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・卒寿フジコキャンセル重ね春尽くる


ピアニストのフジコヘミングが、先月逝去していた。
彼女のドキュメンタリー映画を観てファンになったが、演奏会は、ま、いいか。

2000年代初頭のこと。
友人が形相を変えて、チケット入手するのを見て、ミーハーぽいな、と思ったのだ。

プラチナチケットだし、老人が超老人を観るのも辛いところがある。

しかし、シニアでのデビュー、数奇な人生、魂の籠った演奏に惹かれて、いつかは、と思っていた。

これが最後かも?と思って、今年の公演を楽しみにしていた。

ところが、体調が思わしくない、とのことで、延期になり、5月15日に来名する、と聞いた。


92歳にして売れっ子。
世界中を動き回って、コンサートを続けている。
もちろん完売だ。

だが、先日、主催者から催行不能になったので、全額払い戻す、との連絡が来た。
それでも、不死身の彼女を信じていた。
今回はだめでも、またいつか…。

やっぱり、と、えっ、どうして?が同居している。
ラ・カンパネラが聴きたかった。
遅咲きのバラに合掌。


チケット破棄魂の演奏は春の夢 

ラ・カンパネラは鎮魂曲に春の星 

「鐘」の音と遅咲きのバラをフジコに

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