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一軒家

タイトル:(仮)一軒家

▼登場人物
●宇野川 義也(うのかわ よしや):男性。27歳。独身サラリーマン。両親を事故で亡くす。その後はそれまで過ごしてきた一軒家住まい。
●川野愛美(かわの まなみ):女性。27歳。義也の彼女。都内のアパートに住んでいる。本編では「愛美」と記載。かなりの美女。
●小野田 健二(おのだ けんじ):男性。27歳。義也と愛美の大学時代の共通の友達。でも義也に対しては愛美を巡って敵対する。本編では「健二」と記載。
●宇野川 俊二(うのかわ しゅんじ):男性。60歳。義也の叔父。本編では「叔父さん」等と記載。義也の父方の実家に住んでいる。

▼場所設定
●義也の自宅:それまで両親と過ごしてきた一軒家。
●愛美のアパート:都内にある民営アパートのイメージで。
●街中:事故現場や健二が愛美を襲った街中など一般的なイメージで。

NAは宇野川 義也でよろしくお願いいたします。
(イントロ+メインシナリオ+解説:ト書き・記号含む=3474字)

イントロ〜

皆さんこんにちは。
皆さんは今誰かと付き合ってますか?
恋愛にトラブルはつきもの。
今回はあるカップルに起きた意味怖のお話。

メインシナリオ〜

ト書き〈自宅の一軒家〉

俺の名前は宇野川 義也(うのかわ よしや)。
今年27歳になる独身サラリーマン。

俺には今付き合ってる彼女が居て名前は愛美。

本来なら両親に、俺達が婚約した事を報告し
喜ばせてやる筈だったのに、
俺の両親は少し前に他界した。
交通事故だ。

信号を無視して突っ込んできた
トラックにはねられそのまま他界。
犯人はまだ捕まっていない。

(電話)

愛美「義也、元気出してね。私が居るからね」

義也「ああ、有難う」

愛美はそれからずっと慰めてくれた。

愛美「でも信号無視してきたんじゃしょうがないわよね。点滅して赤に変わる直前だったから、きっと急いでたんだろうね…」

義也「ああ」

俺は上の空だった。
やはり親を亡くしたショックと言うのはとても大きい。

愛美「義也、元気出して!」

愛美だけがいつも俺のそばに寄り添ってくれた。

ト書き〈トラブル〉

でもそんな時トラブルが起きた。

義也「お前いい加減にしろよ!」

健二「うるせえ!愛美は俺のモンだ!」

愛美「もうやめてよ!私は義也ともうすぐ結婚するのよ!」

俺と愛美の前に大学時代の級友、健二が現れた。
でも健二とは愛美を巡って仲違いしていた。
愛美が俺の方を相手に選んだからだ。

奴はそれに嫉妬して、
今頃になって俺達の前に現れたのだ。

健二「クソォ!覚えてろよテメエ!テメエの人生破滅させてやるからな!」

そう言って健二は立ち去った。
よく聞けば、少し前から愛美の携帯に
健二から連絡が入っていたと言う。

もしこれ以上何かしてきたら警察に言おう…
そう言う事でとりあえず落ち着けた。

ト書き〈里帰り〉

それから数週間後。

愛美「実家に帰るの?」

義也「ああ。ちょっと叔父さん達に会ってくるよ」

親が亡くなった事を受け、
「偶には帰ってこい」と言ってくれたので、
寂しさも手伝い、俺は叔父さん達に会いに
実家に帰る事にした。

愛美が住んでるのは都内のアパートだが、
最近はもうずっと俺の家に来てくれている。

俺が落ち込んでるからご飯を作りに来てくれたり
部屋の掃除をしてくれたりと、やっぱり有難い。

愛美「わかった。また帰る時に連絡して」

義也「ああ」

(実家)

それから数日後。
父方の実家に帰った俺。
何となく父さんの匂いが漂うようで懐かしい。

俺は叔父さん達に励まされつつ、
やっぱり事故の時の事を思い出してしまう。

まぁ俺は後で連絡を受けたものだから
事故の様子がどんなものか詳細には知らない。

ただ信号無視をして
突っ込んできた車に両親共にはねられた。
両親は横断歩道を渡ろうとしていたらしい。

俺はその時仕事中で、
病院にすぐ駆けつけてくれたのは
今目の前にいる叔父さんだった。

でもこの時、
俺の知らなかった新たな事実がわかった。

義也「え?そうだったの?」

真守「ああ。その時偶然事故を目撃してた人が居てな、その人に聞いたらそう言う事だったらしい」

なんと信号無視をしていたのはトラックではなく、
横断歩道を渡ろうとしてた両親の方だったと言う。

真守「だからドライバーの人を一方的に責めるってのは、ちょっとな…」

確かに。
うちの両親は共に焦り性(しょう)で、
信号が点滅すると急いで渡ろうとする事も多かった。
何となく事故の情景が分かってくる。

ト書き〈帰宅して自宅〉

そして数日間、実家にいて、
それからまた俺は両親と共に過ごしてきた
この自宅に戻った。

一軒家。
両親と一緒に過ごしていた頃は明るかったが、
1人になるとなんとも広すぎる家だ。
家じゅうから寂しさが押し寄せるような気もする。

(薬)

俺は今日もテーブルの上に広げた薬を飲む。
両親を亡くして以来、どうも体のリズムが狂ったらしく
俺は自律神経失調症・パニック症になってしまった。
今飲んでるのはその自律神経失調用の薬だ。

義也「はぁ…なんでこんな事に」

なかなか沈んだ気分は晴れないものだ。
実家に戻って一緒に暮らさないか?
とも言われたが、俺はそれを断った。

やっぱり両親と過ごした
この家には思い出が沢山残っており、
この家を捨てる気にはどうしてもなれなかったから。

ト書き〈トラブル2〉

それから少しして又トラブルが起きた。
家のガラスが割られたり、
うちの庭に勝手に誰か侵入したりと、
誰かがこの家を狙ってくるようになった。

でも犯人はすぐに分かった。
あの男、健二だ。
1度だけ逃げ帰るあいつの姿をバッチリ俺は見た。

しかしそれからあいつはまともに俺の前には現れず、
隠れながら俺の事を狙っていたようだ。

(自宅)

愛美「大丈夫?」

義也「ああ。でもあいつ、今度見つけたら只じゃおかねぇ!」

この家を傷つける奴は誰でも許さん。
俺はそう誓い、警察にはあえてまだ連絡しなかった。
俺が自力であいつを捕まえ
フルボッコにしてやろうと思ってたからだ。

でも更に恐ろしいトラブルが起きたのだ。

(街中)

それから数日後の街中で、愛美が健二に襲われかけた。

愛美「ハァハァ」

健二はその時かなり酔っ払っていたようで、
酒の勢いも借りて愛美に襲いかかったんだろう。
人通りが多い街中での事。

でも健二はその時ちょうど
そばにあった階段から足を踏み外し、
運悪く首の骨を折って亡くなった。

(後日)

それから数日後。
愛美がまた俺の家に来てくれて、掃除をしてくれた後、
晩ご飯の買い出しに今は出かけてる。

その間にまた俺はテーブルに薬を置き、
今では持病となってしまった
自律神経失調用の薬を飲もうとしていた。

義也「あれ、破れてる?」

いつもの錠剤の封が少し破られていた。
中にはいつもの白い錠剤が入っている。

でも俺はこの時3つのヒントが一気に心の中に甦り、
それからすぐ警察へ走った。

解説〜

義也は両親を亡くした後、
それまで両親と一緒に過ごした
一軒家にそのまま住んでいました。

両親が亡くなった理由は、
信号無視をして突っ込んできたトラックのせい…
だと義也はずっと思っていました。

でもそれが本当は違い、信号無視をしていたのは
義也の両親の方でした。

ここで冒頭の愛美のセリフに注目しましょう。

「でも信号無視してきたんじゃしょうがないわよね。点滅して赤に変わる直前だったから、きっと急いでたんだろうね…」

このとき義也は落胆の余り
愛美のこのセリフを何となく聞き流していましたが、
やっぱりおかしいですよね。

点滅して赤に変わると言うのは横断歩道の信号。
つまりこのセリフから義也の両親が信号無視をした
と言う事を愛美は知っている事になりますよね。

後半で義也の叔父は、
「信号無視をしたのは義也の両親の方だ」
とはっきり言い、その事はその時事故現場にいた
目撃者の証言により確かなものでした。

義也でも知らなかったその時の状況を、
なぜ知る筈のない愛美が知っていたのか?

それは愛美がその事故現場に居たからです。

解る人にはピンときたかもしれませんが、
実は愛美と健二はグルでした。
その時トラックを運転していたのは実は健二。
ワザと義也の両親を亡き者にした訳です。

愛美が住んでいたのはアパート。
つまり愛美は一軒家が欲しかったと言う事。
義也の両親が亡くなったのを絶好の機会と見たのでしょう。

そして酔っ払った挙句の健二の乱暴事件。
これも本当でしょうか?

その時街中は人通りで溢れていました。
そんな状況で普通は襲ったりしないでしょう。
すぐ邪魔が入って止められるのですから。

つまりこれも愛美の狂言。
健二が酒に酔っていたのは本当で、
その健二を酔わせたのは愛美でした。

酔っ払った相手なら階段から突き落とすのは簡単。
この時健二が亡くなった事は、
愛美にとっては嬉しい誤算だったでしょうか。
つまり死人に口無し状態に出来るから。

それまで健二は義也の自宅を襲っていました。
これは本当で義也の目撃した通りです。

つまり途中まで、健二を利用して
更に義也を亡き者にしようとする
愛美の暗躍から注目をそらそうと
愛美自身が計画していたわけです。

最後の錠剤の封が破れていたのがその証拠。
愛美は中の薬を毒薬に変えていました。

義也は自律神経失調症に罹っていた事を
愛美が知らないと言えば、
あるいは事を曖昧に出来たかもしれません。
おそらく彼女はそれを狙っていたのでしょう。

そこで自分は買い物へ行きアリバイを作る。
あとは義也が自分でその薬を飲んで、
毒薬により死亡するのを待つだけでした。

義也はこれ等の事に直感で気づき理解して、
そのまま警察へ走った…と言う事です。

つまり今回の犯人・その元凶は全て愛美でした。
直前に気づき難を逃れた義也。

確かに気づいた事は良かったですが、
愛する人に裏切られた事に傷が更に
増えたのは言うまでもありませんね。

動画はこちら(^^♪
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