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ミュージカル薄桜鬼「真改土方歳三篇」見逃し配信見ながらの感想①

ミュージカル薄桜鬼「真改土方歳三篇」の大千秋楽から1週間。
アーカイブ配信を見つつ、劇場で感じたことを思い出しつつ
配信で気づいたことを織り交ぜながら
ただの感想を残していこうかなと。

私の薄ミュおよび薄桜鬼体験は以下

  • ゲーム薄桜鬼真改はプレイしたことはある(相馬√、土方√、斎藤√)

  • 土方√をプレイしたのは2年前が最後

  • 薄ミュを現地で見始めたのは真改相馬主計篇から

  • 毛利さん演出の薄ミュは映像でのみ(斎藤一篇、沖田総司篇、土方歳三篇、奇譚)

  • 薄ミュの入り口は志譚土方歳三篇の円盤から

要は
ゲーム薄桜鬼オタクではない(思い入れが強くない)
毛利さん演出の薄ミュへの愛もない
かといって志譚・真改への拘りもない
という状態です。ある意味フラットな感覚かなと。
基本的にはキャストさんに所謂推し(志譚では和田さん、真改から久保田さん)がいるので触れるようになりました。

そんな人間が今回の真改土方歳三篇ではnoteに感想をとどめようと思うほど
心を揺さぶられたのはどういうところにあったのか。記録しておこうと思った次第です。

まとめるよりも思いのままに残そうと思ってるので言ってることが矛盾してたり、見当違いのこともあるかと思いますが、個人的なメモだと思ってスルーしてください。

前置きが長くなりました。
では、まず一幕から。

開演前には風の音が鳴っていて客席照明が落ちると波の音が聞こえてくる。
中央スポットに千鶴がいて上手から大鳥さん登場。
千鶴と大鳥さんが回想する形で物語が始まる。
「土方くんは不思議な男だ、どこからそんな力が出てくるのか」
という大鳥さん
「ただまっすぐ自分の中の武士を貫こうとしていたんだと思います」
と返す千鶴。ここで激しい太鼓の音が響いてきて
建物のセットが二つにわかれ真ん中から
新政府軍の兵士が登場、続いて土方さんが走って入ってきて次々と兵士を切り倒す。
曲は初めて聞く曲。今回全部新曲と聞いていたので驚きはなかったけど
かなり激しい曲調で、歌いながらの殺陣も力強く
初見のときは歌詞はほとんど頭に入らずただただ圧倒された。
今回振付とステージングも本山新之助さんに変わったからか
殺陣から歌の振付の部分は強さよりもしなやかさとか流れるような組み立て
が印象に残り、特に腕を回したり円を描くような動きがとても美しく
回りながら刀で斬るあたり、これが!見たかった!!!という動きで
このオープニングだけで事前に少し不安になってたけどそんなものは吹っ飛び期待が爆上がりした!
この時は黒髪短髪の洋装バージョンで、冒頭にしか登場しないので大変貴重な姿であることを後で気づきました。出してくれてありがとう。
初見では全然歌詞が頭に入ってなかったけど
最後に「無様でも生き続ける」という歌詞で終わり、
その後は風間と一騎打ちして捌けていく。これは千鶴の脳内にいる土方さんの思い出だとすると、千鶴は土方さんは生き続けるつもりと思っていたのか、それとも生きてほしいという願望だったのか。

そして君だけが知る土方歳三の話をと聞く大鳥さん。
視点が千鶴に固定されて進むことがわかる。

そこから千鶴の歌が始まり新選組との出会い。
「己が宿命抗い続ける」という歌詞は
鬼一族再興に抵抗するってことなのか。

ここで斎藤、沖田が登場。
今回の沖田総司はへへへって笑ってることが多いんだけど
最初の「へへへ」がここ。

「いいか逃げるなよ。背を向ければ斬る」のおなじみのセリフのあと屯所へ

ここにいちゃだめだと逃げる千鶴を捕まえる土方。
千鶴の腕をつかむ手にしっかり力が入ってて本気で捕まえようとしてる。
最初は怖い人、厳しい人、っていう印象を強く持たせてる。
そして最初のタッチポイントでもある。
今回土方と千鶴のスキンシップも多かったけど、ここが最初。
千鶴にとって本気で男の人に腕を掴まれたは恐らく初めてのはず。
恐怖心もあるけど少しドキッとした部分もあるだろうなと思う。
なんせこの美形だし。

「誰かの小姓にすりゃいいだろう」という土方に向かって
「土方さんこういうときは言い出しっぺが責任取らなくちゃ」からの
「へへへ」と笑う沖田はいつも以上にいたずらっ子風味が強い。

一人残った千鶴に「心配しなくていい、ああ見えて歳は昔から他人に世話を焼かずにはいられない男なんだ」と教える近藤さん。
近藤さんから見た土方という男の一面が語られる。
千鶴はまだ半信半疑だけど千鶴内での土方像が多面的に蓄積されていく最初のきっかけになる。

そして池田屋事件へ。
山南さんが腕を吊って少し後ろ向き加減で立ってる。
土方さんの指示で池田屋と四国屋に分かれる隊士たち。
ビートの強い劇伴で疾走感のある池田屋。
歌詞も「走りだせよー」「走れー走れー」と歌ってて
走るような振りもついてるので躍動感がすごい。
だんだららっせーらという掛け声も勢いがあって体育会のノリ。
近藤さんの名乗りからの沖田、新八、平助の口上も
これまでの真改シリーズの中でも一番外連味のある言い方。
特に沖田の「すごく近藤さんらしいよねぇ!!」がめちゃくちゃ楽しそうで
走ってるときも今までで一番元気いっぱいだった。
こんな元気な沖田は初めて見た気がする。

四国屋へ向かった土方たちに千鶴が伝令で本命は池田屋と伝えるところ。
土方の千鶴に対する信頼度がちょっとあがる。
副長が池田屋へ向かう京都所司代や会津藩の役人たちを制止する場面
何のために副長が一人で立ち向かっているか山崎さんが説明してくれるのよかった。
真改だとこの説明が今までなくて相馬篇を初めて見たとき
まだゲームもプレイしてなくて新選組についても詳しくなかったので
土方がどこ行ったのかわからなかったんだよね。
彼の背負おうとしてるもの、新選組をもっと大きくしたいという思い
を際立たせるためにも山崎さんの口から説明してもらえるのはとてもよい。

そこで池田屋の場面終わらせるのもいい。
鬼一族と沖田や平助がやりあうところは見せず、
あくまで副長の責任を見せたところがよい。
まだ鬼一族の存在を知らない土方。

ここまで来て、これメインテーマじゃないよね?
まだオープニングしてないよね?となる。
どこで入るんだろう?と思っていたところ。

そこから禁門の変へ。
風間が隊士を斬りながら登場。
ここでも風間の口上がいいんだよねー!!

「今日も戦場で手柄探しか
田舎侍にはまだ餌が足りんと見える
いや貴様らは侍ですらなかったか」

これぞ鬼!!という感じ。

ここで土方登場。
「池田屋で総司を倒したやつか。大した凄腕らしいがずいぶんと安い挑発をしてくれるじゃねえか」
に対して
「腕は確かな百姓集団がいると聞いていたがそれも作り話と見える」
と風間。
「舐められたもんだなぁ!!」とかかっていく土方。

ここでメインテーマ!!!
はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!とスポットが隊士たちにあたって
横一線に並んだ隊士が刀を構える。

…かぁあああっこいいいい!!!!

シンプルに好き!!!!

せいっ!!ははっ!!という掛け声のもと歌が始まる。

今回のメイン曲、歌詞がとにかく好き。
ヤイサも祇園精舎とか諸行無常とか平家物語モチーフは入ってたけど
今回はもっと明確になぞらえてる。

1コーラスめ
「祇園精舎が鐘が聞こえる
ついにこの時がきたぜ
諸行無常響き渡れば
時代が動き出す
沙羅双樹の白き花びら
返り血で赤く染めて
(刀の血を着物の袖でぬぐうのがめためたカッコいいい!!)
盛者必衰理しれば
武士としての夢が始まる」

で隊士一人ずつのワンフレーズ歌った後土方登場

「全部背負ってやる誠の旗に
誓った覚悟あきらめねえよ」
のあと鬼パート

風間「気高き鬼を知れ覚悟しろ」
ここでいったん場面に禁門の変の場面に戻る。

風間「武士の誇りを持たぬ幕府の犬よ
腹を切る時間と場所を求め天王山を目指した長州侍の誇りをなぜ理解できん」
そこで千鶴が
「誰かの誇りのために誰かの命を奪ってもいいんですか
誇りとは自分自身で守るもの
心の中にある大切なものは他人の手が触れた瞬間に変わってしまう
形だけの誇りを守ってもらおうなんて誇りが許さないと思います」
と割って入る。風間はここで千鶴に気付き何かを悟って千鶴の頬を刀で斬る。傷がすぐ治る千鶴を見て鬼一族の同胞であることを知る。
土方はそれを見ているけど、気にも留めず続ける

「戦いをなめんじゃねえ
身勝手な理由でけんかをふっかけたくせに
討ち死にする覚悟もなく尻尾巻いた連中が
武士らしくキレイに死ねるわけねえだろ」

「自ら戦を挑むからには殺される覚悟を済ませておけといいたいのか」
「死ぬ覚悟もなしに戦を始めたんならそれこそ武士の風上にもおけねえ
奴らに武士の誇りがあるなら俺らも手を抜かねえのが最後の贐だ
でおめえも覚悟はできてんだろうな
俺らの仲間を切り殺したその覚悟を」
風間に対する怒りの原点は隊士を斬り殺されたこと。
その始まりとなる禁門の変での風間との会話をたっぷり聞かせてくれて
嬉しかった。
ここの言葉選び、原作ゲームをプレイしてるときもかっこいいと思ってたので、聞きながらこれこれーー!って思ってた。

誇りと覚悟。2大重要キーワードが連呼される。

風間が去り、綱道さん登場
千鶴
「優しい背中、思い出し手を伸ばす(土方さんの方へ)
覚悟決めて」
ここの千鶴の声の伸びやかさ。
千鶴役は毎度歌の上手いのが定番だけど今回の竹野留里さんは
20年も民謡を続けてるとのことで歴代千鶴にない節回しと力強さがあって
新鮮だった。回を追うごとに声の伸びもよくなって
この後の歌でも隊士たちの歌声に負けない声量で乗せてくるところ。
土方さんの隣に並ぶにはこのくらいの強さが必要だったのかな。
強さだけじゃなく、民謡の持つ土臭さ、大地に根を張るような安定感が
これまでの千鶴にない色だったような気がする。

そして全員登場
「祇園精舎鐘が止まって春の夢終わり告げる
諸行無常おごれるものは夏の夢に酔いしれ
沙羅双樹が赤く染まって始まるか秋黄昏
盛者必衰夢が散る冬
見せてやるぜ夢の行く末」

1コーラスめで夢が始まり、2コーラスめで夢は終わりを告げるけど
その行く末を見せてやるで終わる。
この物語の全てた詰まった歌詞。もうーーー好き!!!
さっき「誇り」と「覚悟」が2大キーワードといったけど
最大キーワードは「夢」。
真改になってからここまで「夢」を強調したことはなかったので
土方にとって新選組は「夢」そのもの。
夢を見続けるために誇りを持ち覚悟を決める。
一貫したテーマが序盤にオープニングで語られてついていくしかないと
こちらも覚悟を決めました。

やばい、ここまでですでに4000字超え…

そこでまた波の音が聞こえてきてセットが閉じて
大鳥さん登場。
大鳥さん出てくるととてもホッとする。
暖かみがあって優しくて。
鬼のことも話したくなければ話さなくていいよって言ってくれたり
救われる。

このあとは近藤さんの稽古指南の日替わりシーン。
毎回楽しかった。
千鶴の度胸もよくわかったし。
そこから試衛館時代の回想シーン。

ロック調の曲が
青臭くて泥臭くてギラギラしてる感じがあって
隊士たちの野性味が出てる。
壬生狼って呼ばれるのもわかる感じ。
ここも沖田が元気いっぱい。
土方と背中合わせでにやっとするところいい。
近藤さんを中心に夢だけはでっかく持ってたんだなってのが伝わってくる。
今まで描いたことのない試衛館時代を入れたのは
土方の夢の原点であり、この時代に隊士みんなで笑いあって
切磋琢磨してたことが彼らの思いを背負う覚悟に繋がるからなんだろうな。

続いて伊東甲子太郎登場。
山南さんが追い込まれていくきっかけになる。
伊東さんの言葉にいきり立つ土方に山南さんと土方の関係性がわかる。
沖田が伊東さんにいら立つところもよかったな。
変若水を飲む山南さん。そこへ沖田が現れて
山南さんを止めるが自刃。
その経緯を隊士たちが話してるところを盗み聞きする千鶴。
ここで入んなって促す原田の優しさがよかった。
このとき
「お前は新選組には必要のない人間」と言う土方。
この時はまだ千鶴に特別な感情はない風なんだけど。
「山南さんは兄貴みたいなもんだったんだ」
「意地を張り続けてる俺を止められるのはあの人くらいだろ
じゃなけりゃ今はねえよ
戦えないそんなこと関係ねえ
これからも必要だあの人失いたくねぇ」

この歌。今回、土方が特別な想いを歌う相手は千鶴と近藤さんと山南さんなんだよね。
この歌は山南敬助篇へのアンサーソングだったような気がする。
山南篇では山南さんの土方への思いの強さは伝わってたけど
土方から山南さんへの言葉はなかったから、土方篇で改めて伝えたのかなって思ってる。

そしてここで千鶴に
「大丈夫です怪我のため治すため皆さんと生きるため決めたこと
だからこそ信じてください」
と励まされて

「ありがとよ
新選組の副長がこんな年下の娘に励まされてんだか」

ついさっきお前は新選組には必要のない人間て言ってたのに
山南さんへの思いをなぜか千鶴に話してしまう。
少しずつ千鶴の存在が大きくなっていく。

二条城へ。
千鶴に伝来やら使いっぱしりを頼む。
一歩も外へ出るなと言ってたのに隊士の一人として認めつつある。

鬼一族登場。ここの曲好き。

「てめえには禁門の変で隊士を切り殺された借りがあるんだよ」
「つぶした虫の数など覚えておらんなぁ(ジョジョの奇妙な冒険のDIOの食ったパンの数を覚えているというのかへのオマージュ?)」

風間の目的が千鶴を奪うためと聞かされ
隊士を斬り殺された恨みだけじゃなく千鶴を守るという目的もここで生まれる。

ここまで見てきて、千鶴との関係の変化だけじゃなく
土方vs風間になるきっかけと構図も一つ一つの場面から積み上げてくれてて
すごくわかりやすいと思う。

テンポは速いけど押さえるところは押さえてる感じ。

松本先生登場(シルエットのみ。声は革堂綱堂さん役の川本さん)
沖田に労咳であると伝える。
このときの沖田の顔。
「面と向かって言われるとさすがに困っちゃうなぁははは」
と言ってるけどもう笑うしかない、と言う感じ。
わかってたけど、聞きたくなかったという思い。
「血を吐きながらでもここにいます
僕は新選組の刀ですからここにいることが僕の全てなんです
新選組の前に立ちはだかる敵を斬るそれだけなんです
近藤さんたちには言わないでくださいよ」
地面にこぶしをたたきつけて悔しがる総司
吐いた血を足で消す。
沖田の無念さが土方がこのあと覚悟を決める要素となっていく。

宴始まる。
土方が沖田に「うまいものたんと食っとけ」と言う。
土方さんと沖田は二人で2階にいて魚を食べてて
ちょっかい出す総司。
労咳であることを隠して明るく振舞ってるんだと思うと
切なさが増す。
楽しく歌ってるけど途中胸を押さえる総司。
もう一人、影を落としてる人物が平助。
ふと自分の行く道を考えてしまう平助。
それでも最後は全員で
「仲間と交わす月夜の酒」で乾杯。
少しずつ夢の形が変わり始めたけど今はまだみんなで楽しんでいたい。
そんな場面。

ここでまた土方が沖田に「たんと食え」と声をかける。
そのやりとりは実は台本にはなかったそう。
自然と沖田と目が合うので一言声をかけて
毎回違う返しを沖田からもらうという感じだったとか。
土方さんは僕のお母さんですか?とかね。

ほんとの日替わりはおなじみの三馬鹿。
毎回楽しませてくれました。

去っていく3人を見ながら多摩時代を思い出す土方。
近藤さんをひとかどの人物にしてやるって思ってた。
これが試衛館時代の場面を入れたことですんなり入ってくる。
「長くて幸せな夢をずっと見続けてるんじゃねえかってな」

そして斎藤さんと平助が隊を離れていく。
「いいんですか?」と詰め寄る千鶴に
「夢はまだ終わらせるつもりはねえんだよ」と土方。
隊を離れる人間がいても新選組は新選組。
新選組の夢を叶えるまでは前を向くという覚悟。

そして沖田から始まるソロ
「残酷だよ全て奪われるなんて」
平助
「間違えたか生き方、こんなつらい思い」
斎藤
「いつも誠さがして」
左之・新八
「振り返る暇はなかった」
山南さん
「仲間のため。剣に生きる」
全員
「それだけだったのに
なぜうまくいかない見えない何かが行く道をふさいで
お前には無理だと笑ってら」
土方
「弱気になんてなるんじゃねえよ
らしくねえそんなの
信じりゃお前ならできるそうやって生きてた」
全員
「自分で決めた人生なんだよ
憧れて追いかけて進んできたはずなんだ
心配なんかねぇ
道は繋がるさ
自分だまさないで嘘をつかずにただ生きれば」
平助がわらって土方を見る。
信じた道は同じでも進むべき方向が変わる。
それでも自分はまっすぐに生きなきゃいけないと言い聞かせる土方。
やせ我慢の人土方の歌。
隊を離れたとしても一度新選組で夢を語り合った隊士は
ずっと新選組の仲間だと思っているのが土方なんだね。

屯所襲撃。
「ここは鬼とやらの集会所じゃないんだぜ」と風間に言う土方。
隊士を斬り殺された借りだけじゃなく
新選組で預かってる千鶴を守るという意味も風間との戦に生まれる
とっさに小太刀を抜いて風間に向かっていく千鶴をかばう。
この場面はハッとしました。
ゲームで見た!!!と。
今回千鶴と触れ合うシーンが多いと思ったけどここは序盤の最重要ポイント。
無意識に千鶴の肩を抱き寄せることができるのがこの真改土方って感じ。
女性をかばうことに慣れてる感じ。その上で
「人のものに手を出すんじゃねぇ(もう必要ない存在ではなくなってる)」

なんて言われたらそりゃ好きになるに決まってるじゃん?
ってなるよね。

ここで千鶴の秘密を知る大鳥さん。
聴かなかったことにする方がよさそうだね。なんて
どこまでも優しい。
「はい、お茶」の言い方がほっこりする。
受け取ったお茶を土方に出す千鶴。
髪を下ろした土方が千鶴に顔を向けずに書き物をしている。
この姿、隊士たちにも見せてない姿なのかなって。
千鶴にしか見せてない姿なのでは。
ずっと下を向いていたけどふと顔をあげて目を合わす。
目を合わす瞬間があるのがいいのよ。
ドキッとするよね。
その上で
「新選組の意地がかかった存在」
「お前のことは新選組が守ってやるから心配すんな」
こんなこと言われたら好きになるに決まってるよねぇ?
土方√なのでそのポイントを外してないのはその通りなんだけど
そこの流れが自然だし、何より久保田さんの土方がちゃんと舞台上で
生きてる感じ、気持ちが動いてるのが伝わるから見ているこちらも
自然と千鶴の気持ちに乗っかってふわっとした気持ちになる。
これが乙女ゲームというやつか???
と今更ながら思いましたわ。

油小路の変。
ここもロック調の曲。
ロック調のアイドルソングって感じで平助にぴったり。
平助が新選組隊士としての気持ちを思い出す。
試衛館時代を思い出す感じ。
だけど天霧にやられてしまい
山南さんが変若水を飲むことを進める歌詞が
「夢に走り続けるなら」
ここでも夢。夢のためなら変若水を飲む。
山南さんも平助も。
「見てろ弱い俺が無様でも生きる姿
俺が進む道なんだ、みて・ろよ!!」

山南さんが千鶴に血を分けてもらおうとする。
土方さんが止めに入る。
「隊士同士の流血沙汰は許さねぇ」
「隊士じゃねえが似たようなもんだろ(もう隊士と同じ存在になってる)」
それに対し頭を下げる千鶴。
「私もお役に立てるそんなことがあるなら
できることがあるならばお手伝いをまかせてほしいんです
力不足でも守られるだけじゃいけない
私が皆さんのためにできることを(頭をさげる)」
しょうがねえな、と言う感じで
顎くい!
からの「頭をさげんじゃえねぇ」
はい、何度目かのタッチポイント。スキンシップ多いねぇー。
「てめえの心の中にどうしても譲れねえものがあるというなら
頭なんて簡単に下げるなよ
やましさねえならいつでも自分を信じてその目そらすなよ
ちゃんと前を見てろ」
俺を見てろって言ってるんだもん。
二人で
「どんな時でも信じてればいい
その心、その思い
明日前だけ見つめて
これからなんてわかれねえけど前だけ見つめて信じるだけ」
言葉遣いはべらんめえなんだけど歌声が優しいんだよね。
久保田さんの土方は歴代土方の中でも根っこに優しさがあって
特に歌声に滲み出ている。
デュエットは思った以上に甘さが出てそこがよかった。

王政復古の大号令。
近藤さん撃たれる。沖田も離脱。
私でもできることがないか必死に探しましたと千鶴。
「認めてたんじゃないかな」と大鳥さん
「今度はおにぎり」と差し出す
ここの言い方も優しい。こんなに優しいおにぎりは聞いたことがない。
隊士におにぎりを配る千鶴。自分の分がなくなって
土方が自分のおにぎりを差し出すけど、千鶴が断るので半分に割って渡す。
もうさ、乙女ゲームの王道突っ走りまくり。
土方と千鶴に焦点を絞ったと毛利さんが事前インタビューで言ってたけど
千鶴視点で見てるから好きになるしかないのよ。
「ありがとよ。ここに残ると決めてくれて」
いてほしい存在になってるんだよね。

そして運命の1日。鳥羽伏見。

劣勢の旧幕府軍にあって
「もう刀や槍の時代じゃねえってことか」と無念さをにじませる。
「ここは撤退だ!」の号令。
隊士と淀城へ向かう千鶴の前に風間が登場。
この隊士は原作だと井上源三郎さんで
過去の土方篇でも源さんとのやり取りがあるんだけど
今回は言及せず無名隊士みたいになってるけど
私はこれは尺の都合で説明できなかったけど源さんなんだ
と思いながら見てた。
そして隊士を無残に斬り殺す風間。
「虫けらのような男を殺されたのがそんなに悔しいか」
「黙って!黙れ!」と千鶴
「あなただけは絶対に許さない」
初めて怒りをあらわにする千鶴。
千鶴は隊士の一人になっている。
だから仲間を殺された憤っているのだとしたら
源さんでも源さんじゃなくてもいいということだったのかも。
(井上源三郎記念館さんから花が届いていたりしたのでほんとは登場する予定だったのかも。ただ時間の都合で説明できなかったけどこの隊士は源さんのつもりです、という裏設定はありかもとは思った)

「あなたに連れていかれるくらいなら舌を噛んで死んでやる」と千鶴。
そこで土方登場。「誰がそんな真似を許さん」
「俺の眼の届かねえところで勝手に命を投げ出そうとするんじゃねぇ」
だが風間に全然歯が立たずズタズタに斬られる。
変若水を飲む土方が引くと
鳥羽伏見の各戦場で戦う隊士が登場。
江戸にいる沖田と近藤さんは2階から見ている。

そこでメインテーマ。
ここねーそんなに長くないんですけど戦闘の激しさが伝わるんですよ。
赤いライトとスモークと音響で。

で、
「武士としての夢が始まる」で締めたところで
羅刹になった土方登場。

「馬鹿げた夢を見てそれだけをひたすらおいかけてここまできた
今はまだ坂道を登ってる途中だ
ぶっ倒れて転げ落ちるわけにゃいかねえんだよ」

ここからのセリフは全部かっこいい。
土方の真骨頂。

「武士のまがい物として扱われてきたんだよ
今の時代どこに本物の武士がいるってんだよ
俺たちはそんな連中よりよっぽど武士だぜ」

力がどんどん漲ってきて「ふん!」って不適に笑う顔が堪らなく美しい。

「まがい物だろうがなんだろうが貫きゃ誠になるはずだ
つまりこの羅刹の力でお前を倒せば
俺は俺たちは本物になれるってこったろう」

「推し負けてるぜ鬼さんよ!」
風間に煽りながら向かっていくところぞくぞくする。

そしてメインテーマ2コーラスめ。
「夏の夢に酔いしれ」
で刀を袖でぬぐうところ薄ら笑い浮かべてて
くっっそかっこいい!!!!!

そしてついに!!

風間に一太刀!!

「こりゃあいいや
まがい物に傷をつけられた感想はどうだ!
鬼の大将さんよ!!!」
ぐおおおおおお!!!!!
テンションMax!!!!

からの風間
「おのれ、虫けら以下の分際で
よくもこの俺の顔に傷を!
貴様は絶対に許さんぞ!!
この世に存在するあらゆる苦痛を味合わせ
なぶり殺しにしてやらあ!!」
今まで声を荒げたことがない風間が首に青筋が立つほど
怒りに震えて激高するのも堪らない。
風間の執念が千鶴から土方に切り替わった瞬間。

「いいぜ!できるもんならやってみやがれ!!!」

にらみ合う二人。
ーーー一幕終了ーーー

はーーーーー。ここで一幕ですよ。
もうね、腰抜けた。

何このかっこよさ。
とにかくセリフがいいんですよ。
原作ゲームにあるいいセリフをチョイスしてるところがいい。
で繰り返し語られる「夢」「覚悟」。
千鶴目線だから土方の強さ、弱さ、夢、覚悟全てを見せてくれる。
だから好きになってしまうという説得力。
あぁこれが薄桜鬼なのかぁーーと思った次第。
でもまだ一幕終わったところ。
さて二幕はしんどい展開が続くのは知ってるよ。
見届けてやらぁ!!!
というところで、いったん締めます。

一幕で1万字弱まで来てしまった…



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