発電所戦略で合意

電力システムの脱炭素化と安定供給には、再エネと電力系統を一貫して拡大整備してくことに加えて、近代的で柔軟性が高く気候に優しい発電所が必要である。このため、オラフ・ショルツ連邦首相、ロベルト・ハベック経済大臣、クリスチャン・リンドナー財務大臣は、発電所戦略の主要な要素と今後の手続きの内容について合意した。

将来の電力市場設計に関する作業を直ちに進め、特に市場ベースの技術中立的な容量メカニズムのコンセプト(いわゆる容量市場)を遅くとも2028年までに運用を開始する目標で開発することが合意された。これについては、遅くとも2024年夏までには連邦政府内で政治的合意に達することになっている。さらに経済気候保護省(BMWK)は、「気候ニュートラル電力システム・プラットフォーム」を考慮に入れながら、2024年夏には、将来の電力市場設計について、与党内部の政治的合意に向けたオプションペーパーも発表する。安定供給については、保守的なシナリオと紛争などを考慮した「危機」シナリオを想定した電力安全保障の分析によって検討する。

発電所戦略は、将来的に水素を利用することができる、近代的で柔軟性が高く気候に優しい発電所への投資の枠組みを提供するものである。また、これらの発電所は太陽や風が少ないときでも、気候にやさしい方法で電力の安定供給を確保する。そのため、システムの安定性にも大きく貢献する。

十分な(no regret)発電所数量(容量)を迅速に実現するため、発電所戦略は、新規発電所の早期建設に向けたインセンティブを直ちに提供する。発電所戦略の一環としての入札は、新規発電所が将来の容量メカニズムに完全に統合されるように設計される。

具体的には、連邦首相、連邦経済気候保護大臣、連邦財務大臣は、発電所戦略の一環として、短期的に最大4回、1回2.5GWの水素対応ガス火力発電所の新規発開発を入札にかけることに合意した。これらの発電所は2032年に定められるスケジュールに沿って、2035年から2040年の間に水素に転換する。これらの発電所は、電力システムにとってクリティカルな立地に設置される。建設にかかる補助金は気候転換基金から調達される。

新技術(核融合など)の開発や発電所の運転試験を支援するため、これらも適切な方法で支援される。水素のみを燃料とする発電設備には、エネルギー研究の一環として500MWに到達するまで補助金が提供される。ガスを使用する発電設備でのCO₂回収と貯蔵は、炭素管理戦略の一環として取り組まれる。

また、電解槽(P2G)の建設と運転に対する既存の制度上のハードルは制限なく撤廃し、特に電力システムを支える(DR)運用を行う電解槽の拡大を加速させるためのあらゆる機会を活用すべきだと合意された。さらに、蓄電池と電解装置で消費される電力に対する賦課金や税金の二重徴収を廃止し(現在は系統からの受電時と系統への給電時の両方にかかるものが存在する)、市場ベース(価格シグナルが適切に働き)かつ需給調整に有効なインセンティブを水素製造に提供しなければならない。余剰電力の利用は制限なく可能とするための、既存の規制上のハードルは可能な限り撤廃する。

発電所戦略に含まれる発電所の計画・認可手続きは大幅に短縮される。

発電所戦略に関する合意は、ブリュッセルで欧州委員会と協議した後、パブコメにかけられる。昨夏からの欧州委員会との建設的な話し合いの上に今後の協議を進める。

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/2024/02/20240205-einigung-zur-kraftwerksstrategie.html

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