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【論述】キャリアコンサルタント試験 一発合格者が解説するコスパ最強の勉強法

【この記事のメリット】

国家資格キャリアコンサルタント 論述試験の具体的な対策法がわかります。
※記事内容はキャリアコンサルティング協議会の試験内容に準拠しますが、基本は同じなので開発側の試験にも応用可能かと思います。


【こんな方にオススメ】

・キャリコン試験に一発合格したい方
・論述、面接試験の具体的対策方法が知りたい方
・試験対策をコスパ、タイパよく行いたい方


【結論】論述試験の対策要点

⑴クライアントの主訴内容を的確におさえているか
⑵CC視点で捉えた問題は的をえており、その解決策は具体的か
⑶上記をシステマチックアプローチの段取りに即して記述しているか

上記3点をおさえた回答を記述することです。

以下具体的に解説していきます。


【論述試験では何を試されているのか】

論述試験ではキャリコンの面談記述を読み、CLとCC視点の問題、今後の方策を記述によって回答します。
それにより、回答者のキャリコンとしての知識とコンサルティングの考え方を確認し、
キャリコンに適任か否かを評価・判断する試験です。
ここが試されているポイントとなります。

採点は、
論述 50点満点
面接 100点満点 計150点満点
で採点され合格の条件は、
・90点(60%)以上の得点すること
・論述、ならびに面接試験の評価区分「態度」「展開」「自己評価」の全てにおいて40%以上得点すること
です。

論述、面接試験は学科と異なり模範解答や明確な正解の基準はありません。
なので上達するためには、少なくとも自分自身で自分の解答の良し悪しを判断する“基準“が必要です(それがないと過去問や模試を評価し、実力を向上させることができないため)。
対策講座やネット動画などでも上記基準を解説していると思いますが、本記事では私自身が実践し3ヶ月弱の対策で一発合格を叶えた対策法、採点基準を具体的に解説します。


⑴クライアントの主訴を的確に押さえているか

これは論述試験の問1に該当します。
クライアントの主訴とは何か。それは訴えていることの主となる論点です。

クライアントは何かしらの悩みを抱えて相談にきます。
“その悩みとは何か“を正確に把握することが論述のファーストステップです。
把握するためには、
①悩みの構造を理解する
②CLの話を①の構造に当てはめて理解する
この2ステップとなります。まず悩みの構造から解説します。

・・・・・・・・・

“悩み“という状態を数式で表現すると、
(A)理想状態 ー (B)現実の状況それに対する解釈 = (C)悩み
となるかと思います(少し乱暴ですが)


(A)理想状態とは、「こうありたい」「こうなりたい」「こうしたい」などの希望や、明確な希望がなくとも「これは避けたい」「これを改善したい」などの願望ということができます。
(例)経理から営業職に異動したい

(B)現実の状況とは、読んで字のごとく悩みの対象は現時点でどういう状況か、ということです。
(例)営業への異動希望を過去2年に渡り人事に提出しているが、通らない

それに対する解釈とは、現状の状況をどう思ってるか、です。
CLの多くは現状に対してポジティブというより、何かしら不満や不安があるネガティブな状況にあると思います。
(例)異動希望が通らないことに不満であり、キャリアの将来に不安を感じている。

(C)悩みとは、上記を背景として
①意思決定は確定済みだが、その進行具合に悩んでいる
②選択肢は明確だが意思決定に迷っている
③希望は明確だが選択肢が明確でない
④そもそも希望も不明瞭なため、一歩が踏み出せてない
大きくこの4パターンいずれかに該当すると思います。

CLの状況が④に近づくほど“悩み“の解像度は荒いため、面談内容も抽象的な発言が増えると思います。
(例)
①の場合:別企業Aの営業職への転職を準備しているが、履歴書の書き方がわからない
②の場合:別企業Aに転職活動をするか、このまま社内異動の希望を続けるか迷っている
③の場合:営業職に就きたいが、この先どうアプローチすればいいかわからない
④の場合:本当に営業職がやりたいのか、果ては自分がこの先何がしたいのかもわからなくなった

・・・・・・・・・

以上が“悩みの構造“です。
試験を解く際、面談事例文を読み終えた段階でCLの主張をこのように構造化して把握することで、問1であるCLの主張、ならびに問3であるCC視点の問題把握の要点がクリアになります。
私は過去問を解く際、文章を読みながら要点にラインを引き、問題要旨の空きスペースに上記の構造にのっとってメモをしていました。ぜひ実践してみてください!


⑵CC視点で捉えた問題は的をえており、解決策は具体的か

続いて問3です。
⑴で構造的にメモしたことで、CLの悩み、その背景と解釈、今後の願望がクリアになりました。問3ではそれに対し、CC視点のCLの問題点が問われています。
これをより具体的にいうと、「CLは認識していない(気づいていない)が、CCとして認識しているCLの問題点」になります。

・・・・・・・・・

前述の営業職へ異動を希望するCLを例にとると、

CLの主訴:

営業職への異動を出しているのに叶わない。転職しようか迷っているがどうすればいいかわからない。

CC視点の問題点:
①異動が叶わない理由を上司や人事に確認しているのか
②営業職の中でも、具体的にどのような営業職を希望しており、その理由は何か
③営業に異動した後、活躍できるように何かしら準備(スキルUP)などを行っているのか
④転職を希望している会社の営業とは具体的にどのような業務を行うのか
⑤経理から営業に異動した先輩の話や事例など、情報を収集しているか

などなど、問題文におけるCLの話の中には(少し言葉は悪いですが)ツッコミ所がいくつ見つかります。
ではこのいくつかのツッコミ所から、どれをピックアップし今後の展開(問4)に繋げるか。(これが論述試験で最も大事な部分。まさに記事冒頭で述べた「回答者のキャリコンとしての知識とコンサルティングの考え方」を試されている部分です)

その考え方としては結論、
①CLの理想や願望
②①の実現のために鍵となる解決すべきCC視点の問題
この2点を明確にすることです。
①は⑴の①悩みの構造を理解する、で把握しているかと思います。
それを元に②を上述の例文を再度例にして考えてみます。

CC視点の問題点(再掲):
①異動が叶わない理由を上司や人事に確認しているのか
②営業職の中でも、具体的にどのような営業職を希望しており、その理由は何か
③営業に異動した後、活躍できるように何かしら準備(スキルUP)などを行っているのか
④転職を希望している会社の営業とは具体的にどのような業務を行うのか
⑤経理から営業に異動した先輩の話や事例など、情報を収集しているか

この①〜⑤の中で、CLの理想とする“営業職へのキャリアチェンジ”にとって最も大事になるのは何でしょうか。私は考える優先順位として、②→③→①→⑤→④ではないかと思います。
なぜなら、CL自身が“なぜそのキャリアを希望するか”“その職能で何が実現したいのか”が明確でなければ、社内異動はおろか、たとえ転職できたとしてもCLにとって満足のいくキャリアとなるとは考えにくいからです。

この考えは私の個人的経験に基づくわけではなく、あくまでキャリコンの基本理論であるシステマチックアプローチ、自己理解→ 仕事理解→啓発的経験・・・の流れにのっとった意見となります。
キャリアコンサルタント試験は、これからキャリコンになろうとしている人を評価する試験です。なので過去の自分の経験からくる知恵等ではなく、あくまで“回答者がキャリコンの教科書の考え方をどれだけ理解しているか“が評価基準となると思います。

故に、問3は上記回答の考え方に基づき“CC視点の問題”を選択することがベターかと思います。その際、問題点を最低2点は記述したいところ。上記の例だと②③といったところでしょうか。
なぜなら、続けて回答する問4では自己理解と仕事理解のどちらもバランスよく満たす論述がベター。そのためには問3でこれら要素を満たすCC視点の問題点を記述する必要があるからです。
なので、最低限2点は記述することをオススメします。


⑶上記をシステマチックアプローチの段取りに即して展開しようとしているか

最後に問4です。
問4はこれまで⑴⑵でまとめことを今後のコンサルティングの方針にのっとり記述するだけです。
では、その方針とは何か。
正解はないですが、私は以下のような流れになると思います。
①CLとの関係作り(ラポール形成)
②CC視点の問題点をCLと共有し認識を合わせる
③コンサルティングの目標をCLとともに設定する
④目標達成に向け目下優先される課題(問3で回答した2点をポイントとする)の解決に向け具体的な支援を行う

・・・・・・・・・

問4もこの流れで回答枠内に収まるように記述していくことがベターかと思います。
また①〜④、全体を通して記述する上で大事なのが、
・具体的で平易な言葉を使う
・目標、支援内容を具体的に記述する
この2点です。

例えば「関係構築する」は具体的には、「CLが安心して話せる場を作り信頼を得る」、
「自己理解を促す」は具体的には、「アセスメントツール〇〇を用いて、相談者自身の特性や傾向の理解を支援する」などより詳細に記述することができます。
こうする理由は、内容を抽象的に記述してしまうと、採点する側にとっては回答者の知識レベル&キャリコンの適任度合いを評価できない=低い点数をつけざるをえない結果になりかねないからです。
これば論述試験の後に行われる面接試験でも全く同じことが言えると思います。


「できるだけ平易、かつ具体的に述べる」
論述、面接を通して念頭においてほしいポイントです。


まとめ

ここまで書いた対策法を短くまとめると、
・文章を読みながらCLの主張を構造化して把握する
 ↓
それを元に
・CLの悩み(主訴)を明確にする
・CC視点のCLの問題点を2点あげる
・それらを素材にシステマチックアプローチの流れに基づき、
 今後の方策を平易、かつ具体的にまとめる
となります。

最後に各問を通して、自分の回答が「本当に的を得ているのか」を自分で評価するやり方を紹介します。
それは、問4の自分の回答だけを読んで、CLがどのような悩みで相談にきたがわかるか否か、です。
問4が上記ポイントを押さえ簡潔明瞭に書かれていれば、回答を読むだけでCLの悩み、今後の理想、問題の要点、解決の方策、全てが把握できるはずです。
これを1つの判断基準にする。オススメです。


追伸:
論述試験は50分しかありません。
これ、おそらく100%時間が足りないと思います(私も本番で構造化に予想以上に時間がかかりカツカツでした)。
なので過去問は試験時間40〜45分と、短めに設定して早く解くことに慣れていた方がいいと思います。


論述対策は以上です。
7月試験まで残り2ヶ月ですが、まだ間に合うと思います!応援しています!

※問2は明確な対策記述が難しいため、言葉足りずですいませんが上記⑴〜⑶の対策、考え方にのっとり記述してもらえればと思います)


【学科対策はこちら】


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