見出し画像

【カナダ】(インタビューして)意外と今までの人生に満足してるんだなって思えた人

人はなんで悩むのだろうかね。
悩まない人いるんだろうか。
そう言われたら私qbc、悩んでない気がする。もちろん問題は抱えてますよ。こうしたいんだけどうまくいかない、なんだかモヤモヤして不安だ。まあ、あります。
いちおう40も過ぎてるんで、曖昧な問題はあんまりないです。
ちゃんと、「10のものを100にしたい」とか。問題を解決可能な課題に定義します。
で、「今できないなら、できない理由をあげて、それができるまで時間を待ちます」。その待っている間に自分の人生が終わってしまうかもしれません。でも、問題が解決するまでに自分が死んでしまうのなら、それはそういう運命だったんだな、と思います。
暗く鋭い執念、願いがあったとしても、そういうダークな力でもってしても叶わないのならば叶わないのでしょう。そういうものです。
ただ、この時に「10のものを100にしたい」「今できないなら、できない理由をあげて、それができるまで時間を待ちます」みたいな計画ができないと、悩みっぱなし。こういうことができるようになったのは、30も後半になってからかなあ。
これは明確に自分の中では説明がついていて。
私、10代20代は一人で小説を書くことに夢中になっていて、チームっていうのはあんまり意識してなかったのよね。でも30代後半からサラリーマン人生の中で控え目なリーダーシップをとらざるを得ない場面がふえてきたんですよね。
控え目なリーダーシップってなんじゃい! と言ったらつまりサーバントリーダーシップと呼ばれているものでして。なんていうのかな、自分ができないことを他人にやってもらってプロジェクトを成功させる、という場面が増えてきたんですよね。で、そうなると自分の力だけではなんともならなくなってきて、でも、目的は達成しなくちゃならない。
じゃあ、どうやったら達成できる? となると、その問題課題を言葉にしていくんですよね。で、それを使ってチームに説明してモチベーションをあげてもらったり、新たに予算を追加してもらったり、とか。なんちうか。ね。つまりね。言いたかったのは、一人で生きているとお悩み解決力の鍛錬スピードが遅くなるのでは、と思ったのよね。
ごめんなさい。めちゃ長いまえがきになった。
ということで本日の無名人インタビューもよろしくお願いいたします!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは ふじたま さんです!


現在:何もしていない人と言いたいです。

qbc:今、何をしている人でしょうか?

ふじたま:これ難しい質問なんだよな。これって説明できるようなものは、特に自分の中で何もしていないなと思っているので。何もしていない人と言いたいです。

qbc:何かしている時代はありましたか?

ふじたま:会社員時代、こういうお仕事してましたっていう肩書きがあった時期は、何かしていたなっていうふうに思ってます。

qbc:なるほど。平均的な1日のタイムスケジュールってありますか?

ふじたま:6時半ぐらいに起きて、朝ご飯を食べたり朝の準備をして。
8時ぐらいからかな、2時間ぐらい瞑想したり本を読んだり、好きに時間を過ごして。
その後はちょろっと仕事というか、そういうのを少しやって、あとは自由に生活してる感じです。

qbc:お仕事は何をされていますか?

ふじたま:留学生のカウンセリングとまではいかないですが、相談があるって言われたら相談に乗ったりとか。
あとは、語学プログラムを提供する会社で働いているので、そこでオフィス事務的なことをしています。

qbc:いつ頃から、何もしてないなっていう感覚になったんですか?

ふじたま:3年ぐらい前ですかね。

qbc:何もしてない自覚を持ったきっかけは何ですか?

ふじたま:今している仕事だったり、前の仕事もそうですが、もうやりきったなとか、自分の中でもういいかなって思うタイミングが3、4年ぐらい経つといつも来るんです。
そう思ってからは日本で働くのはやめたんですけど。
今カナダのトロントにいるんですが、今の仕事を続けている中で、やっぱり違うなっていうのが出てきたときに、自分で何かを模索し始めて。
自分が何がしたいのかっていうのを模索し始めたのが3.4年前なんですが、人に何してるんですかって言われて自己紹介するときに、オフィスで働いてますっていうのに違和感を覚えてきた時期も3.4年前ぐらいなので、何もしてない自覚を持ったのもそれぐらいのタイミングだったかと。
自分にこれっていう肩書きがなくなったというか、肩書きで自己紹介をしたくなくなったのがきっかけだった気がします。

qbc:ちなみに今住んでいるのはどこですか?

ふじたま:今はカナダのトロントに住んでいます。

qbc:それが何年前からですか?

ふじたま:2016年からなので、8年前になります。

qbc:何もしてないことに対して、悩んだりしているんですか?

ふじたま:以前は悩みました。何してるんだろう、何もすることがないっていう。
自己紹介とかもできないし、自分は何者なんだろうみたいなのをすごく考えていた時期もありました。
何かしなくちゃいけない、っていう思い込みがすごく強くて……。
ですが、それを1年2年ぐらい続けた結果、何もしなくても別にいいんじゃないかって。
なので今は、ネガティブなニュアンスを含んでいることは、自分の中ではないです。

qbc:ただ肩書きをつけるだけならば簡単なことかと思いますが、なぜそうしなかったのでしょうか?

ふじたま:自分が行きたい方向性だったり、やりたいものっていうのが少しずつ見えてきたんですが、方向性はあっても、明確にはなってないから言葉にできなくて。
例えばオフィスで働いてますとか、ヨガのインストラクターですっていう誰もが知ってる言葉でカバーしてしまうと、本当に伝えたい思いが伝わらないなって思うんです。
この人はヨガインストラクターしてる人、この人はオフィスで働いている人っていう印象をつけてしまったときに、そういうふうに思い出されるのが私の中で嫌だなって。
例えばお仕事のコラボの話がきたとしても、ヨガの人だからヨガ教えてくれるよねって決めつけられるのが嫌で。
私はヨガよりももっと深い精神面のところを話したいのにってなると、何か違うなって感じたことが何回かあったので、紹介ときにしっくりこないものは使わないようになりました。

qbc:周りの人からは、どんな性格だと言われますか?

ふじたま:素直な人かな?嘘がつけない素直な人。あとは、めちゃめちゃ考えるよねっていうのは言われますね。

qbc:考える対象ってなんですか?

ふじたま:自己分析とか、人生どう生きていきたいかとか。
あとは自分のスピリチュアリティみたいなところ。それに付随して、この世界は生きづらいっていう人が意外といたりとかするのかなとか。
人間的な部分ですかね。そういうのをすごい考えてます。

qbc:自分自身ではどんな性格だと思いますか?

ふじたま:友達から言われる感じと多分似てると思うんですが、言われたことは無視できないから、不器用だなとは思います。
自分が本当に腑に落ちないとやらないし。
なので、人が何でそれを言ったのかっていうところも気になっちゃったりとか、何でそれやろうって思ったのかとか。何でこれ好きなのっていう、人がそう思った根本の部分が知りたくなっちゃうんです。
もしかしたら面倒くさいって思われてるだろうなって思うときもあります。
知りたくなっちゃうっていう、面倒くさい性格かなと。

qbc:パートナーや親友など、身近な方からの印象はどうですか?

ふじたま:面白い?かな。
笑わせるような芸人さんの面白いじゃないんですが。突き詰めちゃうタイプなので、そんなふうに考えるの面白いねとか、嘘つけないからやるしかないもんねとか、悩むのも好きだよねとか。近い人からはそういうふうに言われます。

qbc:ご趣味は?

ふじたま:精神面的なこととかスピリチュアリティのこととか、人生観とか、そういった本をめちゃめちゃ読んで、それを実践すること。
瞑想もしかり、ヨガもしかりですけど、学んだことを日常に実践することが趣味です。
 
qbc:最近の新しい実践は?

ふじたま:非二次元・ノンデュアリティと言われる分野の本を3ヶ月前から読んでいるんですけど、それが結構新しい考え方や視点だったりして、すごい面白いなっていうふうに思っていて。
今実践しているのは、私結構思考を使いがちだし、気分も揺られがちなんですけど、昨日起こったことと、昨日の夜夢で見たことに何の違いがありますか?っていうのがあって。
どちらも証明できないし、夢を説明してもらったとしても昨日の話を説明してもらったとしても、どちらも証明できないから同じじゃないですかみたいな。
だからあなたが昨日って言ってるものも、実は夢なんですよみたいなニュアンスが書いてあって。
これもし全部夢って捉えたら、過去のあれやっちゃったとかっていう罪悪感も、夢なんだったら忘れればいいやっていうので、それを実践してます。
忘れようというか、夢だから別に忘れるも何も、気にすることないんだっていう。そういうふうに捉えるようにしていると、気持ちの切り替えが早くなったりするので、トライアルで続けてますね。

qbc:考えない瞬間ってありますか?

ふじたま:考えない瞬間は、瞑想してるときとかですかね。

qbc:瞑想以外には何かありますか?

ふじたま:掃除してるときかな。掃除好きなので。
あとは本読んでるときも没頭してるので、思考は働いてないのかなって。
基本それぐらいかもしんないです。

qbc:最近一番楽しかったことは何ですか?

ふじたま:最近……これ楽しかったっていう気分の上がり下がりがほとんどないので……。

qbc:一番じゃなくてもいいですよ。

ふじたま:久々にワンピースのアニメ見たことですかね。こっちであんまり見るタイミングがないんですが、まとめて見られて、ついにあのシーンまで追いついて。
そのときはすごく楽しいなって感じます。その後に伏線回収だったりとか考察しているYouTubeを見るのが、今はすごく楽しいなと。

qbc:自分を家具に例えたら?

ふじたま:電気だと思います。

qbc:えっ。形状とかは?

ふじたま:垂れ下がってる、丸い形の。

qbc:理由は何かありますか?

ふじたま:電気ってついたり消えたりするけど、必要なときに人はつけるじゃないですか。
だから、常にそこにいるけれども、必要なときにしか姿を現さない。
私ここにいるよーみたいなのではないけど、必要なときにそこにいてくれる存在になりたいと思っているので、そうであったらいいなと思います。

qbc:好きな食べ物は?

ふじたま:キムチ!

qbc:どうやって食べるのが好きですか?

ふじたま:普通にご飯の上にも乗っけますし、あとは炒めるかな。炒めると、旨みが増す気がします。

過去:この留学が、自分は何者なんだろうとか、何がしたいんだろうとか、どう生きていきたいんだろうっていうのを考えるきっかけになったと思います。

qbc:子供の頃は、どんなお子さんでしたか?

ふじたま:めちゃめちゃ臆病だったと思います。何をするにしても、新しいことが苦手で。
小学校一年生のときとか、学校に行き始めた1年目は毎日泣いてました。
親をめっちゃ困らせてたし、友達よりも先生がいてくれると落ち着くというか、先生に会えば保育園にも行けました。
小学校のときも、先生がすごい優しいおばあちゃんの先生だったんですけど、その人が私のことをよく理解してくれてたので、ちょっとずつ安心して行けるようにはなっていったと思います。
ですが、とにかく小さい頃は新しいことが苦手で、慣れるまではすごいストレスを感じてたと思います。

qbc:新しい「環境」ですか?

ふじたま:環境もそうですね。あとは、今までやったことない、新しいこと。
本当に些細なことですが……冬になると、コートかけるじゃないですか。
小学校一年生のとき、このコートどこにかければいいんだろうみたいな。それがわからないから不安で学校行きたくなくて。
水泳の時間に帽子をかぶるときも、先生ができるだけ髪の毛中に入れてくださいねって言うんですけど、その当時すごいショートカットだったので、中に全部入れるっていうのが難しくて。それを何時間も泣きながら練習して、全然髪の毛中に入らないけど明日プールどうしよう、とか言って。そういう感じが結構長かったかなと思います。
不安や心配で、どうしようみたいな。

qbc:今はそういうことはないですか?

ふじたま:今も多分あると思います。ですが、人生経験がカバーしてくれる部分が多いし、どうにかなるだろうと思えてます。知識に基づいて生きていけてますが、未だに新しいとこ行くときは不安を感じたりとかはします。
ですがその辺は、経験値でカバーできてるかなって感じです。

qbc:好きだった遊びは?

ふじたま:結構外で遊んでたイメージがあります。一輪車したり、ドッチボールしたり。
小さい頃は団地に住んでたので、友達みんなで自転車に乗ったりして、外で遊ぶのが多かったし、好きだったなって思います。

qbc:友達関係はどうでしたか?

ふじたま:団地に住んでいたんですが、会社の寮だったので、転勤の人が集まっていて。
私は地元だったんですけど、仲良くなる子は1年で転校しちゃう子が多くて。
なのですごい仲良かった、みたいな子は小学生のときはいなかったです。
中学になって部活始めてからは、部活の仲間と遊びに行ったり練習したりしてたので、基本的には女の子の友達が多かったですね。
むしろ女の子しか、友達として遊んでる子はいなかったかもしれない。

qbc:小・中学生の頃は、どんな過ごし方をしていましたか?

ふじたま:小学校のときは意志も弱く、不安症だし、何でもかんでも弱かったなぁというふうに記憶をしていて。
なので、クラスのボスみたいな女の子にいいように使われてたイメージはあります。
その子と同じクラスになった3年生と5年生のときは、すごい学校嫌いだった気がします。
ですがいつからか、急に覚醒したんですよね。
6年生のときに、そんなに私にあれこれ言ってくるんだったらもう友達やめてもらっても構いません、みたいなことをその子に言った気がします。
そこから変わって、中学のときは割と部活のみんなとも仲良かったです。

qbc:なるほど。

ふじたま:目立ちたくないし、揉め事が嫌いなので、どちらかといえば後ろに隠れていたいタイプ。問題が起きたときはどちらかといえば仲介役みたいな立場が多かったかなと思います。

qbc:中学では何の部活に入ったんですか?

ふじたま:テニス部に入りました。

qbc:高校の部活は?

ふじたま:最初の半年ぐらいはテニス部だったんですけど、日焼けするのがすごく嫌になっちゃって。途中で辞めてからは、帰宅部です。

qbc:高校はどんな生活でしたか?

ふじたま:結構自分が行きたいと思ってた高校に頑張って勉強して入ったから、満足しちゃってた部分があって。
そもそもそんなに勉強が好きじゃなかったのに頑張って入ったので、入ってからはもう全然勉強ついていけなくなっちゃって。やる気も起きないし……。
なので、勉強面とか生活面では落ちこぼれてたなっていう気はしていて、劣等感もあったなとは思うけど、それを改善しようという努力は全くしなくて。
ただただ、友達と楽しく過ごしたなっていう記憶で終わってます。

qbc:その後、進路・進学は?

ふじたま:大学に行きました。中学までは共学だったんですけど、高校と大学は女子校を選んでいて。結構ずっと女子が周りに多くて、すごい楽しかったなっていう感じです。

qbc:大学では何を勉強していたんですか?

ふじたま:マネジメント学部みたいなのに入っていて、経済関係を専攻していたはずなんですけど。
家庭的に金融機関が多かったので、自分もそういうところに将来的に行くんだろうなっていうのでこの学部にした記憶があるんですが、大して学んだことはなくて。
高校時代勉強してないので、大学も勉強しなくても行けるようなところに行ったから、周りもそんな勉強好きじゃない人たちが多くて。とりあえず出席してれば単位取れますみたいな感じ。
だから、何かこれを勉強しましたっていうのは、ないですね。

qbc:大学卒業後は?

ふじたま:思っていた通り、金融機関に務めました。生命保険会社の事務、営業サポートみたいな。

qbc:入社してみて、どうでしたか?

ふじたま:会社はすごい好きでした。お休みも取りやすいし、メンバーもすごく良くて。
給料もボーナスもまあまあいいし、最初の3年くらいはすごく満足してました。
そこから仕事に慣れてきて、後輩ができるようになって。
続けていくうちに、この仕事は私じゃなくていいよなって思ってきたときから、自分って人生何したいんだろうって思うようになりました。
先輩を見てると、10年後、給料がこれぐらい上がってポジション的にもこれぐらいについて……と、自分はこうなるんだろうなっていうのが見えてきた。
先輩を見ると、自分の人生も見える感じがして。
誤差はあっても、みんな大体こういうスケジュールで人生流れていくんだろうなっていうのが見えたときに、このままでいいのかな、自分何がしたいんだろうなって考えてました。

qbc:それで海外に行こうと思ったのですか?

ふじたま:はい。留学に行ってみたいなっていう気持ちが多分どっかにあったんでしょうね。
ワーホリっていうキーワードが出てきて、会社辞めてワーホリに行くかってなったのが、カナダに来た最初ですかね。

qbc:カナダで過ごし始めてどうでしたか?

ふじたま:日本にいると決まった情報だったりとか、留学とかワーホリの良い面ばかりが書かれてたりとか。1年ぐらい行ったら英語できるようになるし、語学学校にこれぐらい行ったら友達できるしっていう、そういう良いイメージだったり理想を持って来たんですけど、実際に来たら、そんなこと全然ないじゃんってことはすごく多くて。
最初の2ヶ月ぐらいで、やばいぞってなってましたね。全然違うじゃん、って。

qbc:何が違いましたか?

ふじたま:語学学校に行っても、英語なんか喋れるようにならない。
それなのにその事実は伝えられずに、語学学校を何ヶ月分も日本で申し込んできてしまって、キャンセルが効きませんとかっていうのが、私も含め周りにすごく多くて。
キャンセル効かないから行かなきゃっていうのは、違ったかなっていう。
それに、現地の友達できますって書いてあるけど、できない人もいる。
「行ったらできる」みたいなニュアンスで書かれてるのを読んじゃってたので……。結局は自分で行動しない限り、行っただけじゃできやしない。
留学生の友達はできても、現地の人と関わるなんて自分で積極的に話しかけない限り、ネイティブイングリッシュスピーカーの友達はできないっていうのは、大きな違いでした。

qbc:語学学校以外でも、思っていたことと違うことはありましたか?

ふじたま:仕事自体も、ローカルなカフェで働いて現地の人と仲良くなってとかっていう理想はあったんですけど、語学学校を卒業したレベルの英語で働けるとこって本当に少ないから、カナダで仕事を選ぶっていうのも思ってるようにいかなかった。これも大きな違いだった気がします。
しかも全然日本に帰って使えるレベルの英語にならなくて、ただ遊びに来たみたいになっちゃったし、何を持って帰ろうっていう。
そのときもう20代後半だったので、みんなが結婚、出産、キャリアを積んで、ってやってる中で辞めてきて、自分は帰ったら何したいんだろうって。
でもこの留学が、自分は何者なんだろうとか、何がしたいんだろうとか、どう生きていきたいんだろうっていうのを考えるきっかけになったと思います。
ですが、大きな理想と現実のギャップがあったなって思ってます。

qbc:1年間のワーホリ期間を経て、その後は?

ふじたま:ビザが切れたので、一旦日本に帰りました。
別に英語は好きではなかったんですけど、少しは喋れるようになったんだからそれをメンテナンスしてかなきゃって思って、英語を使う仕事を探すようになったんですけど。
TOEICが良いからって喋れるわけじゃないし、そもそも英語に自信もなかったし……。
外国人が集まるようなホステルやカプセルホテルで働いてみたり、英会話カフェの受付をやってみたりしたんですけど、それでもすごく違和感が残って。自分の中でこれじゃないよなって。
当時は周りに、1年海外に行くような人がいなかったので、そういう話をできる人がいないし、周りに話してみても、違和感があるとかなんか違うっていうのは、甘えじゃないか、みたいな雰囲気があって。
みんな頑張ってるよとか、嫌だけど続けるのが当たり前だよ、みたいなことが多かったので、これ人に話してもわかってもらえないなっていう気持ちが強くなって。
帰ってからが、人生で一番どん底期でした。

qbc:カナダから帰ってきて、日本で仕事を再開したのですか?

ふじたま:このままだと精神的に潰れるなと思って、もう1回カナダに戻りました。
試行錯誤しながら手に職をつける方法を見つけて提供してもらったりとか、苦しい思いしている留学生ってすごい多いなっていうのがわかったので、そういう人たちのお話聞いたりとか、どうしていくのかみたいなカウンセリングを始めたりとか。

qbc:お仕事以外は?

ふじたま:自分の精神面での成長が一番だったので、そのときに出会ったクンダリーニヨガから精神面を学んだり、アメリカにトレーニングを受けに行ったりして。結構そのヨガのおかげでいろいろ世界を飛び回るようになって、そこから英語も伸びたっていう感じがしていて。今に至るって感じです。

qbc:なぜ2回目の渡航もトロントだったんですか?

ふじたま:ワーホリしていた留学生時代、日本から語学学校に4ヶ月申し込んでトロントに飛んできたんだけれども、これ日本でやってたことをただカナダでやってるだけだみたいな、何も変わらないっていう危機感を2カ月目で感じて。お金戻ってこなくてもいいからやめようって思って、私はそこで辞めたんですよね。
それで他の英語の勉強方法はないだろうかと思ったときに、街の人に声をかけるという現地でしか出会えないプログラムみたいなのをトロントで見つけたんです。
教室もなくて、テキストブックは一切使わない、リアルな英会話を学ぶ。英語のコーチもついていて、外に連れ出してもらって、実際に外の人に話しかけたりとか、実際に現地で使われているセンテンスフレーズみたいなのを学んでいくっていう、超リアルな実践のプログラムで。
語学学校ではなかったんですけど、そのコーチプログラムに参加したのがきっかけで、これこそ日本人が必要なことだ、って思って!
周りがみんな悩んでいた、語学学校行っても伸びないし、どうやって話しかけたらいいかわかんないしっていうのを解決するプログラムがこれだっていうのを、自分で受けた結果実感して、それを友達とか困ってる留学生に伝えるっていうのを勝手にやってました。宣伝みたいな。
その会社でずっとボランティアとして働いていて、海外にまた行くと決めたときに他の国も考えたんですけど。
そのときやりたかったことが、同じ留学生で理想と現実のギャップで悩んでいる現地の人にプログラムを伝え続けていくっていうことで、自分ができることでもあったので、もう1回その仕事をやらせてもらおうと思って戻ってきたのがきっかけです。戻ったところで雇ってもらえる確証もなかったんですけど、とにかく行動しました。
その会社があるのがトロントだったので、カナダに戻ってきた感じです。

未来:何も持たない方が自分を縛り付けることもなく、ある意味未知の世界に入っていけるんじゃないかなって。

qbc:未来はどんなイメージを持っていますか?

ふじたま:未来のイメージは、あまり持たないようにしています。
なので、ないですが……しいて言うなら、すごく手を伸ばしているイメージ。
写真のイメージ的には、人がいて、大草原みたいなところでワーッて伸びをしている。「わぁー軽い!すっきり、イェーイ!」みたいな。心配事も、なんにもない状況。
そういうふうに生きていきたいなっていうのはありますけど、こうなっていたいとかっていうイメージを極力私は持たないようにしています。
精神的にそうありたいっていう感じで、物質的に目に見える形ではないです。

qbc:明確にそうしたいと思ったきっかけは何ですか?

ふじたま:この2.3年、自分でやりたい方向性が出てきたときに、いろんなコーチングプログラムでビジネス組み立てますとか、どういうふうに形にしていくかとか、自分のことを明確にするにはどうしたらいいかみたいなのを散々やってきたんですけど。
私は毎日生きてるだけで人は成長してるなって思ってるので、自分を縛りつけて、これを形にしていこう、これを大きくしていこうっていうのって、不可能なのかもって思うようになって。実際私は、不可能だったんです。
好きなこととかワクワクすることとか、魂の使命とか……そんなの考えたって出てこないし。
好きなことを続けるって言っても、その好きも変わっていくだろうから、そこに固執しなくてもいいかなって。自分がそれを2.3年やって、苦しかったんですよ。
好きなことを見つけなさい、楽しいことを続けなさいって、社会で言われてることをやってみた結果すごくつらかったので、辞めようってなったのがきっかけです。
何も持たない方が自分を縛り付けることもなく、ある意味未知の世界に入っていけるんじゃないかなって。そこで気持ちが軽くなったので、明確に辞めようって思ったのは半年ぐらい前ですね。
その前はずっと、どういうふうに形にしていけばいいか、私の好きなのはこれだから……とか、どうにかしようとする努力をめちゃめちゃしてきた気がして、結局うまくいかなかったので、辞めました。

qbc:実際辞めてみてどうですか?

ふじたま:すごいすっきりしてます。自分の中でいろんなことが腑に落ち始めていて、辞めてよかったなと思ってます。

qbc:自分を動物に例えたら?

ふじたま:牛。
如何様にも、使っていただけるから。
何かあったら人に肉として提供できるし、ミルクも出るし。何もしてない放牧されてる牛も、見て癒やされたりとか。
それ言ったらニワトリとかもそうだと思うんですが、いろんな用途で使っていただけるものだったりとか、ヒンドゥー教だったら牛は神になったりとか、いろんなトランスフォーメーションができるのがいいなと思いました。

qbc:現時点で人生の状態に点数つけるとしたら、何点ですか?

ふじたま:毎日、100点満点な気がします。

qbc:100点が連続になったのって、どのタイミングからですか?

ふじたま:2年前に日本に帰ったとき、街頭アンケートみたいなインタビューされたことがあって。今の生活に満足してますかって聞かれたときに、既に85点とか90点って答えてたんで、それぐらいからかな。
100点満点が始まったのはこのタイミングっていう記憶は定かではないですけど、1.2年前ぐらいだと思います。

qbc:カナダに1回行って、日本に戻ってきたときの点数は低いんですよね?

ふじたま:はい。そのときは低いというか、死にたかった(笑)消えてしまいたかったぐらい。点数とかなかったですね。なくなってしまえばいいのに、と思ってました。

qbc:冒頭にした、「今何をしてる人ですか」っていう質問、何か不満ありますか?
こう聞かれること自体がナンセンスというか……この質問、どういう印象ですか?

ふじたま:特に何も……。そこに感情の動きはなかったんですけど、いい意味で、答えづらいなとは思いました。考えさせられるし、自分の現時点が把握できる質問だなとは思いました。
特に精神面で。

qbc:何をしてるときが一番楽しいですか?

ふじたま:今は、本を読んでるときが一番楽しいです。
日によって変わりますが、今思いつくのは、本読んでるときと瞑想してるときが楽しいかな。自分の中で、いいも悪いも何かが見出せたとき。
「こういうことだったのか!」っていうのが見出せたときは、楽しいなと思います。

qbc:もしも無限の活力が手に入ったら、何をしてみたいですか?

ふじたま:拠点を移してみたいかもしれないです。
お金も時間も、精神的にも、全てのパワーが備わったら、拠点を移してみるのも面白そうかなと思います。
場所はコスタリカとかバリとかハワイとか、暖かくてビーチやジャングルがある、自然豊かなところがいいかなと思います。

qbc:拠点となる土地に、ヨガ要素は必要ないですか?

ふじたま:必要ないですね。ヨガは自分でやればいいだけだから。

qbc:もしもカナダにもう1回行っていなかったら、どういう人生になったと思いますか?

ふじたま:どこにいてもたどり着く先は一緒だと思うので、多分精神的な面では同じだったのかなと思うんですけど。
実際の生活面だったり、物理的な面で言うと、社会の圧力に負けてたかも。心配性だから、焦って結婚してたりとか。
自分のタイミングだからっていうよりも、みんながそうしてるからっていう人生になっていそう。
それが悪いわけじゃないですが、自分が欲しかった方向性ではなくて、社会に流された選択をして、家庭を築いて、また会社に戻って働いたり、安定みたいなのを手に入れて。
そんなことしながら、また繰り返していたと思います。これでいいのかな、みたいな。
結婚したし子供もいるし、仕事もずっとしちゃってるけどこれでいいのかなっていう、振り返りのターニングポイントが来て、そこからまた精神面でのディスカバリーとかが始まってたんじゃないかなとは思います。
精神的にはたどり着くポイントは一緒だとしても、物理的なものは今よりもっとしがらみが多かったかも。

qbc:カナダに環境を変えたっていうのは、大きかったですか?

ふじたま:当時、住む場所を変えたっていうのはすごく大きかったと思います。

qbc:留学生のケア以外に、トロントに戻るトリガーになった要素は?

ふじたま:パートナーがいたことですね。今もなんですけど。
なのでその人がいたっていうのも、戻ろうと思ったきっかけにはなったと思います。
最初のワーホリのときに知り合ったパートナーだったんですけど、当時はまだ友達みたいな感じで。
カナダに戻るんだったら、新しいところもいいけど心配もあったので、顔なじみの知り合いがいる場所がいいなっていうのもあって。
それがトロントになった要素の一つではあった気がします。

qbc:他にはありますか?

ふじたま:慣れ親しんだっていうのがもちろん大きかったんですけど、ワーホリに来て1年目って、日本とトロントの違いがすごくあって。
1年目って、私の残ってる印象だと、良いトロントのイメージしか残らない。
日本でこういうところ嫌だよねとか、ここが日本の良いとこだよね、って両面あるけど、反対にトロントってすごいここが良くてっていう、良い印象だけが残ってて。
だから、もうちょっとこの国のことについて知りたいというか、この土地の生活文化に慣れたいっていうのもあったかもしれません。
でも2年目になると反対のことが起きて(笑)
慣れてきたからこそ、日本のここって意外とよかったんじゃんとか、日本のこれが良いってなってきて。
両方のバランスが取れてきたのは3年目ぐらいだったと思います。良いも悪いもなく、トータルで見て、日本とトロントのそれぞれの特徴を掴めたのは3年目かな。
1年目はトロントの良いところが私の中の全部だったので、日本のここが嫌だからっていうので選んだのも一つだったかなと思います。

qbc:ご家族とはどんな関係だったんですか?

ふじたま:あんまり深い話をした記憶はなくって。親がしないからっていうより、私があんまりそういう話を親にしたくなくて……。
ジャッジされるというか、反対はされないけど、とりあえず親も意見は言うから、それをどうしても否定的に捉えられちゃうんですよね。私、昔はすごく肯定されたい人間だったんですけど、親は親なりの意見もあるから、それをどうしても否定的に感じられちゃって、この人たちに話してもわかってもらえない、みたいな。
結構仲は良いですけど、深い話をするような関係ではなかったな。留学のときもすごいぶつかったので。
昔は母とすごい仲が良かったんですけど、留学を経てからは父と仲良くなったというか、話やすい存在になったなっていうのは思います。
あと妹がいるんですけど、妹とは変わらず、ずっと仲良しです。

qbc:最後に、言い残したことがあればお伺いします。

ふじたま:インタビューという形で初めて自分の人生を振り返らせてもらって、意外と今までの人生に満足してるんだなって思えました。
生きてきた過程とか、これからいく方向性とか、タイミングごとで見たりすると、不満があったり悩んだり立ち止まったり、それこそ本当に死んでしまいたいとか消えてしまいたいと思うタイミングとかもあったし、これからもあるんだろうけど……。
でもこういうふうに全体的に振り返ったりとか、話をしてみると、そういうポイントも満足してきてるんだなって感じて、感謝したい。自分自身にも、そういう環境を与えてもらってるってことにも、大きな何かに感謝。
そういう流れっていうものがあるんだなっていうのに感謝だったり、ありがたみを今すごく感じています。
なので、この機会を与えてくださって、本当にありがとうございました。

あとがき

世間体、一般論、肩書き……これらに惑わされる人生よりも、自分の大切なことを大切にできる人生を送りたい。
生きていればたくさんのしがらみがあり、自分自身も「何者か」にならないといけない衝動に駆られますが、別に何もしてなくたって良いじゃないですか。
生きてるだけで、みんな素晴らしい。

悔しくて涙したり、不安で押し潰されそうになったり。時には消えてしまいたくなる夜もありますが、そんなときも、生きよう。乗り越えた先で、強くなった自分に必ず会えるから!!
ふと振り返ったときに、「なんだかんだ、自分の人生満足だわぁ〜」って思えたら、これ以上ない人生を歩めてるってことなんです。

ふじたまさん、ありがとうございました!
【インタビュー:qbc】

【編集・あとがき:misato】

#無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #海外 #カナダ #ワーキングホリデー

マガジンで過去インタビューも読めますよ!

インタビュー参加募集!

この記事が参加している募集

自己紹介

いただいたサポートは無名人インタビューの活動に使用します!!