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ENBUゼミ映画監督コース制作日誌 DAY3“機材入門②”

2024年4月20日(土) 機材入門②

本日のまとめ

・録音、照明、編集について講義を受ける。
・実際にカメラにマイクをつないで音を録ったり、暗室でライトを動かしたり、
 AdobeのPremiere Proで素材の編集を手を動かして実施。
・今まで何気なく観てきた映画の1シーンに膨大な計算と労力がかかっていたことを身体で実感する。

学びと考えたこと

◽️録音
「ステレオとは何か?」という問いを考えることから講義がスタート。
映画における音と録音の意味・目的について、講師の質疑を交えながら考えを巡らす。
人にはなぜ耳が2つあるのか?
それは音の発生場所(左右前後上下)を正確に把握するため。

では映画においては、観客にどういう演出意図のためどういう音をどう聴かせたいのか。その為にはそれぞれの音の「定位(場所)」をどう設計するのか。
IMAXは文字通り没入できる映画体験が売りだが、冒頭のPR動画でこれでもかとおしてくるスピーカー(「ほらここからも!」笑)の価値は、計算された録音があってこそなのだと本日の授業で納得。
録音や音響はアカデミー賞などの賞レース系のニュースでは大きく取り上げられることはないが、俄然、音造りの世界に興味が湧いた。

最近では小型のワイヤレスイヤホンでもAir Podsのように立体音響が楽しめるようになった。そのうち「her 世界で1つの彼女」のようにみんなイヤホンを装着した社会になれば(ほぼそうなってるけど)、録音、音響制作の技術はより重宝されるように感じる。

「映画の半分は、音だ」

ジョージ・ルーカス  TechnicsラジオCMより

◽️照明
教室を暗室にし、対象物と照明の距離を変えて影の輪郭の変化を確認。
またレフ板を使って光がどのような表情となるかを議論した。

以前の職場で「感情表現や対象のイメージ(かっこいい、可愛らしいなど)を左右するのはライティング」と教えられたことや、絵は陰影表現で作品から受ける印象が大きく変わることを思いだす。

ライティングが素敵な映画といえば個人的に感動したのがハビエル・バルデムがむちゃくちゃ怖い「ノーカントリー」。車のライト、扉の隙間から差し込む光と影、薄暗い街頭など作品のサスペンスを大変盛り上げておりとても好きだ。
自作品制作の際は照明にもとことんだわりたい。

米国では撮影監督が照明も担当しているが、日本では照明という部門が独立で存在しているという。このあたりの背景も今後調べていきたい。


◽️編集
事前に用意された動画素材をPremiere Proで編集。
一通り基本的なソフトの操作を確認し、最後は書き出しまで行った。
編集はシンプルに切る・つなぐの繰り返しなのだが、これが非常に映画の「面白さ」を左右すると思う。
せっかくいい画が撮れていても編集1つでテンポの間伸びや、理解できないシーンになってしまう。映像制作において最も言語化しにくい部分のように感じる(つまりAIへの置き換えも難しい)。
数多くの名作を観てタイミング、呼吸を自分にインストールする。それを実際に作品で再現してみる。何度も繰り返す。編集の上達はこれしかないような気もする(落語の「間」と似ているような)。


次回はいよいよ撮影になる。
それまでに班で脚本を練り、当日の準備をしておかねばならない。
必要な知識と環境は与えつつ学生の自主性に任せるENBUゼミの形式は非常に自由度が高く、またその分各自が責任を持って取り組まねばならずありがたいと同時に緊張感がある。
全力で取り組みたい。

#映画 #映画制作 #映画監督 #ENBUゼミナール #映画学校 #映画スクール

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