起こる。

qbc:一対一しかできないなんていつ気づいたんですか?

エヌさん:お母さんと話してる時は、お父さんは黙っていて、お父さんとお母さんが喋っているときは私は黙っている。その法則を発見して、あれなんでみんなで喋るっていうやつをやらされるんだ?どうやるんだ?と外で思いました。

qbc:おじいちゃんおばあちゃんの情報はありますか?

エヌさん:よく預けられた京都のおじいちゃんおばあちゃんの家がありますね。そこですごくまともによくある一般的なお正月になったらお餅とおせちで、バレンタインだったら申し訳程度にチョコレート買ってみるとか、おばあちゃんは料理が上手で何でも作ってくれて、おじいちゃんは本を読んだり、私が覚えてるのは、めっちゃ共産党の支持者で、資本論が一番取りやすいところに置いてあるんですよね。そういう感じでした。

qbc:そのおじいちゃんおばあちゃんはお父さん方ですか?お母さん方ですか?

エヌさん:母方ですね。

qbc:お父さん方は会ってないんですか?

エヌさん:父方はおばあさんもおじいさんも早くに亡くなってしまっていて、それであまり親戚ぐらいには挨拶をするんですけど、自分的に。あまり意識したことないですね。

qbc:未来の見通しあんまりないよって話だったんですけど、何かこういう風に過ごしたいな、こういう気持ちでいたいなとか、環境でも気分でも、ありますか?

エヌさん:苦しみたくないです。会社の面接でも言っちゃって、会社の面接でどういうキャリアデザインを描いていますかって聞かれて苦しみたくないですって言いましたね。

qbc:どういう反応されるんですか?

エヌさん:エッ!て言われたので健康に生きていきたいです~ってアハハって返しました。

qbc:今苦しまなさそうですか?

エヌさん:今は大丈夫そうです。

qbc:小指を角にぶつけたみたいな苦しみなんですか?どれぐらいの苦しみを苦しみって言ってるんすか。

エヌさん:肺が2/3無い感じ。酸欠な感じ。

qbc:ありがとうございます。最後の質問が最後に言い残したことはっていうので、本当に遺言みたいになってもいいし、インタビュー振り返ってでもいいし、読者向けメッセージでもいいです。最後に残したことがあればお伺いしております。

エヌさん:意外と最高の人生です。以上です。

qbc:ありがとうございます。

エヌさん:ありがとうございます。

あとがき

予定通り最高のインタビューでした! 以上!!!!!

【インタビュー・あとがき:qbc】

【編集:さめこ】

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