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何にもならない。それが私のゴールなのかもしれない人

無名人インタビューやってきて、おおよそ1,000人の人生を、ただ、ほんとに眺めてきて。
金銭目的じゃなく、その人の本心を知ろうとするのでもなく、ただその人らしさってなんなんだろうな、引いては人間ってなんなんだろうなって考えながら聞いていたら。
そうしたら、人って、なんか意味ないなって思ったのよね。
もともと、そう思っていたのかもしれない。
確かに偉大な発明、偉大な技術による不幸の減少、そういうもの、そういうこと、あるよ。脳が変形するくらいに嫌なこと、心臓が爆発するほどの痛みや苦しみ、絶望、そういうの。でも、それも、人間という生き物の長い歴史の中で、一人一人の物語は、飲みこまれていく。近づけば、個人は、人は、そこにいる。でも、遠くから眺めれば、人間の人生にはやっぱり意味がない。
だから、初めて、何もかもの意味を失ってから初めて、生きていることに意味を見つけようと思う。そういう、ゼロの感覚を味わったとき、虚無の恐怖みたいなのを知ったとき、ああ自分は無意味で、何者でもなく、でもだからこそ焦ることなく、ゆっくり、ただ生きていけばいいのだと思ったりする。
良い人生を。お互いにね。ありがとう。愛してる。
と思う2024年4月29日22時30分に書く無名人インタビュー734回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】

今回ご参加いただいたのは sumi さんです!

年齢:30代前半
性別:女
職業:接客


現在:相手がどういう心境でいるのかとか、今自分が起こしたアクションで相手がどう思ったのかどう動くのかを常に考えるので、さっきの休日の話とも紐づくんですけど、予定を完全に詰めてしまうとパンクしちゃうんですよね。気を遣わないができないので。

イワナ:
sumiさんは現在何をされてる方でしょうか?

sumi:
販売の仕事をしています。具体的に言うとアパレルで接客をしてるんですけれども、もう1年半くらいになるのかな。転職しまして、今、そうですね。毎日、洋服売ってますって感じです。

イワナ:
お洋服は好きなんですか。

sumi:
アパレルブランドに強いこだわりとかっていうのは元々なかったんですけど、いろんな仕事に興味があって、やってみたいなぐらいの小さな興味から転職をした感じです。

イワナ:
そのアパレルの仕事はどういうところがやってみたいなって思うきっかけになったんですか。

sumi:
これまでずっと医療福祉の業界で勤めていて、10年働いてたんですけど。
病院とか介護施設とかになるとやっぱり結構閉鎖的なところがあって、外界とシャットアウトされた環境の中でご高齢の方とか、体を痛めた方のお世話をするようなお仕事だったんですけど、
そこと全く違う楽しい気持ちで、お客様が来られたりそういうポジティブな感情に触れられるお仕事に就きたいなと思って販売接客そうですね、そっちを選んだ感じです。

イワナ:
実際お仕事されて1年半ぐらいっていうことだったんですけどアパレルのお仕事はどうでしょうか?

sumi:
正直すごく大変です。アパレルって私ちょっとなめてかかってたところがあったんですよ、正直。介護10年やりましたし、体力仕事も苦しい業務も私自身かなり自信があったんですけれども。
いや、大変ですねもう本当に片時も座ることができずに、歩数計で言うと1日1万2000歩ぐらい歩くんですね。作業の量も多いですし、重たいものを抱えたりする仕事も多くて、思っていたより肉体労働だなと思います。

イワナ:
お仕事に対する今のモチベーションというか、気持ちってどのぐらいの感じですか。

sumi:
私が今勤めてるところが、店長だから偉いとか長く勤めてる人が偉いではなくて、何か1人1人に専門のものというかその人それぞれ特化したものを任せてもらえるんですね。
ので、各々責任感持って自立した営業ができるっていうんですかね。ただ売ってればいいっていうだけじゃなくて、その部門に関しては店長がお願いをしに来てくださったりとかもするんですよ。
例えばマネキン作るの上手だからsumiさんやってよ、みたいな感じで投げてくれたりとか。やっぱそこは何て言うんですかね。もっと磨こうと大きなモチベーションになりますね。

イワナ:
1日のスケジュールってどんな感じで過ごすことが多いですか。

sumi:
そうですね、4時半から5時には起きて、お弁当作ったり身支度をして6時半頃家を出ます。7時半から17時までの仕事を終えればその足で食材買い出して帰って、家事や夕飯の支度をして、帰りが遅い主人と夕飯を合わせてるので寝るのが今2時とかなんですよ夜中の。なので、慢性的に睡眠不足です。

イワナ:
寝るのが2時間3時間ぐらい、それってご自身の体調的にはどうなんですか。

sumi:
めっちゃ眠いです。めっちゃ眠いんですけど、お昼の休憩時間に10分で食事を済ませて可能な限り仮眠にあてたり、なんとか繋いでますね。

イワナ:
お仕事以外の時間帯だったら何をされてるときが多いですかね。

sumi:
休日の過ごし方ってことですよね。
この手の質問はいつも困るんですけど、これが趣味ですって言えるものがなくて。
テレビも見ないし、映画とか、本読むとか話題が広がるような趣味がないんですが、強いて言えばネットサーフィンですかね、SNS、ツイッターインスタグラム見たり、何かそんなんでいいのかなって感じなんですけど。
気をつけているのは、休日特に予定がなくても、必ず外に出るようにはしています。家に1日いると、何となく気持ちがふさぐというか。
ので、それは心がけてますね特に用事なくても近くのカフェまで行ってみるとか。

イワナ:
そういうときに外に出るようにしたら気持ち的にはどう変わりますか?

sumi:
そうですね外に出るから凄く楽しくなるというよりも、出なかったことで、日が暮れてきたときにせっかく休みだったのに生産性のない1日を過ごしたな、明日からまた仕事だなみたいなところでサザエさん現象っていうんですかね。
気持ちがだんだん落ちてきちゃうので、何でもいいから外出するようにしています。

イワナ:
周りの近しい方から性格についてなんて言われることが多いですかね。

sumi:
世話焼きとか面倒みの面では言われますね。

イワナ:
それはどなたから言われることが多いですか。

sumi:
会社の人もそうですし、お付き合いがある友人は大体そう言いますね。

イワナ:
ご主人とかはどうですかね。

sumi:
どうなんでしょう。
主人に対してと主人以外に対しての私ってちょっと違うんですよ。
主人に対しての自分が、なんていうんですかね自分の核になる部分っていうんですかね。何も取り繕ってない自分なので。主人からは、幼いところがあるとか、かわいい印象を持ってくれてるみたいです。

イワナ:
周りとご主人に対して、違う部分で、どういうところを取り繕ってたりされるんですか。

sumi:
私は賢いタイプではないんですけど、年齢的にももう私今年で31になるので、あんまりフラフラしてる印象持たれないようにはしてますね。
人のために頑張ることが好きなので、自分がキャパいっぱい何かを抱えていたとしても、ちょっと聞いてもらっていいですかと言われたら全然時間を作ったりします。先輩の立ち位置にいるのが、多いんですよね友達だったとしても。相手が困ってたら、全力で動くので。
ただやっぱりそれは、逆に言うと、気を抜くことができなくて、誰に対してでも、気を遣うタイプの性格なので、気を遣わないでって言われると困っちゃうんですけど、それがデフォなんですよね。

イワナ:
それは昔からですか?

sumi:
そうですね。ずっと親の顔色を伺って自分の居場所を掴んできたので、
相手がどういう心境でいるのかなとか、今自分が起こしたアクションで相手がどう思ったのかどう動くのかを常に考えるので、さっきの休日の話とも紐づくんですけど、予定を完全に詰めてしまうと、パンクしちゃうんですよね。気を遣わないができないので。
人と接すると絶対に気を遣いますので、疲れちゃう感じです。何もしない日も必要で、プライベートで人と会うのは月に2回とか決めてます。

イワナ:
1人の時、誰にも気遣わなくていいっていうときってどういうふうな気持ちで過ごされてますか。

sumi:
人といるときは常に何か考えてるので、逆に1人でいるときは本当に動物的というか、お腹すいたなとか眠いなぐらいしか考えてないかもしれないです。

イワナ:
ご主人と一緒にいるときはどっちに分類されますか?

sumi:
主人に対しても、やっぱり気を遣わないはできないんですよ。
かなり素に近い性格は出せてるし、そこを認めてもらえてるので、自分を良く見せようみたいなのは、全く働いてないんですけどやっぱり
気はずっと遣ってますね。

イワナ:
バランス的には周りの人に気を遣ってる時間も必要だけど、自分の時間もやっぱりいるみたいにどっちも必要みたいなバランスですか。

sumi:
そうみたいです。私はずっと人と一緒じゃないと駄目なタイプだとばかり思ってたんですけど、基本寂しがりというか、何でも人と一緒に行動したがるタイプなので。ただ、最近それに気づいたのかそうなったのか。
人と会ってない笑わなくてもいい時間っていうか、そういうのがないと疲れちゃうみたいです。相手が望んだリアクションをしちゃうんですよね。

イワナ:
ご趣味がほとんどないって言ってた中で、ネットサーフィンとかされるっておっしゃってたじゃないですか。Twitterとかインスタとかネットとか、どういう類のものを見られるんですか。

sumi:
なんかこう、自分の世界がそもそも狭いので、ネットを介して外界に触れることで自分の世界を広げています。
テレビも見ないので、世界で今何が起こってるかとかっていうのも全くわかってなくて。本当にお恥ずかしいんですけど、紛争問題、政治経済、本当に疎くてそれ系の話題になるとちょっと居心地が悪くなります。だからといって、情報を集めようみたいな熱量もなく、ぼんやりネット見てます。

過去:いじめをした人たちってその時の一瞬の楽しさのためにやってることだから、今思い返して後悔することってないと思うんですよね。あの時悪いことしたなって反省することもないだろうし、当たり前に恋愛して結婚して子供を産んで、自分の子供がいじめられたら当然のように加害者に怒りを覚えるんだろうなと思ったらなんだか凄く納得いかない気持ちになるんですよ。どうしようもないんですけど。

イワナ:
sumiさんが物心ついたぐらいの本当に幼い頃から思い出してもらいたいんですけど幼い頃ってどういうお子さんでしたかね。

sumi:
小さい頃、愛情に飢えてたので、そのためだったら、何でもしてきました。嘘もついてきたし、大人の目によく映るように動いてきたし、あんまり子供らしくない子供だったと思います。大人びた言葉遣いを遣ってみたり、子供らしい子供じゃなかったと思います。

イワナ:
兄弟とかはいらっしゃるんですか。

sumi:
姉が1人います。
が、半分しか血が繋がってないので、現在は全く接点はありません。戸籍を見たらどこかで繋がってるけど、1人っ子みたいな感じですね。

イワナ:
幼い頃からもお姉さんとはそんなに接点なかった感じですか。

sumi:
そうですね。私が3歳とか、それぐらいのときには家を出て行方をくらませてしまったので、小さいときの姉の記憶はほとんどないですね。

イワナ:
小さい頃に子供らしくなかったっておっしゃってたんですけど、そのときに自分が好きでやってたこととか、何かありましたかね。

sumi:
好きでやってたこと。そうだな。
小さいときは、ずっと絵を描いてましたね。それで今ちょっとイラスト程度にかけたりもするんですけど。
うちは母を早くに亡くして父と2人暮らしでした。生活保護の受給世帯だったので、お金がなかったっていうのもあるんですけど、あまり子供が欲しがるものっていうのを買ってもらえなくて、父は新聞を毎日取ってたんですけど、折込チラシの裏紙は私のおもちゃでした。裏にスーパーの広告が透けてるようなやつに、絵描いたりするのが好きだったですかね。

イワナ:
では小学生ぐらいの頃はどうでしたか。

sumi:
小学校に上がって、なんていうんですかね。
自分と違うものを避けるようになったりちょっとみんな賢くなってくる年じゃないですか。で、仲間外れにされたり簡単に言うといじめみたいなのが小学校から始まって、当時は多分つらかったんだと思うんですけど、今、あまり思い出せないというか。何を思ってたか、記憶にないんですけど、学校の居心地が悪かった私は
家から遠いところの公園に1人で遊びに行って、学校が違う子だったり年齢がかなり離れた、もうそれこそ小学校上がる前の子や逆に大人と、遊んだり、遊んでもらったりとかしてましたね。自分のことを知らない人と接点を持ってました。

イワナ:
毎日知らない人と新しく?

sumi:
そうですね。子供の足で行ける範囲なんて知れてるので、何度も行けば、ああ、あの子ねって覚えられたりもしてました。私自身かなり問題があって、性格とか多分普通の子供が普通に学んでいくようなところが欠けていたので、そういうところで向こうのお母さんがブレーキをかけて会えなくなるみたいなのはありましたね。
子供って悪気がないから、直接言ってくるんですよ。
ママに会っちゃ駄目って言われたからもう遊べないって直接言いに来られちゃったりとか、でもなんか慣れてましたね。そうなるまでのお友達だと最初から思ってましたし、なんかもう、そういうものだと思ってました。

イワナ:
もう遊べないって言われた当時のその言われたときの気持ちと、今のその言葉の受け止め方って変わってたりしますか。それともあまり変わらないですかね。

sumi:
そこに関しては変わったと思います。
今度いつ遊ぶ?明日会える?みたいな質問をしたときにだいたい切り出されるんですが、やっぱり、恥ずかしいような気持ちがあって、仕方がないと落とし込めたのは本当に大きくなってからですね。
まあ、そうだよなって感じです。言われれば言われるほど慣れてっちゃうんですけど、初めはやっぱり恥ずかしいような気持ちはありましたね。
理由は様々だと思うんですけど、私がやっぱり自分自身が寂しいもんだから友達を門限以降も拘束しちゃったりとか、ご自宅に上がり込んだりとか。失礼な子だったんですよね。自分の家で味わえない、自分の親から与えられるべきだった愛情を人の親とかに求めちゃうので、可愛くなかったと思うんですよ。相手の親からしても。
自分の子にとってのいい友達でもないし、ちょっと失礼よねあの子、みたいな感じに多分なっていたのではないかなと。
あとはシンプルに、団地に住んでたので
そこに住んでるってだけで、お友達になれないって言われたこともありましたね。部落差別的な。

イワナ:
では中学ぐらいに上がってからはどうでしょうか?

sumi:
小学校から中学校ってほぼほぼメンツが変わらないので当たり前にいじめが継続して、さらにやることがちょっと過激になっていって。小学生の間は仲良くしないとか、ちょっと無視するぐらいなんですけど、だんだんその物理になってくるんですよね。物がなくなるとか、机に落書きをされるとか、私物が捨てられるとかそういうのが加わってきて。
ただ、どうなんですかね。
あんまり中学の記憶がなくて。
私、休んだことないんですよ。中学そんだけつらかったんですけど、父親に言えなくて。
休むって言ったら、なんでだってなるだろうし、それが嫌だったんだと思うんです。
ただ、めっちゃ毎日遅刻してましたね。
行きたくなかったんだと思うんですけどちゃんと起きてちゃんとした時間に家を出るんですけど、中学までの道をのんびり行ってたのか、ウロウロしてるのか、いつも遅刻する人っていう感じだったと思います。

あとは、そうだな。私は長いこといじめを受けましたけど、加害者が100%悪くて被害者は全く非がないって言われがちですけど、私はそうじゃないと思っていて。
いじめられる人にもいじめられる理由があります。それは実際に私がいじめられてきて思うことなんですけど。ただ、だからと言って責められるものではないし、それが本人の力で、改善できるものかどうかっていうのはまた別の問題で。
私の例で言えば、人との付き合い方が本当にわからなくて距離感っていうんですかね。距離感がおかしかったり、そうですね。空気を読むとかっていう、そういうところが欠けてるのと、あとはシンプルに、生活環境もしょうがないところもあるんですけど、私、汚かったんですよね。お風呂に入ってなくて。
多分、どこの学校にも多分1人ぐらいいると思うんですけど、ちょっと不潔な子っているじゃないですか。私、これだったんですよね。
ネグレクト気味だったんでお風呂に入るとか歯磨きをするとかっていう基本的な項目が完全に欠落していて、なので臭い汚いって、もういじめの代名詞じゃないですけど、一番起こりやすいところだと思うんですよね。
そこからもうバイ菌扱いみたいなのが始まって、なのでそれで言うと、私が清潔であったら、多少空気が読めない失礼な子だったとしてもそんな大きないじめにはならなかったのかもしれないし、でも当時の私にはそれを改善させるのは難しかったんですよね。
汚いって言われても、汚いって言われたからお風呂に入ろうってならないんですよやっぱり。
今までやってこなかったことなので。それが習慣付いてる子たちからするとやっぱ異様ですよね。あいつ風呂入らないのやばいよねみたいになっちゃうし、その気持ちももう今はわかるんですけど、当時はひたすらなんでいじめられるんだろうっていうのは、思ってましたね。

イワナ:
お父さんとは会話していましたか?

sumi:
うちは父がすごく寡黙なタイプだったので、家では基本私が喋って、父が3回に1回ぐらい返事があるかなぐらいで。
何だろう。愛情表現が下手くそな父親だったんですけど、それでもなんとか表現して欲しくて、父の好きそうな話をでっちあげて笑ってもらったりとか、なんか自分で言うのもなんですけど今思うと健気だなと思います。

イワナ:
今は原因を客観的に見れてると思うんですけど、それっていつ頃からですかね。

sumi:
完全に落とし込めたのは本当に最近じゃないでしょうか。
私は結局、中学の卒業式の日までいじめを隠し通しましたが、未だにネットで流れるいじめを苦にして自殺しちゃいましたみたいなニュースとか、そういうのを見るとすごく複雑な気持ちになるんですね。
自殺をしたことで、取り上げてもらうというか、憐れむ声や誰か守ってあげられなかったのかっていう声が初めて上がる。
それだけ実際に助けて欲しいと思ってるときには助けが入らない。私のこの考え方は本当に特殊だと思うんですけど、亡くなられた方に、羨ましさみたいなのものを感じるんですよ。
死んでしまったらその後何もないのもわかってるんですけど、それでも私のいじめられた過去ってなかったことになってるんですよ今。

なんだろうな。もう私は地元を離れちゃいましたけど、いじめられた過去とかそのときに植え付けられた考え方とか恐怖って自分の中にずっと巣食っていて。何をするにも足枷になるんです。
でも、いじめをした人たちってそのときの一瞬の楽しさのためにやってることだから、今思い返して後悔することってないと思うんですよね。
あのとき悪いことしたなって反省することもないだろうし、当たり前に恋愛して結婚して子供を産んで、自分の子供がいじめられたら当然のように加害者に怒りを覚えるんだろうなと思ったらなんかすごく納得いかない気持ちになるんですよ。どうしようもないんですけど。
だからこそ、だからこそ、そうですね。そうやって、自分の命を絶つことで、名前とかいじめの事実が公表されるじゃないですか。そうやって一時的かもしれないけどせめて加害者の人生に傷を残すみたいな。
亡くなった人が羨ましいというよりもいじめた人たちに傷を残したいんでしょうね。なんかそういうのがあるのかもしれないです。

イワナ:
中学のその後はどうでしたかね?

sumi:
高校は行きました。中学の後半になると三者面談とかで、進学しますか就職しますか進学するならどこにしますかっていう話を多分すると思うんですけど。
父親は本当に私に対して、全く興味がなかったというか何なんでしょうね、すごく自信があったのかもしれないですね。自分の娘だからみたいな。
三者面談のときに初めて、お宅の娘さん行くとこないですよって言われて、勉強ができないんだっていうことに初めて気がついて。
私、平気で0点取るような子だったので。
学校でるなり怒鳴り散らしてぶん殴られました。父は恥をかかされたと怒ってましたね。
当たり前に公立の高校に行って、看護師なり公務員なり父親が望むルートがあったんですよね。
ただもうそれどころではないので、大きく失望したでしょうし、何かその失望されたときに、もう多分いいやって思ったところがあって。私は一生懸命父親の思い通りの娘像に寄せて、酷くいじめられてた中でも、たくさんの友達に囲まれて、クラスではこんなことがあってね、っていうのを嘘っぱちなんですけど全部作り話して。
父もたいして聞いてないので、そうか、くらいしか言わないんですけど、それもあって安心しきってたんでしょうね。
高校行くとこないって言われた中で、名前書けば通るって、当時言われてた、今も多分そんなに偏差値高くないんですけど、家庭環境にちょっとこう、難があったり、不良少年少女たちが集まる学校みたいな有名なところがあって。そこ私立なんですけどお金出して入ることにしたんですね。
生活保護って義務教育までしか面倒見てくれないんですよ。なので自分で奨学金かけて、自分で行ったんですけど、そこの判断は私間違ってなかったなと思っていて。
今までの暗い生活が一変して高校に入ってから私すごい楽しかったんですよ。
小学校中学校で知ってる人が誰1人いなくて。ちょっと遠かったんですよね電車で40分ぐらいかかるのかな。私立高校で父の言葉を借りるとボンクラ校っていうんですけど、頭が悪いっていう意味で。
そこで私は心機一転自分というキャラクターを壊すつもりで、髪を長く伸ばして一つに結ってたんですけど、風になびかないほど短く切って、人が変わったと自分に暗示をかけて、高校生活をスタートさせました。
入学当初は神様のいたずらで1軍女子のグループにいたんですけど、突然人間力が上がるわけでもないので、だるま落としみたいな感じでグループから外されるみたいなのはあったんですけど、もう本当小さな話で、学校全体がそういういじめとか、そういうくだらないことをしない。自分たちが楽しいことに一生懸命だから、開放的な学校だったんですよね。
私はあいつのこと嫌いとかはあったんでしょうけど、じゃあ付き合わなきゃ良くないっていう感じの学校だったので、陰湿にいじめるのは逆に好きでしょみたいな。それが私を救いましたね。そこで初めて学生らしいことをしました。友達とカラオケに行ったり買い食いしてみたり。
ゲームセンターに寄り道して先生に怒られてみるとか。奨学金で買った時間なので自分が全部返すんですけど、そのお金は本当に惜しまなくてよかったなと思ってますね。


未来:私目的や目標をあまり持たないって言ったんですけど、いい意味でも悪い意味でもあると思うんですよ。根を張らないっていうか、それこそ介護は10年やって、いいキャリアになってるのに、全くそれを生かさない業界に入ってみたりとか。ただ、触れたことがあるものっていうのは増えていくんですよね。

イワナ:
5年後10年後とかを考えていただきたいんですけども。sumiさん自身の未来に対して、これから先ってどういうイメージを持たれてますかね。

sumi:
イメージ。そうですね。波風立たず穏やかに少しずつ年とっていければいいなみたいなおばあちゃんみたいなんですけど、なんかこう、大きな変化は本当に望んでなくて、すごいキャリアアップしたいとか億万長者になりたいとかなんかそういうのも全然ないので、死なない程度にお金があって、主人と仲良くストレスもできるだけ少ない生活で暮らしていければいいかなぐらいです。

イワナ:
この1年、直近の未来を考えたときに、なんかこういう1年にしたいなとかはありますか。

sumi:
1年か、そうですね。確かに。考えたことがないな。1日1日同じようなことを繰り返して気づいたら1年経ってますよね。

イワナ:
うん、わかります。

sumi:
でもやっぱり主人と結婚して、自分というものが確立されてきて、自分はそのままでいいんだっていうのがやっと染み込んできて、自分の好きなことをやってもいい。選んでいい。
そういう自分で自分を守ってあげるみたいなのが少しずつ主人のおかげでできるようになってきて。
この先も自分をかわいがることができるようになっていけばいいなと思ってます。

イワナ:
ご主人と出会うまではあまりそういうことに関心がなかった?

sumi:
基本的に自暴自棄になってたので、最初にお話ししたお風呂に入れないっていうのも自分を可愛がれないの一つだと思うんですよ。
清潔にする、綺麗なお洋服を着るとかっていうそういうところが欠けてるので、それがいつからか当たり前に選択していけるようにはなりましたね。

イワナ:
それってどういうタイミングからお風呂に入ろうって思ったりとか自分で選択するようになりましたか。

sumi:
お風呂やっぱり私好きじゃないんですよ。
それは残ってて。だから入らないには、もうさすがにならないんですけど、お風呂嫌い・面倒くさいけど、明日仕事だから入らなければならないみたいな。
明日友達と会うから入らなきゃならないみたいな感じで、ちょっと腰は重いんですけど、そうですね、なのでお風呂好きな人、いいなと思います。

イワナ:
それは高校のときとかからですか。その入らなあかんなって思えるようになったのは?

sumi:
やっぱり高校からです。
それこそ歯磨きするお風呂入るとかっていう人が当たり前にしてることをやらないと、なんていうんですかね、人として当たり前のスタートラインに立てないから、友達と接点ができて遊びに行くようになってとか。そこで少しずつちゃんとしないと恥ずかしいみたいな気持ちになったんだと思います。

イワナ:
現在の話のところで、世界を広げる自分の世界を広げるためにネットを見たりとかっておっしゃってたじゃないですか。
こういう部分で自分の世界を広げたいなみたいな分野とかってありますか。

sumi:
難しいな。広げていきたい分野か。
答えの規模感がズレるんですけど、知識というか会話の引き出しですかね。人間自分が見てきたものしか話せないので、やっぱり話してて面白い人って会話の引き出しが多い人だと思うんですよ。
世界を広げる、と表現するには語弊がありますね。自分の表現力を伸ばすためかもしれません。

イワナ:
例えばずっと介護業界で働かれてたっておっしゃってて、それから今転職されたじゃないですか。
たまに何か大きな変化がsumiさんにも訪れるきっかけがあるんかなと思ってて、次もしそういう大きな変化が訪れるとしたら、例えばどういうことに興味を持った瞬間だとかどういう気持ちでそれが動かされることがありそうですか。

sumi:
私目的や目標をあまり持たないって言ったんですけど、いい意味でも悪い意味でもあると思うんですよ、根を張らないというか、それこそ介護は10年やって、いいキャリアになってるのに、全くそれを生かさない業界に入ってみたりとか。
ただ、触れたことがあるものっていうのは増えていくんですよね。
これも私がさっきお話した、引き出しの多さに繋がるところなのかもしれないんですけど、介護10年やりながら、ダブルワークで派遣のスポットとかもいろいろ入ったりして。
競馬場で働いてみたり、なかなか珍しいバイトをやってみたりとか、あんまり、自分に根ざした信念とかこうなりたいみたいなビジョンがない代わりに、なんでしょうね。凡人は凡人なりに楽しく、フラフラと生きてますね。
それこそnoteも何かこう、ライターみたいなことをしたら楽しいかなとか思って、字を書き始めたんですけど、まあ内容が重くてなかなか書き進まないし。
1つ1つ投稿するのがすごく大変で、やり始めたは良いもののみたいなのがたくさんありますね私。

イワナ:
引き出しを多くしていくというか、何かちょっと気持ちが向いた方向にふらっと行ってみるとかこれから繰り返していったら、どういう自分になってそうですかね。

sumi:
ね。どんな人間になるんでしょうね。何か大したものにならないだろうなっていうのはぼんやり思ってるんですけど、ただそれでいいんだと思ってて。
今までこうあるべきっていう姿に、一生懸命沿わせて、お前はこうなるんだよっていう親の理想に沿って動いてきたので、何にもならない。それが私のゴールなのかもしれないですね。ふわふわしてて、なんか大成してほしいと願われてるのも苦しかったので多分、だから、何でもないただ何となく働いて何となく生きて、何となく時間が過ぎれば死んじゃうのかなぐらいのずっとそんな感じでいたいです。

イワナ:
もしもの質問というのを皆さんにしてまして、もし学生の頃に何か先生の一言だったりとか、誰かの働きかけでsumiさんをいじめてた人たちにもしっかり傷が残ってる状態のもう一つの世界だったら、今何か、どこか変わってたりしましたかね。

sumi:
誰も守ってくれなかったとは、そういうわけじゃないと思うんですよ。私の歪んだ人間性を、それは間違ってるよと伝えてくれる子もいました。その時のことはしっかり覚えているので、少なからず私が生きてきた世界線でも、変化があったということだと思います。たった誰か一言、何かで変わっていく未来っていうのは、あるかもしれないですよね。

イワナ:
そういう過去のことをnoteに綴られてると思うんですけど、これって綴っていくことで、何かどこか楽になる部分があったりだとかこういう人に知ってほしいとか、何か変えようとしてnoteは書かれてるんですかね。

sumi:
最初書き始めたときは、こんなにつらい思いをしてきましたのログだったんですけど、本当にただそれだけの目的で。
アップロードしたものを数ヶ月経って読み返してもう一度編集したりとかするんですけど、そうやってしていく中で自分の表現や自分の感じ方がそもそもそれって間違ってたなって思い直したりとか、自分の認知の歪みに気付ける。自力で気づくことができるなっていうのは思います。
あとは、シンプルに人は忘れてってしまうので、悪かったことは忘れてもいいんじゃないとも思うんですけど、私と父のことって、私と父しかわからなくて。
父ももう高齢で、もういつまでの命かもわからないので、歩みとして残しておくのもいいのかなみたいな感じですね。こんなことあったけど、結果、今たどり着いたところが、なんていうんですかね。すごく、今私は幸せなので、これがゴールにあるから書けるっていうのもあります。

イワナ:
インタビューとしては以上になるんですけど、最後にいい残したこととか、独り言でも感想でも、これを読んでくれる人向けでも何でもいいんですけど、何かあればお願いします。

sumi:
そうですね。やっぱり、書き起こすことってすごく大事だなと思います。
何か訳もわからずイライラするときとか、理由はわかってたとしても、すごく感情が高ぶってるときに、私は一番紙に書くのが好きなんですけど、noteに文章を綴るときにも一旦、サラの上に、文章で書くんじゃなくて、図式みたいな感じで書いていくんですね。
例えばイライラしてるときだったら、イライラっていう感情を丸で囲んで、そこからこう線を引っ張って、何があったのか、その起こった出来事のなにが嫌だったのか、どうなることを期待していたのか、なぜそれに対して嫌だと感じるのか、みたいにどんどん分岐させていくと、大体自分の幼少期に何かあったところとか、自分が許してもらえなかったこととかに腹を立ててることが多いんですよ。人と怒りのポイントが違うの面白いなと思うんですけど。
自分の感情をなぜなのかってずっと追求していくの、すごく面白いし、自分を冷静に俯瞰して見ることができるから、おすすめです。

あとがき

sumiさん、ありがとうございました。

元々ヒトもほかの生物と同じで、ただ生きていくために生きている生き物であると思うのですが、色んな文化、話せるようになったこととか脳の成長が進んで考えることができるようになって、
生きている意味だとか目標、目的を考えるようになりました。
飛躍しますがTVとかSNSだとかで他の人の生活を覗き見ることができるようになって、そうなるとやっぱりいい部分を見せたくって、少し背伸びする人もいるのかと思います。

それに影響を受けて人と自分を比べてしまうことも多く、純粋な目で自分の幸せだけを見ることが出来なくなってしまった。
何か1つ行動をするとその意味や目標を自分にも人にも求めてしまうし、他人との優劣を考えてしまう。

この傾向がとても強くなってしまった私なんかは、sumiさんの話を聞いて少し恥ずかしくなりました。インタビューをしていてハッと気づかされてはまた忘れる、概念みたいなものが私にはあって、それって独りでには思い出せないんですよね。
多分私があこがれている人は根っこを張っていない人、もっと言えば、未来のために今を犠牲にしていない人とでもいうのでしょうか。
今やりたいこと、この瞬間燃えていることに真っすぐである人。
このことを大切だと思った自分の気持ちを忘れたくないんですが、今まで培ってきた考え方は強く、深く積まれているので、大切にしたいことが溶かされて負けてしまうよな感覚です。
インタビューをしたり人に相談をして気づかせてもらったりし、どうにかなんども這い上がるのですが、死ぬ時に私の中で勝ち上がった考え方はどんな層になっているんだろう。

本日も読んでいただき、ありがとうございました!

【インタビュー・編集・あとがき:イワナ】

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