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物理ウィンドウショッピング

たまに体力が残っている休日に、なじみのショッピングモールまで電車に乗って出かけて行って、一通り雑貨屋とかを見回った挙句「よし、今日も特に買いたいもんがない」と確認して帰ってくることをする。

特段カフェに入ったりもしない(混んでるから)ので、言うなれば大規模かつ無駄の多い散歩だ。

買うものがないのに電車賃を払い、わざわざ子連れで賑わう足元の悪い(子供がうろちょろしているせい)ショッピングモールを練り歩く。

大人しくそこらへんの河川敷をうろうろした方がまだ無駄がない。

しかし、「なんかわかりやすい視覚的な刺激が欲しい」という欲求があり、手っ取り早く大量の情報が乱雑に目に入ってくるショッピングモールに赴いてしまう。

ロフトやらカルディやら中川政七商店やらを覗いて目についた商品を手にとっては、「あ、これバズってたやつだな……。ふーん……たっけえなぁ~」と秒で棚に戻すのを3時間近く繰り返す。

そんなに資格情報を一度に多く摂取したいならamazonでも見ればいいのでは、と思うかもしれないが、amazonだとそのまま買っちゃうからだめだ。

所品をもってレジに行き → 財布を出し → 金を出し → 2,3言言葉を交わし → 財布をしまって → 商品を受け取り → 会釈などする

という一連の流れの面倒くささが物欲を凌駕して、結果何も買わないで済むから物理ウィンドウショッピングは大事なのだ。

携帯電話の出現により「固定電話」という言葉が生まれたように、「ウィンドウショッピング」という言葉もamazon等の仮想ウィンドウショッピングと区別するために「物理ウィンドウショッピング」と呼ぶべきだ、と今思ったので早速使った。

↑こういう現象のこと、なんか名前があったよなと思って「新しい種類の言葉が出てきたことで元の言葉が変わるやつ」で雑に検索したらちゃんとwikipediaが出てきた。

「レトロニム」と言うそうです。

響きがいいな。今度使いたい。

今度使いたい言葉を手書きのノートとかにまとめておいたらいざというとき便利なんじゃないかしらん。

「かしらん」、一度は使ってみたいですよね。

春になるとどうしても己の内なる女学生の魂が燃え上がって手書きのノートづくりへの熱い思いが再燃してしまう。

字が汚いから絶対にうまくいかないのに。
今度こそは、目的もハッキリしているし、大人になったし・・・!と思ってしまう。

どうせ3ページ書いて終わりである。

ちなみに年明けから始めた読書記録ノートも、はじめの15冊分くらい書いてもうやってない。

読みたい本が多すぎて3冊くらい並行読みしてしまっているせいで記録するのが億劫だ。

「今度使いたい言葉」と通じるところがあるが、「真似してみたい言い回し」「真似してみたい展開」とかを絶対にちゃんとメモっておいた方がいいのにうまく続かない。

結局iphoneのメモ帳に雑に「あ」とか「ぱおん」とかの題名のメモを作ってそこに適当にメモしているので、いざ思い出したい段階ですぐ出てこなくて困る。

しかもそれとは別にじっくり物を考えたいとき用の手書きのメモ帳(こっちは
最初からぐちゃぐちゃに書くのが目的だから字が汚くても気にならない)もあるので手に負えない。

あとevernoteもある。

メモをどうやって構築していくかというのは本当に人類の課題だなと思う。

電脳コイルの世界ならこういうのも最適解が生み出されたりするのかしらん。


電脳コイルで思い出したけど、私がスマートデバイスに求める機能って、
「自分の画面に移してるファイルを指で掴んで上にポイっと投げると相手の画面にそのまま届く機能」なんだよな。

既に画面共有とかで事足りてるけど、そういうのじゃなく、手続きとかなにもせずただ目の前の相手に持っているプリントを手渡して見せるくらいのシームレスさを実現してほしい。

もちろんそんなのネットワークとかいろんな課題があるのでおそらく一生無理なんだけどね。

そういう個々人間のごくプライベートなやり取りに制限がある以上、きっと電脳世界への移住なんて永遠に夢のまた夢だろうと思う。

電脳世界では、「さっき河原で拾ってきたちっちゃい落ち葉」と「それを玄関先に飾ってみました」が同じ個体である保証がない。

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