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RED デジタルシネマ・カメラの基礎知識<第3刷>

ハリウッド映画の常識を変えた?!デジタルシネマ・カメラの初号機 RED ONE から、話題の最新モデル V-RAPTOR まで『RED Digital Cinema』の全モデルの解説と、その進化の歴史を紹介していきます。

当記事は、動画制作のオンラインサロン 『UMU TOKYO』で公開されたものです。限定公開を目的に有料化しています。公開日:2021.10.7
https://community.camp-fire.jp/projects/view/231393

1. デジタルシネマ・カメラの誕生

2005 年、サングラスで有名なスポーツ・ブランド『OAKLY』の創業者 Jim Jannard 氏がその事業を売却し、第2の人生をかけたデジタルカメラ開発のプロジェクトとして、米国で立ち上げたスタートアップ企業が RED Digital Cinema です。

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2006 年、Jannard 氏は映像音響機器展 NAB Show 2006 で、業界初の 4K デジタルシネマ・カメラRED ONE』の構想を発表し、2007 年にその販売を開始します。

そして、この技術革新に共鳴したハリウッドの映画監督 Steven Soderburg 氏が、RED ONE を使った長編映画『CHE』を製作、2008 年に公開。ここから業界トップの “高解像度” を誇る、RED Digital Cinema 社のカメラ開発の歴史がはじまります。

2. DSMC の設計思想

RED のカメラを知る上で、まず重要となるのが『DSMCDigital Still & Motion Camera)』という設計思想です。

この DSMC は、高解像度、高度なイメージ処理、RAW 記録により “動画と写真の両方を撮影する ことをコンセプトにしたカメラシステムで、RED のほぼ全てのモデルが、この思想を元に設計されています。RED のカメラが小型・軽量で、デジタル一眼のような形をしているのはそのためです。

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日本の写真業界では、2011 年に amana が RED EPIC-X を導入し、シズル撮影やドローン撮影の分野で活用していたりもします。

3. RED カメラの種類まとめ

RED のカメラ本体のことを「Brain」と呼びますが、最新の DSMC3 を含め、RED には 9 種類の Brain が存在しています。

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