梅雨入り前 お泊りの旅 ~初夏の祈り編~
TDRもいいんだけど
なるべく空いている時期の平日、定期的にディズニーシーを訪れて、ミラコスタでのんびりして、ディズニーマジックに酔いしれながら帰宅・・・なんて、家族旅行が定番だった時期が長く続いていました。
しかし、パークインしても、一部のアトラクションに乗る以外は、異国風の環境でもっぱら食事とお酒を楽しむのみで、パークへのこだわりが次第に薄れてきたことを自覚していました。ダッフィちゃんをはじめ、ディズニーグッズにしてもメルカリで普通に、場合によっては安く転売されていますし。
さらに、コロナ禍を経て、我が家のディズニー熱は次第に落ち着き、別の視点で旅を楽しみたい欲求が高まってきたのです。
観るべきものが、ほかにいっぱいある!
早い話、家族全員、トシをそれなりに食って、旅の好みや対象が変わっていったのですね。
ひとつが、個室露天風呂つき旅館。
そして、
もうひとつが、浅草。
言うなれば、街全体が生きたテーマパーク。
入場ゲートやパスポート券も、映画のオープンセットのようなしつらえもなく、そこで生きる人々の暮らしも含めて、色々と見聞きし、考えることができ、そして楽しい、日本の誇る観光ゾーンですね。
私にとって、訪れるたびに積み残しの宿題ができて、何度も足を運んでしまう日本最大の門前町なのです。
東京観光のアイコン ASAKUSA
さて、家族全員の日程をやりくりして、大型連休を避けた平日を確保して、今回も車で浅草へ。
「GW明けの平日だから、空いてるはず」
浅草エリアに入ると、平日なのに結構な人出、インバウンド客もわんさか。そこかしこに三社祭の告知を見つけて、祭りの期間内ということにそこで気づきました。
ホテルに荷物を預けて、とりあえず浅草寺に移動です。
観光スポットの雷門でひとつ確認事項がありましたので、まず、そちらに取り組みます。
それは大提灯の下に彫られた龍。
東京観光のアイコン的存在として、雷門ははるか昔から存在していたように思いましたが、火災による消失もあって、今のそれは昭和の戦後、松下電器(現パナソニック)創始者の松下幸之助氏によって1960年に再建されたそうです。
この大提灯もあわせて寄贈されたとのことで、松下電器の名が明記されています。
大提灯の底部には、浅草寺の縁起にちなんで、水をつかさどる火防ぎの神として、龍の姿が彫られています。
実はこの一枚を撮るだけで、ヒヤヒヤでした。
大提灯の前にはインバウンド客が群がって、できればバックに他人が写り込まないような記念写真を真剣に狙っています。
私が真下でウロウロ撮影してますと、モロに背景へ入ってしまうので、天地もわからないまま、3枚ほど連写してそそくさと退散したのでした。
う~む、真下に行ったはずなのに、ほとんど肉眼で観られてないぞ!
龍の彫り物については、みゃおんさまの記事で知りました。
お教えいただき、ありがとうございます。
それでは、人でごった返す仲見世通りを迂回して、本堂へ向かいます。
「うわっへ!」
階段には、ライブスダンドの様に観光客が座っています。
何が始まるのでしょうか?
何も始まりません。
この日は陽射しが強く、日陰の少ない境内から、本堂のひさしで休憩していたのでした。
これでは本堂にあがれません。
警備のおじさんにマイクで注意されて、しぶしぶ追い散らされています。
観音様も苦笑いだろうなぁ。
お礼参り
無事に参拝できたところで、家族と別れて単独行動に移ります。
本日の第二目標は「待乳山聖天 (まつちやましょうでん)」。
浅草寺から隅田川方面へ10分ほど歩きます。
病気平癒から心願成就まで、日頃からお世話になっておりますので、お礼参りを兼ねています。
そもそも聖天とはインドのヒンドゥー教の神ガネーシャ。頭が象の姿をもつ神さまとして知られています。
日本に伝わってきた時には仏教と習合して、仏法を守る神としておまつりされる、二体の象が抱き合った、ちょっと変わったお姿です。
そのご利益はあらゆる願いの成就。
そのココロをざっくり説明しますと・・・
そもそも、お前たちは強すぎる煩悩に振り回されて、修行どころではなかろう
それでは、先にお前たちの小賢しい願いをことごとく叶えてやる
心身スッキリしたところで、身を捨て、煩悩を捨て、改めて仏道に励むがよい
そのかわり、ワシへの供養をはじめ、仏法僧をおろそかにするヤツは許さんからな
と、アメとムチのご本誓に基づいています。
靴を脱いで本堂に上がり、静謐な中、皆さんそれぞれに願い事をお祈りしています。
若い女性の参拝も多いです。みんな大変なんだね。
先ほどいただいた大根をお供えして、聖天様の真言とともに、心の中で今までのお礼を申し上げました。
家族と合流するため、一旦ホテルに戻ります。
別動隊はやげん掘で七味唐辛子、海老屋本店で佃煮、松屋で入山煎餅を事前の手はず通り買いまわっているはず。たぶん、今頃、梅園のあわぜんざいでも食べていることでしょう。
道すがら、言問橋のたもとから、スカイツリーを眺めることができました。
近くまで何回も行っているのですが、未だに登ったことはありません。
待乳山でひいたおみくじは「末吉」でした。
前回は「凶」。
「まぁ、こんなもんでいいんじゃないか?悪くはないぞ」
聖天様に告げられて、背中を後押しされているような心持でホテルのロビーに向かいました。
この後、夕暮れの近づきと共に、
底抜けな食欲に満ちた時間がやってまいります・・・
つづく
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